春になると店頭に並ぶホタルイカ。見た目がかわいらしく、値段も手頃で人気の食材ですが、「そのまま食べていいの?」「下処理って必要?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。現役魚屋の私が、ホタルイカの下処理の仕方からおいしい食べ方まで、丁寧に解説します。
ホタルイカの旬と選び方
ホタルイカの旬は3月〜5月の春限定です。富山湾が有名な産地で、この時期になると全国のスーパーや魚屋に並びます。旬を外れるとほとんど手に入らないので、見かけたときに積極的に食べてほしい食材のひとつです。
新鮮なホタルイカを選ぶポイントは、目が黒くてはっきりしているもの、身にツヤと透明感があるものを選ぶことです。全体的にくすんでいたり、身がやわらかすぎるものは鮮度が落ちています。
スーパーではボイル済みのものが多く流通していますが、春の漁期には生のホタルイカが手に入ることもあります。生のものは刺身や踊り食いで楽しめますが、後述する寄生虫の注意点をしっかり確認してください。
下処理は必要?
ボイル済みのホタルイカはそのまま食べられますが、下処理をするかしないかで食感と見た目が大きく変わります。
ホタルイカには3つの硬い部位があります。目、くちばし(口)、そして軟骨です。これらを取り除くのが下処理です。取り除かなくても食べられますが、口当たりが悪くなったり、噛んだときに違和感が出ることがあります。料理に使う場合は下処理をしておくことをおすすめします。
下処理の手順
①目を取る
頭の両側にある丸い目を、指でそっとつまんで引き抜きます。力を入れすぎると身が崩れるので、やさしく行ってください。
②くちばしを取る
足の付け根の中央部分に、硬いくちばしがあります。指で押し出すようにすると取り出せます。慣れるまでは少しわかりにくいですが、触ると硬い部分があるのですぐにわかります。
③軟骨を取る
胴体の背中側に透明な軟骨が入っています。胴体を軽く押さえながら、軟骨の端をつまんでゆっくり引き抜きます。すっと抜けるので、慣れれば簡単です。
3つの工程合わせて、慣れれば1杯あたり30秒ほどでできます。最初は時間がかかっても、数をこなせばすぐに慣れますよ。
生ホタルイカの注意点
生のホタルイカには「旋尾線虫(せんびせんちゅう)」という寄生虫が寄生していることがあります。内臓に多く存在するため、生食する場合は内臓を必ず取り除くか、マイナス30℃以下で4日以上冷凍処理されたものを選ぶ必要があります。
スーパーで売られている生ホタルイカは、冷凍処理済みのものがほとんどですが、購入前に確認しておくと安心です。不安な場合はボイル済みのものを選ぶか、加熱調理して食べるのがいちばん安全です。
おいしい食べ方
酢みそ和え
ホタルイカの定番中の定番です。下処理したホタルイカに、みそ・酢・砂糖・からしを混ぜた酢みそを和えるだけで完成します。春の食卓にぴったりの一品です。みそと酢の比率は2:1が基本ですが、好みに合わせて調整してください。
ボイルしてそのまま
新鮮なホタルイカをさっと塩ゆでするだけでもおいしいです。茹で時間は1〜2分で十分です。生姜醤油やポン酢につけて食べると、ホタルイカ本来の甘みと旨みが引き立ちます。
パスタやアヒージョ
ホタルイカはイタリアンとの相性も抜群です。オリーブオイルとにんにく、鷹の爪で炒めたアヒージョは、パンとの相性もよくおしゃれな一品になります。パスタに絡めて春の旬を楽しむのもおすすめです。
炊き込みご飯
ホタルイカと生姜を使った炊き込みご飯も絶品です。醤油・みりん・酒を加えて普通に炊くだけで、ホタルイカの旨みがご飯全体に広がります。仕上げに三つ葉や刻みネギを散らすと見た目も華やかになります。
魚屋から一言
ホタルイカは旬が短いので、春に見かけたらぜひ積極的に買ってみてください。値段が手頃で栄養価も高く、タウリンやビタミンB12が豊富に含まれています。
下処理が少し手間に感じるかもしれませんが、慣れてしまえばあっという間です。まずは酢みそ和えから始めて、慣れてきたらいろいろな料理に挑戦してみてください。
まとめ
ホタルイカの下処理と食べ方のポイントをまとめます。
旬は3月〜5月、目がはっきりしたものを選ぶ
下処理は目・くちばし・軟骨の3か所を取り除く
生食する場合は寄生虫に注意、冷凍処理済みを選ぶ
酢みそ和え・ボイル・アヒージョなど幅広く使える
春の短い旬を存分に楽しんでください。
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ホタルイカの食べ方【下処理から料理まで】現役魚屋が解説
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