アオハタはスズキ目ハタ科に属する海水魚です。ハタ科にはキジハタ・マハタ・クエ・アカハタなど高級魚が多く、アオハタもその中のひとつです。名前に「アオ」とついていますが実際の体色は緑褐色から茶褐色で、全身に白や淡い色の小さな斑点模様が散らばっています。この独特の模様が美しく、水中で見ると岩礁に溶け込むような迷彩模様になっています。
体長は一般的に30〜50センチほどのものが多く流通していますが、大きいものは60センチを超えることもあります。岩礁地帯を好む根魚で底に潜んでエサを待ち構えるタイプの魚です。そのため運動量が少なく、身が締まっていて旨味が凝縮されています。
肉質は白身で締まりがよく加熱しても崩れにくいのが特徴です。刺身・煮付け・塩焼き・鍋・アクアパッツァなどあらゆる料理に対応できる万能な魚です。アカハタと食べ比べてみると、アオハタの方がより繊細で上品な甘みを感じるという方も多く、魚好きの間では「アオハタの方が好き」という声もよく聞きます。
【アオハタの旬はいつ?】
アオハタの旬は夏から秋にかけて、だいたい7月から10月ごろです。水温が上がる夏の時期に活性が高まりエサをよく食べて脂がのってきます。この時期のアオハタは身の旨味が特に強く、刺身にしたときの甘みとコクが格別です。
アカハタと旬の時期がほぼ重なっているのはハタ科の魚に共通した特徴です。暖かい海域を好む魚が多いハタ科では、水温が高くなる夏から秋にかけて活性が高まり美味しくなる魚が多い傾向があります。
ただしアオハタもアカハタと同様に旬の時期以外でも十分美味しく食べられる魚です。根魚は季節による味の変化が青魚ほど大きくないため年間を通じて安定した品質で楽しめます。産卵期は春から初夏にかけてで、この時期は産卵に体力を使うため若干味が落ちることがあります。旬のピークを狙うなら夏から秋がおすすめですが産卵期を避ければ一年中美味しく食べられると覚えておいてください。
【アオハタの主な産地】
アオハタは日本では主に以下の地域で水揚げされています。
長崎県・鹿児島県・沖縄県など九州・南西諸島の暖かい海が主な産地です。アオハタはアカハタと生息域が重なる部分が多く、同じ岩礁地帯に混在していることもよくあります。特に九州西部から南西諸島にかけての海域はアオハタの好む温かく透明度の高い海が広がっており、良型のアオハタが水揚げされることで知られています。
また高知県や愛媛県など四国の太平洋側でも水揚げされることがあります。釣りの対象魚としても人気が高く、釣り人が持ち込んだものが鮮魚として市場に出回るケースも少なくありません。
アカハタと比べると漁獲量が少ないため市場での流通量は限られています。スーパーではなかなか見かけることができず、鮮魚専門店や魚屋、産地の市場や道の駅などで見かけることが多い魚です。見かけたときは迷わず手に取ってほしいと思います。
【魚屋が教えるアオハタの選び方】
せっかく希少なアオハタを買うなら鮮度の良いものを選びたいですよね。魚屋として長年鍛えてきた目線で新鮮なアオハタの見分け方を紹介します。
体色の鮮やかさを見る
新鮮なアオハタは体色が鮮やかで緑褐色の色味がはっきりしており、白い斑点模様がくっきりと見えます。鮮度が落ちると全体的に色がくすんで茶色っぽくなり斑点模様もぼやけてきます。店頭で見たときに模様がはっきりしていてツヤがあるものを選ぶのが正解です。
目の透明感を確認する
魚の鮮度を判断するうえで目は非常に重要なポイントです。新鮮なアオハタは目が透き通っていて黒目がはっきりしています。鮮度が落ちると目が白く濁り沈んで見えるようになります。目を見れば鮮度が一目瞭然ですので必ず確認する習慣をつけてください。
エラの色を見る
エラが確認できる場合はエラの色も重要なチェックポイントです。新鮮なアオハタのエラは鮮やかな赤から濃いピンク色をしています。鮮度が落ちるとエラの色がくすんで茶色や灰色がかってきます。エラの色が綺麗なものほど新鮮ですので積極的に確認してみてください。
体にハリがあるか確認する
可能であれば実際に触れてみて体にハリがあるかを確認します。新鮮なアオハタは体が固くしっかりしており押しても形が戻ってきます。鮮度が落ちると体がやわらかくなり押したときにへこんだまま戻りにくくなります。
臭いを確認する
新鮮なアオハタは海の香りがして不快な臭いはありません。鮮度が落ちると生臭さが出てきます。店頭で臭いを確認できる場合は積極的に確認してみてください。
【アオハタの栄養】
アオハタはアカハタと同様に栄養面でも優れた魚です。良質なたんぱく質を豊富に含んでおり筋肉の維持や体の回復に役立ちます。脂質は白身魚らしく控えめでカロリーが気になる方にも食べやすい魚です。ビタミンB群やミネラルも含まれておりバランスの良い栄養が摂れます。皮にはコラーゲンが豊富に含まれているため湯霜造りにして皮ごと食べることでさらに栄養価の高い一品になります。
【アカハタとアオハタの違い】
同じハタ科のアカハタとアオハタはよく比較される魚です。見た目の違いは体色で、アカハタが赤みの強い体色に暗褐色の斑点を持つのに対し、アオハタは緑褐色の体色に白い斑点模様を持っています。並べて見ると一目瞭然ですが、単体で見ると慣れていない方には判別が難しいこともあります。
味の違いについては両方とも白身で上品な旨味を持っていますが、アオハタの方がより繊細で甘みが強いと感じる方が多い傾向があります。どちらが美味しいかは好みによりますが、魚屋として言えるのは「どちらも間違いなく美味しい」ということです。
流通量はアカハタの方が多く、アオハタはより希少です。そのためアオハタの方が価格が高い傾向がありますが、その希少性と美味しさを考えれば納得の価格だと思います。
【まとめ】
アオハタは旬が夏から秋にかけてで九州・南西諸島を中心に水揚げされる希少な高級根魚です。体色の鮮やかさ・目の透明感・エラの色・体のハリの4つを確認することで店頭でも鮮度の良いものを見極めることができます。アカハタと似た特徴を持ちながらもアオハタ独自の繊細な甘みと上品な旨味は格別で、見かけたときはぜひ手に取ってほしい魚です。希少だからこそ出会えたときの喜びもひとしおで、その美味しさを知ったら次もまた探したくなるはずです。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
アオハタの基礎知識|旬・産地・選び方を魚屋が解説
魚の基本知識