【イシガキダイの煮付けはなぜ美味しいのか】
イシガキダイはウニや貝類など旨味の強いエサを食べて育つ磯の魚です。その身には上品でしっかりとした旨味が蓄えられており、煮付けにすることでその旨味が煮汁と合わさって格別の美味しさになります。白身魚の煮付けは淡白になりがちなものも多いですが、イシガキダイは煮ても身から旨味がしっかり出るため、煮汁まで美味しく仕上がるのが大きな特徴です。
また、イシガキダイの身は煮ても崩れにくいのが嬉しいポイントです。白身魚の中には加熱すると身がほろほろと崩れてしまうものもありますが、イシガキダイはしっかりとした繊維質を持っているため、煮付けにしても形を保ちながらふっくらと仕上がります。見た目にも美しく、食卓に出したときに映える一品になります。
【煮付けに使う材料】
イシガキダイの煮付けに必要な材料を紹介します。イシガキダイは切り身または頭を落として二つ割りにしたものを使います。一匹丸ごとの場合は内臓とエラを取り除いてから使いましょう。
煮汁の材料は醤油・みりん・酒・砂糖・水が基本です。分量の目安は醤油大さじ3、みりん大さじ3、酒大さじ3、砂糖大さじ1、水100ミリリットルほどです。この割合を基本にして、甘めが好きな方は砂糖を少し増やし、辛めが好きな方は醤油を増やして調整してください。生姜をひとかけ薄切りにして加えると臭み消しになり、さらに風味よく仕上がります。
【下準備・霜降りの重要性】
煮付けを美味しく仕上げるための重要な下準備が霜降りです。霜降りとは魚に熱湯をかけるか、さっと熱湯にくぐらせてから冷水に取る作業のことです。この工程を行うことで表面のぬめりや臭みの原因となる成分が取り除かれ、煮付けの仕上がりが格段に変わります。
霜降りの手順は、まずボウルに冷水を用意しておきます。次に魚の表面に熱湯をかけるか、熱湯の中に5秒から10秒ほどくぐらせます。表面が白くなったらすぐに冷水に取り、冷えたら残っているうろこや血合い、汚れを丁寧に取り除きます。最後にキッチンペーパーで水分をしっかり拭き取れば下準備の完了です。この一手間を加えるだけで煮汁が澄んで雑味のないクリアな味わいに仕上がります。
【イシガキダイの煮付けの作り方・手順】
まず鍋またはフライパンに煮汁の材料をすべて入れて中火にかけます。煮汁が沸騰したら霜降りを済ませたイシガキダイを皮目を上にして入れます。皮目を上にすることで皮が煮汁に浸かりすぎず、崩れにくくなります。
魚を入れたら落し蓋をして中火から弱火で煮ていきます。落し蓋がない場合はアルミホイルを鍋の大きさに合わせて切り、真ん中に小さな穴を数か所開けたものを代用できます。落し蓋をすることで煮汁が全体に均一に回り、味がムラなく染み込みます。
煮る時間の目安は切り身の場合で10分から15分程度です。途中で煮汁をスプーンですくって魚の上からかけてあげると、皮目にもしっかり味が染み込んで美味しく仕上がります。身に竹串を刺してスッと通れば火が入った合図です。煮すぎると身が硬くなるので注意しましょう。
煮上がったら器に盛り付けて、鍋に残った煮汁を少し煮詰めてからかけると照りが出て見た目も美しく仕上がります。お好みで木の芽や針生姜を添えると彩りが加わります。
【煮付けをさらに美味しくするコツ】
煮付けをさらに美味しく仕上げるためのコツをいくつか紹介します。まず酒は料理酒ではなく清酒を使うと風味が格段に良くなります。清酒のアルコールが魚の臭みを飛ばしてくれる効果もあります。
次に煮汁の量は魚がひたひたになるくらいが理想です。多すぎると味が薄くなり、少なすぎると焦げてしまうので注意しましょう。また、煮汁が沸騰してから魚を入れることも大切です。冷たい煮汁から煮始めると魚の旨味が煮汁に逃げすぎてしまい、身がパサつきやすくなります。
生姜は皮ごと薄切りにして加えると香りが強く出て、臭み消しの効果が高まります。お好みでごぼうや豆腐を一緒に煮ると、イシガキダイの旨味が染み込んだ副食材も楽しめます。
【アラを使った煮付けもおすすめ】
イシガキダイを三枚おろしにしたあとに残るアラも、煮付けにするには非常に適した部位です。アラには身と同様に旨味が凝縮されており、コラーゲンも豊富です。アラ煮は見た目は豪快ですが、ほろほろと崩れる身と旨味たっぷりの煮汁が絶品で、知っている人からは「アラの方が好き」という声も多いほどです。
アラを使う場合も同様に霜降りをしっかり行い、血合いや汚れを丁寧に取り除いてから同じ手順で煮付けにしてください。頭の部分はとくに旨味が強く、頬の部分の身は特に美味しいのでぜひ食べてみてください。
【まとめ】
イシガキダイの煮付けは磯の旨味が煮汁にしっかり溶け出し、白身魚の煮付けの中でも特に深みのある味わいが楽しめる一品です。美味しく仕上げるためには霜降りの下準備を丁寧に行い、煮汁が沸騰してから魚を入れること、落し蓋をして均一に火を通すことが大切なポイントです。清酒と生姜を使うことで臭みのないすっきりとした味わいに仕上がります。切り身はもちろん、アラを使った煮付けも旨味たっぷりで絶品ですので、ぜひ丸ごと一匹手に入ったときはアラも無駄なく使ってみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。ぜひ動画と合わせてご覧ください。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
魚屋が教えるイシガキダイの煮付けの作り方
料理レシピ