【魚屋に調理・加工をお願いしていいの?】
魚屋の店頭で「捌いてもらえますか?」と声をかけることを躊躇っているお客さんは意外と多いです。忙しそうだから申し訳ない、面倒くさがられるんじゃないか、そんなふうに思っている方もいるかもしれません。でも、はっきり言います。魚屋への調理・加工のお願いは、遠慮なくしてください。それが私たちの仕事だからです。
私たち魚屋は毎日何十尾もの魚を捌いています。お客さんが持ってくる1尾や2尾はもちろん、10尾だったとしても全く問題ありません。プロとして毎日繰り返している作業なので、正直に言うとわけないんです。三枚おろし・刺身・切り身・内臓の処理など、何でも気軽に声をかけてください。魚屋をもっと活用してもらえると、私たちも嬉しいです。
【食べたい魚は事前に伝えておくのが賢い使い方】
魚屋をさらに上手に使うコツがもう一つあります。それは「食べたい魚を事前に従業員に伝えておく」ことです。
なかなか店頭に並ばない珍しい魚や、旬の時期にしか出回らない魚でも、事前に話しておくことで市場で見つけたときに仕入れてもらえることがあります。魚屋は毎朝市場に行き、その日入荷している魚を見ながら仕入れを決めています。お客さんから「あの魚が食べたい」と聞いていれば、市場で見かけたときに「あ、あのお客さんが欲しがっていた」と思い出して仕入れることができるんです。
ただし、その日の入荷状況によって値段が高すぎる場合は仕入れないこともあります。それはお客さんの財布のことを考えてのことです。値段が落ち着いたタイミングで仕入れてお知らせする、というのが魚屋としての本音の動き方です。だからこそ、まず話しておくことが重要なんです。
【魚屋の仕入れは市場での交渉から始まっている】
お客さんが手頃な値段で魚を買えるのには、実は魚屋の朝の仕入れでの交渉が深く関わっています。市場では問屋さんが売れ残った商品を買わせようと交渉してきます。こちらも簡単には折れません。「それを買うから、こっちの商品を安くしてくれ」というセット交渉をしながら、欲しい商品をできるだけ安く仕入れる工夫をしています。これが店頭での価格に直結しています。
さらに、長年市場に通いながら問屋さんとの信頼関係を築いていくと、良い魚が入ったときに優先して声をかけてもらえるようになります。高級店だけに回るような質の良い魚が、普通の値段で手に入ることもあります。これは一朝一夕でできることではなく、何年もかけて相手の立場を考えながら付き合い続けた結果です。魚屋がお客さんに良い魚を届けられるのは、こういう積み重ねがあるからです。
【魚屋の1日は朝4時前から始まっている】
魚屋の仕事は朝が早いです。私の場合、毎朝4時前には起きて市場に向かいます。市場ではスーパーの買い物とは違い、交渉をしながら仕入れるので1時間ほどかかります。店に戻ってからは刺身・切り身などに加工して、10時のオープンに備えます。それから閉店の20時まで、加工・品出し・仕込みをしながら接客を続けます。
こうして毎朝新鮮な状態で仕入れた魚を、その日のうちに加工してお客さんに届けているのが魚屋の仕事です。魚屋の鮮度へのこだわりは、この毎朝の動き方そのものに表れています。
【魚屋はもっと気軽に使える存在です】
魚屋はなんとなく敷居が高いと感じている方もいるかもしれません。でも実際はとても気軽に使える存在です。捌き方がわからなければ調理をお願いしてください。食べたい魚があれば話しかけてください。魚のことで困ったことがあれば何でも聞いてください。私たちは毎日魚と向き合っているプロです。お客さんの食卓が少しでも豊かになるように、全力でサポートします。
魚屋をうまく活用することで、今まで以上に魚のある食生活が楽しくなるはずです。ぜひ気軽に声をかけてみてください。
【まとめ】
魚屋への調理・加工のお願いは遠慮する必要が全くありません。プロとして毎日魚を捌いている私たちにとって、1尾でも10尾でも対応することは当たり前の仕事です。また食べたい魚を事前に伝えておくことで、市場で見つけたときに仕入れてもらえる可能性が高まります。値段が高すぎる場合は仕入れないこともありますが、それはお客さんのことを考えてのことです。魚屋の店頭に並ぶ魚の値段の裏には、毎朝市場での交渉と長年かけて築いた信頼関係があります。魚屋はもっと気軽に使える存在です。ぜひ遠慮なく声をかけてみてください。
おととチャンネルでは魚の捌き方を動画で詳しく解説しています。ぜひチャンネル登録してご覧ください。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
魚屋をもっと上手に使う方法を魚屋が教えます
魚の基本知識