魚の燻製の作り方

燻製というと難しそうなイメージがありますが、基本を押さえれば家庭でも十分に作れます。魚の燻製は保存食としても優秀で、そのまま食べても料理に使っても美味しい万能な一品です。今回は魚屋目線で、家庭でできる魚の燻製の作り方を丁寧に解説します。
【燻製に向いている魚は?】
燻製に向いている魚は脂がのっていてしっかりとした身の魚です。代表的なものはサーモン・サバ・ニジマス・ブリ・サンマ・イワシなどです。
脂がのっている魚ほど燻製の香りがよく染み込み、風味豊かに仕上がります。初めて作るならサーモンやサバがおすすめです。スーパーや魚屋で手に入りやすく、燻製との相性も抜群です。
【燻製の種類を知っておこう】
燻製には大きく分けて3種類あります。それぞれ温度と時間が異なり、仕上がりも変わります。
冷燻(れいくん)
15〜30℃の低温で数時間から数日かけてじっくり燻す方法です。スモークサーモンが代表例で、生に近い食感に仕上がります。温度管理が難しく上級者向けです。
温燻(おんくん)
30〜80℃の中温で数時間燻す方法です。家庭で最もよく作られる燻製で、しっかり火が通りながらも燻製の香りが楽しめます。初心者にはこの温燻がおすすめです。
熱燻(ねっくん)
80〜120℃の高温で短時間燻す方法です。30分〜1時間程度で仕上がるので手軽に作れますが、保存期間は短めです。
家庭で初めて作るなら温燻か熱燻から始めるのがおすすめです。
【用意するもの】
材料(作りやすい分量)
魚の切り身または一尾:適量
塩:適量
スモークチップ(サクラ・リンゴ・ヒッコリーなど):ひとつかみ
砂糖:少量(ソミュール液を作る場合)
燻製器または深めのフライパン・鍋・中華鍋
燻製器がなくても深めのフライパンや鍋で代用できます。蓋ができる深めの鍋があれば十分です。アルミホイルを敷いてスモークチップを置き、網を渡して魚を乗せるだけで簡単な燻製器になります。
スモークチップは燻製の香りを決める重要な材料です。サクラはクセがなく万能で初心者におすすめです。リンゴは甘い香りで魚との相性がよく、ヒッコリーはスモーキーな香りが強めです。
【下処理・塩漬けをしっかりやろう】
燻製を美味しく作るために下処理と塩漬けが重要です。この工程をしっかりやることで味がしっかり決まり、保存性も上がります。
① 魚の下処理
魚のウロコ・内臓・血合いをきれいに取り除きます。切り身を使う場合はそのまま使えます。キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取っておきます。
② 塩漬け(ソミュール液または振り塩)
塩漬けには2つの方法があります。
振り塩の場合は魚の表面全体に塩を均一に振り、ラップをして冷蔵庫で半日〜1日置きます。シンプルで手軽な方法です。
ソミュール液を使う場合は水500mlに対して塩50g・砂糖10gを溶かした液を作り、魚を浸けて冷蔵庫で半日〜1日置きます。全体に均一に味が入るので仕上がりが安定します。
③ 塩抜き(必要な場合)
振り塩で塩辛くなりすぎた場合は、水に30分〜1時間浸けて塩抜きをします。ソミュール液の場合は塩抜き不要なことが多いです。
④ 乾燥させる
塩漬けが終わったら魚の表面をしっかり乾燥させます。キッチンペーパーで水分を拭き取った後、風通しのよい場所で1〜3時間乾燥させます。表面が乾いていると燻製の煙が均一に染み込みやすくなります。この乾燥工程を省くと仕上がりが水っぽくなるので必ずやってください。
【燻製の作り方・手順】
① 燻製器を準備する
フライパンや鍋を使う場合はアルミホイルを底に敷き、スモークチップをひとつかみ乗せます。その上に網を渡して魚を乗せます。蓋をしてから中火にかけます。
② 煙が出てきたら弱火にする
しばらくするとスモークチップから煙が出てきます。煙が出始めたら弱火にして燻し始めます。温燻の場合は50〜70℃を目安に1〜3時間燻します。熱燻の場合は80〜120℃で30分〜1時間が目安です。
途中で蓋を開けすぎると煙が逃げてしまうので、なるべく蓋を開けずに加熱してください。
③ 仕上がりを確認する
魚の表面がきれいな茶色になっていれば完成です。中まで火が通っているか確認してから食べてください。熱燻の場合は中心部までしっかり火が通っています。温燻の場合は仕上がりが生に近い場合があるので、しっかり確認してください。
④ 粗熱を取る
燻製が完成したら網の上で粗熱を取ります。粗熱が取れたら完成です。すぐに食べても美味しいですが、一晩置くと煙の香りが全体に馴染んでさらに美味しくなります。
【保存方法と日持ちの目安】
燻製の保存期間は燻製の種類と塩加減によって変わります。
温燻・熱燻の場合は冷蔵庫で3〜5日が目安です。しっかり塩をきかせた場合は1週間程度持つこともあります。冷凍する場合はラップでしっかり包んでから冷凍袋に入れると1ヶ月程度保存できます。
【燻製魚の美味しい食べ方】
そのままおつまみとして食べるのが定番ですが、料理にも幅広く使えます。
サーモンの燻製はクリームチーズと合わせてバゲットに乗せると絶品です。サバの燻製はほぐしてサラダに混ぜると風味豊かな一品になります。どんな燻製魚もパスタに加えると深みのある味に仕上がります。レモンを絞ると燻製の香りがさらに引き立ちます。
【室内での燻製は換気を忘れずに】
室内で燻製を作るときは必ず換気をしてください。煙が大量に出るので換気扇を回しながら窓を開けて作業することをおすすめします。煙が気になる場合はベランダや屋外での作業がおすすめです。
煙が出にくいスモークウッドや燻製用のチューブを使うと室内でも比較的煙を抑えて作れます。
【まとめ】
魚の燻製は下処理と乾燥をしっかりやれば、家庭でも本格的な仕上がりになります。スモークチップの種類を変えることでさまざまな風味が楽しめるので、いろいろ試してみてください。
保存食としても優秀なので、まとめて作っておくと毎日の料理に活用できます。ぜひ一度挑戦してみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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