クエの捌き方

クエは「幻の魚」とも呼ばれる高級魚で、その濃厚な旨味と弾力のある食感は一度食べたら忘れられない美味しさです。大型の魚で捌くのに少し力が必要ですが、基本的な手順はほかの魚と同じです。今回は魚屋目線でクエの捌き方を丁寧に解説します。
【クエってどんな魚?】
クエはハタ科の魚で、成魚になると1メートルを超えるものもいる大型魚です。主に西日本の温かい海に生息しており、長崎や和歌山などが産地として有名です。
脂がのっていながらもくどくなく、上品な旨味が特徴です。刺身・鍋・煮付けなどどんな料理にしても美味しく、特にクエ鍋は冬の高級料理として知られています。
旬は秋から冬にかけてで、寒い時期に脂がのって特に美味しくなります。市場に出回る量が少ないため価格が高く、魚屋でも入荷が楽しみな魚のひとつです。
【用意するもの】
クエ(1尾)
出刃包丁(大きめのもの)
まな板(大きめのもの)
ウロコ取り
キッチンペーパー
ふきん
クエは大型魚なので、できるだけ大きなまな板と出刃包丁を用意してください。小さい道具では捌きにくく、怪我の原因にもなります。
【クエの捌き方・手順】
① ウロコを取る
クエのウロコは非常に硬くて大きいのが特徴です。ウロコ取りを使って尾から頭に向かってしっかり取り除きます。ウロコが飛び散りやすいので、シンクの中で作業するか周りにキッチンペーパーを敷いておくと後片付けが楽です。
ヒレの周りや頭に近い部分にもウロコが残りやすいので、丁寧に取り除いてください。
② 頭を落とす
胸びれと腹びれの後ろに包丁を斜めに入れて頭を落とします。クエは骨が硬いので、出刃包丁をしっかり持って体重をかけながら切り落とします。一度で切れない場合は無理に力を入れず、包丁を前後に動かしながら少しずつ進めてください。
③ 内臓を取る
腹の部分に包丁を入れて腹を開き、内臓を取り出します。内臓を傷つけないように浅く包丁を入れるのがポイントです。内臓を取り出したら腹の中の血合いをしっかり洗い流します。血合いが残っていると臭みの原因になるので丁寧に取り除いてください。
洗い終わったらキッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。
④ 三枚おろしにする
クエは三枚おろしが基本です。まず背側から包丁を入れます。背骨に沿って包丁を滑らせるように進め、尾まで切り込みを入れます。次に腹側からも同様に包丁を入れて、背骨から身を切り離します。
クエは身が厚くて大きいので、一度で切ろうとせず何度かに分けて少しずつ進めると失敗しにくいです。背骨にできるだけ身を残さないように、骨に沿って丁寧に包丁を動かしてください。
反対側も同様に三枚おろしにします。
⑤ 腹骨を取る
三枚おろしにしたら腹骨をすき取ります。包丁を寝かせて腹骨の下に滑り込ませるようにして、身を削がないよう丁寧に取り除きます。
⑥ 皮を引く
刺身や鍋に使う場合は皮を引きます。尾の端から包丁を入れて皮と身の間に刃を滑らせながら引いていきます。クエの皮は厚いのでしっかり引っ張りながら作業してください。
鍋に使う場合は皮付きのまま使うこともあります。皮にも旨味があるので、鍋では皮付きのほうが出汁が美味しくなります。
【クエの各部位の使い方】
クエは捨てるところがほとんどない魚です。各部位の使い方を知っておくと無駄なく活用できます。
頭・アラ
クエの頭やアラは鍋のスープベースや潮汁に使うと絶品の出汁が取れます。霜降りをしっかりやってから使うと臭みのないクリーンな出汁になります。

刺身・鍋・煮付け・塩焼きなど幅広く使えます。厚めに切ると食感が楽しめ、薄く切ると柔らかい口当たりになります。

湯引きにして刺身の添えにしたり、鍋に入れたりすると美味しいです。コラーゲンが豊富なのでプルプルとした食感が楽しめます。
胃袋・肝
新鮮なものは胃袋や肝も食べられます。下処理をしっかりやって調理すると珍味として楽しめます。
【クエ鍋の作り方】
クエ料理の中で最も人気なのがクエ鍋です。シンプルな作り方でクエの旨味が最大限に引き出されます。
昆布を水に浸けて出汁を取り、酒と塩で薄く味付けします。クエのアラから取った出汁を加えるとさらに深みが増します。野菜(白菜・春菊・ネギ・豆腐など)を入れてから、クエの切り身を加えてさっと火を通すだけです。
シンプルな塩味の鍋だからこそ、クエの上品な旨味が際立ちます。締めの雑炊は旨味が溶け出したスープを余すことなく楽しめる絶品の一品です。
【クエを買うときのポイント】
クエは市場に出回る量が少なく、スーパーではなかなか見かけません。魚屋や鮮魚専門店、産地の直売所などで入手できることがあります。
購入するときは目が澄んでいて体にハリがあるものを選びましょう。切り身の場合は身の色が白くツヤがあるものが新鮮です。
養殖クエも流通しており、天然に比べてリーズナブルで安定した品質のものが手に入ります。初めて食べるなら養殖クエから試してみるのもよいでしょう。
【まとめ】
クエは大型魚なので捌くときに力が必要ですが、手順は基本的な魚と変わりません。ウロコが硬いことと骨がしっかりしていることを意識して、大きめの出刃包丁でゆっくり丁寧に作業してください。
幻の魚といわれるクエを自分で捌いて食べる体験はとても贅沢なものです。入手できたときはぜひ挑戦してみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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