タチウオは銀色に輝く美しい見た目と、上品な白身の美味しさで人気の魚です。細長い体で一見捌きにくそうに見えますが、骨の構造がシンプルなので意外と捌きやすい魚のひとつです。今回は魚屋目線でタチウオの捌き方を丁寧に解説します。
【タチウオってどんな魚?】
タチウオは「太刀魚」と書き、その名のとおり太刀(日本刀)のように細長く平たい体が特徴です。体長は1メートルを超えるものもあり、銀色に光る美しい体表が印象的です。
身は白身で脂がのっており、上品な甘みが特徴です。塩焼き・煮付け・刺身・ムニエルなどさまざまな料理に向いています。特に塩焼きは皮がパリッと焼き上がり、タチウオの美味しさを最もシンプルに楽しめる料理です。
旬は夏から秋にかけてで、この時期に脂がのって特に美味しくなります。釣り魚としても人気が高く、夜釣りでよく釣れる魚としても知られています。
【用意するもの】
タチウオ(1尾)
出刃包丁
まな板
ウロコ取りまたは包丁の背
キッチンペーパー
ふきん
タチウオはウロコがなく、代わりに銀色の粉(グアニン)が体表を覆っています。この銀色の粉は食べても問題ありませんが、気になる場合は包丁の背でやさしくこそげ取ります。
【タチウオの捌き方・手順】
① 体表の処理をする
タチウオにはウロコがありませんが、体表を覆う銀色の粉が手や道具につきやすいです。流水で軽く洗ってからキッチンペーパーで拭き取っておくと作業がしやすくなります。気になる場合は包丁の背でやさしくこそげ取ってください。
② 頭を落とす
タチウオをまな板に置き、胸びれの後ろから包丁を斜めに入れて頭を落とします。タチウオは歯が鋭いので頭を持つときは注意してください。頭を落としたら内臓も一緒に引き出します。
③ 内臓を取る
腹の部分に包丁を浅く入れて腹を開き、内臓をきれいに取り出します。腹の中の血合いを流水でしっかり洗い流してから、キッチンペーパーで水分を丁寧に拭き取ります。血合いが残っていると臭みの原因になるので丁寧に取り除いてください。
④ 三枚おろしにする
タチウオは三枚おろしが基本です。体が平たいので三枚おろしがやりやすい魚のひとつです。
まず背側から包丁を入れます。背骨に沿って包丁を滑らせるように進め、尾まで切り込みを入れます。次に腹側からも同様に包丁を入れて背骨から身を切り離します。
タチウオは骨がやわらかめなので、丁寧に包丁を動かせば力をあまり入れなくても綺麗におろせます。
反対側も同様に三枚おろしにします。
⑤ 腹骨を取る
三枚おろしにしたら腹骨をすき取ります。包丁を寝かせて腹骨の下に滑り込ませるようにして丁寧に取り除きます。タチウオの腹骨は柔らかめなので比較的取り除きやすいです。
⑥ 小骨を取る
タチウオには細かい小骨がほとんどなく、三枚おろしにして腹骨を取れば骨の処理はほぼ完了です。これもタチウオが捌きやすい理由のひとつです。骨抜きで確認しながら残った小骨があれば取り除いてください。
⑦ 皮の処理(料理によって)
タチウオの皮は薄くて柔らかいので、塩焼きや煮付けの場合は皮付きのまま使います。皮目をパリッと焼くと香ばしくて絶品です。
刺身にする場合は皮を引きます。尾の端から包丁を入れて皮と身の間に刃を滑らせながら引いていきます。皮が薄いので丁寧に作業してください。
【タチウオの皮目を活かした塩焼きの作り方】
タチウオ料理の中で最も人気なのが塩焼きです。捌いた後の切り身を使って美味しい塩焼きを作りましょう。
三枚おろしにしたタチウオを食べやすい長さに切ります。切り身に塩を振って15分ほど置き、出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取ります。
グリルまたはフライパンで皮目を下にして焼き始めます。皮目からじっくり焼くことで皮がパリッと仕上がります。皮目に焼き色がついたら裏返し、身側もしっかり焼いたら完成です。
大根おろしとレモンを添えて食べると絶品です。
【タチウオの刺身について】
タチウオの刺身は鮮度がよいものでないと美味しくありません。購入したその日か翌日までに食べることをおすすめします。
皮を引いてから薄めのそぎ切りにすると食べやすい刺身になります。身が柔らかいので切るときは包丁を一方向にすっと引くように切ってください。
薬味には生姜・ねぎ・大葉がよく合います。ポン酢で食べると上品な旨味がさらに引き立ちます。
【タチウオのムニエルもおすすめ】
タチウオは洋風料理にも向いています。三枚おろしにした切り身に塩こしょうを振り、薄力粉をはたいてバターで焼くムニエルは、白身の甘みとバターの風味が絶妙にマッチします。
レモンバターソースと合わせると本格的な洋食に仕上がります。おもてなし料理にもぴったりの一品です。
【タチウオを買うときのポイント】
タチウオを購入するときは体表の銀色がきれいに輝いているものを選びましょう。銀色が曇っていたり、体にハリがないものは鮮度が落ちているサインです。
目が澄んでいて透明感があるものが新鮮です。腹を触ってみて張りがあるものを選んでください。
【まとめ】
タチウオは細長い見た目から難しそうに見えますが、ウロコがなく骨もシンプルなので初心者でも比較的捌きやすい魚です。三枚おろしにすれば塩焼き・刺身・ムニエルとさまざまな料理が楽しめます。
旬の夏から秋にかけてぜひ挑戦してみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
タチウオの捌き方
捌き方