魚屋が教えるヒゲダイの煮付けの作り方

【ヒゲダイの煮付けはなぜ美味しいのか】
ヒゲダイは白身魚の中でもしっかりとした身質を持つ魚です。煮付けにすると身が崩れにくく、煮汁の旨味をしっかり吸い込んで、ふっくらと仕上がります。タイの仲間だけあって、煮付けにしたときの上品な甘みと旨味は格別です。淡白な白身魚の煮付けが好きな方にはとくにおすすめしたい料理です。
魚の煮付けというと「難しそう」と感じる方も多いですが、基本のタレさえ覚えてしまえば意外とシンプルです。ポイントをしっかり押さえれば、家庭でも本格的な煮付けが作れます。魚屋として長年お客さんに魚を届けてきた経験から、家庭で美味しく作れるコツをお伝えします。
【煮付けを作る前の下処理】
煮付けを美味しく仕上げるためには、下処理が非常に重要です。ここを丁寧にやるかどうかで、仕上がりの臭みや味が大きく変わります。
まず魚に切り込みを入れます。身の厚い部分に浅く2〜3本の切り込みを入れることで、煮汁が中まで染み込みやすくなります。切り込みは皮目に入れるのが基本です。
次に霜降りを行います。沸騰したお湯に魚を入れ、表面が白くなったらすぐに取り出して冷水にとります。これによって表面の汚れや臭みのもとになるタンパク質が取り除かれ、煮上がりが格段に美味しくなります。霜降りをするかしないかで仕上がりに大きな差が出るので、面倒でもぜひ実践してください。
冷水にとった魚は、残っているウロコや汚れを指で丁寧に洗い落とします。洗い終わったらキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ってから調理に入ります。
【ヒゲダイの煮付けの基本タレ】
煮付けのタレは魚の旨味を引き出すシンプルな配合が一番です。以下の分量を目安にしてください。魚1尾分(300〜400グラム程度)の基本タレです。
酒が100ミリリットル、みりんが50ミリリットル、醤油が50ミリリットル、砂糖が大さじ1、水が100ミリリットルです。
甘めが好きな方は砂糖を少し増やし、すっきりした味わいが好みの方は砂糖を減らして醤油を少し増やして調整してください。魚の種類や大きさによっても微調整が必要ですが、この配合を基本に自分好みの味を見つけていくのが料理の楽しさでもあります。
【ヒゲダイの煮付けの作り方】
まず鍋やフライパンに酒とみりんを入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせてアルコールを飛ばします。アルコールをしっかり飛ばすことで、魚の臭みが残りにくくなります。
アルコールが飛んだら水、醤油、砂糖を加えて混ぜ合わせます。煮汁が沸いたら下処理を済ませたヒゲダイを皮目を上にして入れます。皮目を上にすることで、盛り付けたときに綺麗な仕上がりになります。
落し蓋をして中火で8〜10分ほど煮ます。落し蓋があることで煮汁が魚全体に均一に行き渡り、少ない煮汁でも味がしっかり染み込みます。落し蓋がない場合はアルミホイルで代用できます。
煮ている間は鍋を揺すって煮汁を魚にかけるようにすると、より味が染み込みます。煮汁が少なくなってきたら火を少し弱めて焦げないように注意してください。
煮汁がとろりとしてきたら火を止めます。すぐに盛り付けるより、少し時間を置いて味を含ませた方が美味しくなります。可能であれば10〜15分ほど鍋の中で休ませてから器に盛り付けましょう。
【煮付けを美味しく仕上げる魚屋のコツ】
煮付けをより美味しく仕上げるためのポイントがいくつかあります。
まず煮すぎないことです。白身魚は火が通りやすいため、長く煮すぎると身がパサついてしまいます。8〜10分を目安に、身に火が通ったら早めに火を止めましょう。
次に煮汁の量についてです。煮汁は魚の半分くらいの高さが目安です。たっぷりの煮汁で煮ると味が薄くなりがちで、少なすぎると焦げやすくなります。ちょうどよい量を守ることが美味しい煮付けへの近道です。
生姜を加えるのもおすすめです。薄切りにした生姜を数枚入れると、臭み消しになると同時に風味がぐっと増します。生姜が好きな方はぜひ加えてみてください。
市場で仕入れをしていると、問屋さんから「この魚は煮付けが一番美味しいよ」とすすめられることがあります。長年市場で働いてきた問屋さんたちの言葉には重みがあります。ヒゲダイもそういった現場の声から煮付けの美味しさを知った魚のひとつです。目先の仕入れ交渉だけでなく、こういった情報交換も市場での大切なやり取りです。
【ヒゲダイの煮付けのまとめ】
ヒゲダイの煮付けは、しっかりした身質と上品な白身の旨味が煮汁とよく合う一品です。霜降りと切り込みという下処理をしっかり行うことで、臭みのないふっくらとした仕上がりになります。酒・みりん・醤油・砂糖・水を合わせた基本のタレで、落し蓋をして8〜10分ほど煮るのが基本です。煮すぎず、煮汁の量を適切に保つことが美味しく仕上げるためのポイントです。生姜を加えると風味がさらに増します。仕上がった後に少し時間を置いて味を染み込ませると、より一層美味しくなります。ヒゲダイを手に入れた際はぜひ煮付けで味わってみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。ぜひチャンネルもご覧ください。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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