マナガツオといえば西京焼きと言われるほど、この魚と西京味噌の組み合わせは鉄板です。関西では古くから料亭の定番として親しまれてきた一品ですが、実は自宅でも丁寧に作れば料亭に負けない美味しさに仕上がります。今回は魚屋の現場目線で、マナガツオの西京焼きをくわしく解説します。
【マナガツオと西京焼きの相性が抜群な理由】
西京焼きとは、西京味噌(白味噌)に漬け込んだ魚を焼いた料理です。西京味噌の上品な甘みとマナガツオの脂ののった白身が絡み合うことで、口の中にじんわりと広がる深い旨みが生まれます。
マナガツオは脂質が高めで身が柔らかく、味噌の風味をよく吸い込む性質があります。これが西京焼きに最適な理由です。淡白な白身魚では物足りなく、逆に脂が強すぎる青魚では味噌に負けてしまう。マナガツオはその絶妙なバランスを持った、西京焼きのために存在するような魚といっても過言ではありません。
【魚屋の現場から】
私が市場でマナガツオを仕入れると、切り身にして西京漬けにして店頭に並べることが多いです。西京漬けは漬け込む時間が必要なので、仕込みは前日の閉店後に行います。朝4時前に起きて市場に行き、仕入れて戻ってきてから加工して、さらに翌日の仕込みもこなす。魚屋の1日はやることが本当に多い。でもお客さんが「これ美味しかった!また買いにきたよ」と言ってくれると、その疲れが全部吹き飛びます。
マナガツオの西京漬けはリピーターがつきやすい商品の一つです。一度食べたら忘れられない味、というのはこういう魚のことだと思っています。
【材料(2人分)】
マナガツオの切り身 2切れ
西京味噌(白味噌) 大さじ4
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
砂糖 小さじ1
【下処理の手順】
西京焼きを美味しく作るためには、漬け込む前の下処理が非常に重要です。
まず切り身に軽く塩を振り、15〜20分ほど置きます。すると魚の表面から水分が出てきます。この水分には臭みの成分が含まれているので、キッチンペーパーでしっかりと拭き取ります。この一手間が、仕上がりの臭みの有無を大きく左右します。
次に、みりんと酒を合わせて軽く沸かしてアルコールを飛ばしておきます。こうすることで味噌だれが魚に馴染みやすくなります。西京味噌・みりん・酒・砂糖を混ぜ合わせて漬けだれを作ります。
【漬け込みの手順】
バットやジッパー付き保存袋に漬けだれを広げ、切り身を並べます。切り身の両面にしっかりと味噌だれが触れるようにして、ラップをして冷蔵庫で最低でも1日、できれば2日漬け込みます。漬け込み時間が長いほど味がしっかりとしみ込みますが、3日以上になると塩分が強くなりすぎることがあるので注意してください。
【焼き方の手順】
漬け込んだ切り身を取り出したら、表面についた味噌をキッチンペーパーでやさしく拭き取ります。味噌が残ったまま焼くと焦げやすいので、この作業は丁寧に行いましょう。
フライパンで焼く場合はクッキングシートを敷いて中火で焼きます。グリルで焼く場合はあらかじめグリルを予熱しておくと皮がパリッと仕上がります。片面を3〜4分焼いて焼き色がついたらひっくり返し、さらに3分ほど焼きます。マナガツオは身が柔らかいのでひっくり返すときは慎重に行いましょう。
表面に美しい焼き色がつき、ふわっとした香ばしい香りが漂ってきたら完成です。
【美味しく仕上げるためのポイント】
西京焼きで最も多い失敗は「焦げ」です。西京味噌には糖分が多く含まれているため、火加減を間違えると表面だけ焦げて中が生焼けになってしまいます。必ず中火以下でじっくり焼くことを意識してください。
フライパンで焼く際はクッキングシートが必須です。味噌だれがフライパンに直接触れると焦げ付いて洗うのが大変になるだけでなく、魚の皮が剥がれてしまいます。クッキングシートを使うことで見た目よく仕上げることができます。
また、漬け込んだ後に冷凍保存もできます。漬け込んだ状態でジッパー付き保存袋に入れて冷凍しておけば、食べたいときに取り出して焼くだけでいつでも本格的な西京焼きが楽しめます。まとめて仕込んでおくと非常に便利です。
【盛り付けと付け合わせ】
器に盛り付ける際は、皮目を上にすると見た目が美しくなります。付け合わせには大根おろしがよく合います。さっぱりとした大根おろしが西京焼きの甘みと脂をうまく中和してくれます。すだちやレモンを添えるのもおすすめです。
ご飯との相性は抜群で、白いご飯が何杯でも進む一品です。お弁当のおかずとしても喜ばれます。
【まとめ】
マナガツオの西京焼きは、下処理で臭みをしっかり取り除き、1〜2日かけてじっくり漬け込み、中火以下でゆっくり焼き上げることが美味しさの三大ポイントです。手間と時間がかかる分、完成したときの感動は格別です。市場でなかなか出回らない高級魚だからこそ、丁寧に仕込んでその本来の旨みを最大限に楽しんでほしいと思います。料亭で食べるような贅沢な味が自宅で再現できる、それがマナガツオの西京焼きの魅力です。ぜひ挑戦してみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。三枚おろしの手順や皮の引き方を映像でわかりやすく確認できますので、ぜひ合わせてご覧ください😊
👉 https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
マナガツオの西京焼きレシピ|高級魚を自宅で料亭の味に仕上げる魚屋直伝の方法
料理レシピ