アコウダイはその希少性と上品な味わいから、料亭や高級料理店でも重宝される超一級品の魚です。せっかく手に入れたアコウダイを最高の状態で味わうために、今回は現役魚屋の目線からアコウダイの美味しい食べ方と代表的な料理レシピを詳しくご紹介します。
【アコウダイの味わいと特徴】
アコウダイの身は白くてきめ細かく、上品な甘みと脂の旨みが絶妙なバランスで共存しています。深海魚特有のふっくらとした身質で、加熱しても硬くなりにくく、どんな調理法でも美味しく仕上がります。皮目にも旨みと脂がしっかり乗っており、皮ごと調理することで風味がさらに増します。
魚屋の店頭にアコウダイが並ぶと、常連のお客さんの目の色が変わります。健康のために毎日魚を買いに来てくれる年配のお客さんも、アコウダイが入ったときだけは値段を見る前に「これください」と言ってくださいます。それだけ一度食べると忘れられない味わいなのです。高級魚だからこそ特別な日の食卓を飾るのに相応しい魚と言えます。
【アコウダイの刺身】
アコウダイの美味しさを最もシンプルに楽しめるのが刺身です。新鮮なアコウダイが手に入ったときはまず刺身で食べてみることをおすすめします。
三枚におろして皮を引いたアコウダイの身を、繊維に対して斜めに切り付けます。厚さは7〜8mm程度がアコウダイの食感を楽しむのにちょうど良いです。わさび醤油はもちろん、ポン酢に紅葉おろしを添えてもよく合います。
アコウダイは松皮造りもおすすめです。皮を引かずに皮目に熱湯をかけて氷水で締める湯霜造りにすると、皮目の旨みと脂をそのまま味わえます。皮のコリコリとした食感と身のふっくらとした甘みのコントラストが絶品です。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。皮の引き方や湯霜造りの手順も動画でご確認ください。
【アコウダイの煮付け】
アコウダイの煮付けは骨から出る圧倒的な旨みが煮汁に溶け出し、シンプルな味付けでも驚くほど深みのある一品に仕上がります。
材料(2人分)はアコウダイの切り身2切れ・醤油大さじ3・みりん大さじ3・酒大さじ3・砂糖大さじ1・水100mlです。
鍋に醤油・みりん・酒・砂糖・水を合わせて煮立てます。煮汁が沸いたらアコウダイを入れ、落し蓋をして中火で10〜12分煮ます。途中で煮汁をスプーンで魚にかけながら煮ると全体に味が行き渡ります。煮汁が半分以下になったら火を止めて完成です。
アコウダイの煮付けは煮汁まで絶品です。ご飯にかけて食べると最高の一杯になります。身が崩れやすいほどふっくらと仕上がるのがアコウダイの煮付けの醍醐味です。
【アコウダイの潮汁】
アコウダイのアラを使った潮汁は、深海魚ならではの上品で澄んだ出汁が楽しめる一品です。料亭でも提供されるほどの味わいで、家庭でも簡単に作れます。
材料(2人分)はアコウダイのアラ適量・水600ml・酒大さじ2・塩少々・昆布5cm角1枚・三つ葉適量です。
アコウダイのアラに塩を振って10分置き、熱湯をかけて霜降りにします。鍋に水・昆布・酒とアラを入れて火にかけます。沸く直前に昆布を取り出し、アクを丁寧に取り除きながら弱火で15分ほど煮出します。塩で味を整えて三つ葉を添えて完成です。
アコウダイの頭やアラから出る出汁は透明感があり上品な旨みが際立ちます。味噌を加えて味噌汁にしても絶品ですが、まずは塩だけで仕上げた潮汁でアコウダイ本来の出汁の味わいを楽しんでみてください。
【アコウダイの西京焼き】
アコウダイの上品な白身は西京味噌との相性が抜群です。西京焼きにすることで身の旨みに味噌の甘みと香ばしさが加わり、より深みのある味わいが楽しめます。
材料(2人分)はアコウダイの切り身2切れ・西京味噌200g・みりん大さじ2・酒大さじ1です。
西京味噌・みりん・酒を混ぜ合わせて漬け床を作ります。アコウダイの切り身をキッチンペーパーで包んでから漬け床に入れ、冷蔵庫で2〜3日漬け込みます。焼く前に漬け床をきれいに拭き取り、グリルまたはフライパンで中火でじっくり焼きます。表面に焼き色がついたら完成です。
西京焼きは漬け込み時間が長いほど味が深まります。味噌が焦げやすいため火加減には注意が必要です。アルミホイルを敷いて焼くと焦げ付きを防ぎやすくなります。
【アコウダイのしゃぶしゃぶ】
アコウダイの薄切りをさっと出汁にくぐらせるしゃぶしゃぶは、高級魚の繊細な旨みを存分に楽しめる贅沢な食べ方です。特別な日の食卓にぴったりです。
材料(2人分)はアコウダイの薄切り身200g・昆布出汁800ml・酒大さじ2・ポン酢適量・もみじおろし適量・細ねぎ適量です。
昆布出汁に酒を加えて温めます。アコウダイの薄切り身を箸でつかみ、出汁にさっとくぐらせます。2〜3秒程度で十分です。身が白くなったらポン酢ともみじおろし・細ねぎを添えていただきます。
アコウダイのしゃぶしゃぶは火を通しすぎないことが大切です。さっとくぐらせるだけで十分に火が入り、ふっくらとした食感と旨みが楽しめます。食べ終わった後の出汁にご飯と卵を加えて雑炊にするとこれもまた絶品です。
【アコウダイのバター醤油焼き】
アコウダイの白身はバター醤油との相性も抜群です。シンプルながら白身の旨みとバターの風味が合わさって食べ応えのある一品に仕上がります。
材料(2人分)はアコウダイの切り身2切れ・バター15g・醤油大さじ1・塩少々・レモン適量です。
アコウダイの切り身に塩を振って10分置き、水気をキッチンペーパーで拭き取ります。フライパンにバターを溶かし、中火でアコウダイを両面焼きます。皮目からしっかり焼くと皮がパリッと仕上がります。仕上げに醤油を回しかけてレモンを添えて完成です。
皮目をパリッと焼くためには焼く前にしっかり水気を拭き取ることが重要です。水気が残っているとフライパンに身がくっつきやすくなります。
【まとめ】
アコウダイは刺身・煮付け・潮汁・西京焼き・しゃぶしゃぶ・バター醤油焼きとどんな料理にしても超一級品の味わいが楽しめる万能な高級魚です。特に刺身と潮汁はアコウダイ本来の上品な旨みを最もシンプルに楽しめる食べ方としておすすめです。市場でなかなかお目にかかれない希少な魚だからこそ、手に入ったときはぜひいろいろな料理で存分に楽しんでください。調理方法に迷ったときは魚屋に気軽に声をかけていただければ丁寧にお答えします。アコウダイの圧倒的な美味しさをぜひ家庭の食卓で体験してみてください。
捌き方は「おととチャンネル」で動画解説しています。三枚おろしから皮の引き方・湯霜造りまで丁寧に紹介していますので、ぜひチャンネルをご覧ください。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
アコウダイの美味しい食べ方と料理レシピ|超高級深海魚を現役魚屋が徹底解説
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