スマガツオは鮮度が落ちるのが早い魚です。せっかく手に入れた美味しいスマガツオも、保存や下処理を間違えると風味がガクッと落ちてしまいます。この記事では、魚屋として毎日魚を扱っている現場の視点から、スマガツオの正しい保存方法と下処理のコツをお伝えします。
【スマガツオはなぜ鮮度が落ちやすいのか】
スマガツオはカツオの仲間で、血合いが多く脂も乗っている魚です。この血合いと脂が美味しさの源でもあるのですが、同時に酸化や臭みの原因にもなります。血合いが多い魚は空気に触れると酸化が進みやすく、時間が経つにつれて生臭さが出てきます。
市場でスマガツオを仕入れるとき、私はまず魚の目と表面のツヤを確認します。目が澄んでいて、表面に光沢がある個体を選ぶようにしています。同じスマガツオでも、水揚げからの時間によって状態がかなり違います。良い状態のものを選ぶことが、美味しく食べるための第一歩です。
【下処理の基本|血をしっかり取り除くことが大切】
スマガツオの下処理で最も大切なのは、血をしっかり取り除くことです。血が残ったまま保存すると、臭みの原因になります。
まず、魚を捌いたら血合い骨の周辺をきれいに洗います。このとき流水で洗い流すのが基本ですが、洗いすぎると旨味まで流れてしまうので、必要な部分だけを手早く洗うようにしてください。
次に、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。この水気を残さないというのが非常に重要です。魚の表面に水分が残っていると、その水分から雑菌が繁殖しやすくなります。拭き取りは丁寧に、全体をしっかり行ってください。
血合い部分が気になる場合は、包丁で薄く削ぎ取る方法もあります。見た目も良くなりますし、臭みを抑える効果があります。ただし削りすぎると身が減ってしまうので、表面の変色している部分だけを取り除く程度で十分です。
【冷蔵保存のコツ|ラップと新聞紙を使いこなす】
下処理が終わったら、冷蔵保存の方法が味を左右します。
柵の状態で保存する場合は、キッチンペーパーで全体を包んでからラップをして冷蔵庫へ入れてください。キッチンペーパーが余分な水分を吸い取ってくれます。そのままラップだけで包むと、滲み出た水分が魚に触れたままになり、臭みや鮮度低下の原因になります。
保存する際はチルド室や冷蔵庫の中でも温度が低い場所を選んでください。魚は温度変化に敏感です。ドアポケットなど温度が上がりやすい場所は避けましょう。
また、新聞紙で包んでからビニール袋に入れる方法も現場でよく使います。新聞紙が保冷効果と水分調整をしてくれるため、魚の状態が安定しやすいです。冷蔵保存の場合、下処理をしっかりしていても2日以内に食べるのが理想です。スマガツオは鮮度が命なので、早めに食べることを心がけてください。
【冷凍保存のコツ|旨味を逃がさない方法】
すぐに食べない場合は冷凍保存がおすすめです。ただし、冷凍の仕方を間違えると旨味と食感が大きく損なわれます。
冷凍する前にも必ず水気を拭き取ってください。水分が残ったまま冷凍すると、解凍したときに水分と一緒に旨味が流れ出してしまいます。
ラップで空気が入らないようにしっかり包んでから、冷凍用のジッパー付き保存袋に入れて冷凍してください。空気に触れると冷凍焼けの原因になります。できるだけ空気を抜いて密閉するのがポイントです。
冷凍の保存期間は2〜3週間を目安にしてください。長く冷凍しておくと風味が落ちてきます。食べる分だけ小分けにして冷凍しておくと使い勝手が良いです。
【解凍のコツ|ゆっくり時間をかけるのが正解】
冷凍したスマガツオを解凍するときは、冷蔵庫に移してゆっくり時間をかけて解凍するのが基本です。前日の夜に冷蔵庫に移しておけば、翌朝には使える状態になっています。
時間がないときは、ジッパー付き保存袋に入れたまま流水にあてる方法でも解凍できます。ただしこの場合も袋の外から水をあてるだけで、魚が直接水に触れないようにしてください。
電子レンジでの解凍は、部分的に加熱されてしまい食感が変わってしまうのでおすすめしません。刺身で食べる場合は特に、冷蔵庫解凍一択です。
【魚屋が現場で実践している保存の話】
お客さんから「スマガツオを買ったけど、翌日になったら臭くなってしまった」という声をいただくことがあります。原因のほとんどは水気の処理不足です。
私が店で魚を保存するときも、水気を丁寧に拭き取る作業は絶対に省きません。面倒に思えるかもしれませんが、この一手間が翌日の鮮度と味に直結します。魚屋でも家庭でも、この基本は変わりません。
また、スマガツオは丸のままで買ってきた場合、内臓をそのままにしておくのは厳禁です。内臓から傷みが進むので、買ってきたらすぐに内臓を取り出して下処理を済ませることが大切です。
【まとめ】
スマガツオの保存と下処理で大切なのは、とにかく水気と血をしっかり取り除くことです。この基本さえ守れば、冷蔵でも冷凍でも美味しい状態を保つことができます。冷蔵保存は2日以内を目安に、冷凍する場合は空気をしっかり抜いて密閉し、解凍は冷蔵庫でゆっくり行うのが鉄則です。せっかくの美味しいスマガツオ、正しい保存と下処理で最後まで美味しく楽しんでください。
スマガツオの捌き方や刺身の作り方はおととチャンネルで動画解説しています。ぜひチャンネルも覗いてみてください😊
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
魚屋が教えるスマガツオの保存方法と下処理のコツ
保存・下処理