ベラは鮮度の落ちが早い魚のひとつです。せっかく新鮮なものを手に入れても、保存の仕方を間違えると美味しさが半減してしまいます。今回は魚屋の視点からベラの正しい下処理と保存方法を詳しく解説していきます。
【ベラは鮮度管理が大切な魚】
ベラは体表のぬめりが多く、内臓から出る消化酵素の影響で鮮度が落ちやすい特徴があります。特に夏場の気温が高い時期は劣化が早いため、購入後の処理をできるだけ素早く行うことが美味しさを保つ最大のポイントです。
魚屋として毎朝4時前に起きて市場へ仕入れに行きますが、冬場の仕入れは本当に過酷です。コンクリートの床は足元からじんじんと冷えてきますし、氷水に手を突っ込んで魚を取り出す作業が続きます。マイナス20度以下の冷凍庫にも何度も出入りします。そんな極寒の中でも鮮度管理を徹底するのは、お客さんに少しでも美味しい魚を届けたいからです。ベラのような鮮度が命の魚は特に、仕入れから店頭に並ぶまでの時間と温度管理が味を大きく左右します。
【下処理の手順】
①ぬめりを取る
ベラは体表のぬめりが多いため、まず塩を少量ふりかけてたわしや布巾でこすり、ぬめりをしっかり取り除きます。その後流水でよく洗い流してください。このひと手間が臭み防止に大きく効いてきます。
②ウロコを取る
ぬめりを取ったらウロコ取りで丁寧にウロコを除去します。尾から頭に向かって動かしてください。ヒレの付け根や頭周りはウロコが残りやすいので念入りに取り除きましょう。
③内臓を取り除く
頭を落として腹を開き、内臓を取り出します。腹の中を流水でしっかり洗い、血合いをきれいに取り除いてください。血合いが残っていると臭みの原因になります。キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ることも忘れずに行ってください。
【冷蔵保存の方法】
下処理が終わったベラはキッチンペーパーで包み、さらにラップで密閉してから冷蔵庫に入れてください。キッチンペーパーが身から出るドリップを吸収してくれるため、身が水っぽくなるのを防いでくれます。冷蔵保存の目安は1〜2日以内です。
三枚おろしにした状態で保存する場合も同様に、キッチンペーパーで包んでからラップで密閉します。刺身で食べる場合は当日か翌日までに使い切るようにしてください。冷蔵庫の中でも温度が低い場所、チルド室があればそこに入れるのがベストです。
【冷凍保存の方法】
すぐに食べない場合は冷凍保存がおすすめです。三枚おろしにした状態で1枚ずつラップでしっかり包み、ジッパー付きの保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍してください。冷凍での保存期間は2〜3週間が目安です。
解凍するときは冷蔵庫に移して一晩かけてゆっくり自然解凍するのが最もおすすめです。急ぐ場合はラップに包んだまま流水にあてる流水解凍も使えますが、電子レンジでの解凍は身が傷みやすくなるため避けてください。解凍後は早めに使い切りましょう。
【釣ったベラの処理について】
釣り人がベラを持ち帰る場合は、釣り上げた直後の処理が特に重要です。釣れたらすぐにクーラーボックスに氷と海水を入れたもので冷やしてください。できれば締めてから保存するとより鮮度が保てます。内臓は帰宅後すぐに取り除き、早めに調理するのが美味しく食べるための基本です。外道として海に戻してしまうのはもったいないので、ぜひ持ち帰って食べてみてほしいと思います。
【アラの保存と活用】
捌いたときに出た頭や中骨などのアラはすぐに使わない場合ラップで包んで冷凍保存できます。ベラのアラから出る出汁は上品で甘みがあり、味噌汁や潮汁に使うと絶品です。魚屋では魚を一匹余すところなく使い切るのが基本の考え方です。アラを捨ててしまうのは本当にもったいないので、ぜひ出汁として活用してください。
【まとめ】
ベラの保存で最も大切なのはぬめりと内臓を早めに処理することです。体表のぬめりは塩でこすって取り除き、購入後はできるだけ早く内臓を取り出して流水でしっかり洗うことが鮮度を保つ基本になります。冷蔵保存は1〜2日以内、冷凍保存は2〜3週間を目安にしてください。釣ったベラも外道として海に戻さずぜひ持ち帰って食べてみてください。正しい下処理と保存方法を守ることでベラの美味しさを最大限に楽しむことができます。
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ベラの保存方法と下処理|鮮度を保つコツを魚屋が解説
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