煮付けを作ろうとしたとき、「醤油とみりんをどのくらい入れればいいかわからない」「味が薄くなったり濃くなったりしてなかなか安定しない」という声をよく聞きます。実は煮付けのタレには黄金比があって、それさえ覚えてしまえば、どんな魚でも安定したおいしい煮付けが作れるようになります。現役魚屋の私が、タレの配合から煮方のコツまで丁寧に解説します。
煮付けに向いている魚
煮付けはどんな魚でも作れるわけではなく、向き不向きがあります。
カレイは煮付けの定番中の定番です。身がふっくらして崩れにくく、タレとの相性も抜群です。初めて煮付けを作る方にいちばんおすすめします。
キンメダイは脂がのっていて煮付けにすると絶品です。少し値が張りますが、特別な日の一品にぴったりです。
メバルやカサゴは小ぶりですが味が濃く、煮付けにすると旨みがタレに溶け出しておいしく仕上がります。
ブリやサバなど青魚も煮付けにできますが、臭みが出やすいので下処理をしっかりやることが大切です。
基本の黄金比
煮付けのタレの黄金比はこちらです。
醤油1:みりん1:酒1:水2
これが基本の比率です。魚1切れ(約100グラム)に対して、醤油・みりん・酒をそれぞれ大さじ1、水を大さじ2が目安になります。魚の量に合わせてこの比率のまま増減させてください。
砂糖を少し加えると甘みとコクが出ます。甘めの煮付けが好みの方は、この黄金比に砂糖小さじ1を加えてみてください。関東風の甘辛い煮付けに近い味になります。
下処理で臭みをしっかり取る
煮付けをおいしく作るうえで、下処理は非常に重要です。ここを手抜きすると、せっかくタレの配合が完璧でも臭みが気になる仕上がりになってしまいます。
まず魚に塩をふって10〜15分置きます。すると臭みの成分を含んだ水分が出てきます。これをキッチンペーパーでしっかり拭き取ってください。
次に霜降りという作業をします。魚に熱湯をかけるか、さっと湯通しして、すぐに冷水に取ります。表面が白くなったら冷水で洗い流します。これだけで臭みがぐっと軽減されます。面倒に感じるかもしれませんが、仕上がりが全然違うのでぜひやってみてください。
皮に切り込みを入れておくと、タレが染み込みやすくなり、加熱時に皮が縮んで身が崩れるのも防げます。
煮付けの手順とコツ
タレを先に煮立てる
鍋にタレの材料をすべて入れ、先に煮立てます。タレが沸騰してからアルコールが飛んだら魚を入れます。冷たいタレに魚を入れてから火にかけるのはNGです。先に煮立てることで魚の表面がすぐに固まり、うまみが中に閉じ込められます。
落し蓋を使う
魚を入れたら落し蓋をしてください。落し蓋をすることでタレが全体に回り、少ない煮汁でも均一に味が染み込みます。アルミホイルや厚手のキッチンペーパーで代用できます。
煮る時間は短めに
魚の煮付けは煮すぎると身がパサパサになってしまいます。中火で8〜12分が目安です。途中で煮汁をスプーンですくって魚の上からかけてあげると、表面にもしっかり味がつきます。
煮汁を最後に煮詰める
魚に火が通ったら魚を取り出し、残った煮汁を強火で少し煮詰めます。とろみが出てきたら魚の上にかけて完成です。この一手間で見た目もグッと良くなります。
アレンジバリエーション
基本の黄金比をベースにして、少し材料を変えるだけで味のバリエーションが広がります。
生姜を加えると臭みがさらに消え、さっぱりとした仕上がりになります。生姜は薄切りにして最初からタレに入れておきましょう。
梅干しを1個加えると、さっぱりとした酸味のある煮付けになります。サバや青魚との相性がいいです。
みそを少量加えると、こっくりとした味噌風味の煮付けになります。カレイやメバルとよく合います。
まとめ
魚の煮付けの基本タレと作り方のポイントをまとめます。
黄金比は醤油1:みりん1:酒1:水2
下処理の霜降りで臭みをしっかり取る
タレを先に煮立ててから魚を入れる
落し蓋をして中火で8〜12分
最後に煮汁を煮詰めてかけると味が決まる
この黄金比を覚えておけば、どんな魚でも迷わず煮付けが作れるようになります。ぜひキッチンに貼っておいてください。
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魚の煮付けの基本タレ【現役魚屋が教える黄金比】
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