魚屋が教える「回遊魚」と「根魚」の違いと特徴

【回遊魚と根魚って何が違うの?】
魚を大きく分類するときに「回遊魚」と「根魚」という言葉がよく使われます。釣り人はもちろん、魚を美味しく食べたい方にとっても知っておくと役立つ知識です。この2つは生態・味・旨味の出方まで大きく異なります。魚屋として長年魚を扱ってきた経験をもとに、わかりやすく解説します。
【回遊魚とは?】
回遊魚とは、えさや水温を求めて広い海域を季節ごとに移動する魚のことです。常に泳ぎ続けることで筋肉が発達し、身が引き締まっているのが特徴です。代表的な回遊魚はこちらです。
アジ
サバ
ブリ
カツオ
マグロ
サワラ
これらの魚は季節によって漁獲される場所が変わります。例えばブリは夏に北の海でえさを食べて育ち、冬に南下してくるときに脂がたっぷりのった「寒ブリ」になります。旬が生まれる理由のひとつがまさにこの回遊にあります。
回遊魚は青魚が多く、DHA・EPAなどの良質な脂をたっぷり含んでいます。身の色が赤みがかっているものが多いのも特徴のひとつです。
【根魚とは?】
根魚とは、岩礁や海底の障害物(根)周辺に生息して、あまり移動せずにその場所に居着く魚のことです。英語では「ロックフィッシュ」とも呼ばれます。代表的な根魚はこちらです。
カサゴ
メバル
アイナメ
キジハタ
クエ
ハタ
根魚は回遊魚のように長距離を泳がないため、筋肉質ではなく身が柔らかく白身のものが多いです。淡白で上品な甘みがあり、刺身・煮付け・鍋など幅広い料理に向いています。
また根魚は同じ場所に居着く習性があるため、釣り人にとっては「ポイントさえ見つければ釣れる」という魚でもあります。そのため根魚釣りは初心者から上級者まで幅広く楽しまれています。
【瀬付きとは何が違うのか?】
「瀬付き(せつき)」という言葉を聞いたことがある方もいると思います。瀬付きとは、本来は回遊する魚が特定の瀬や磁場に居着いてしまった個体のことを指します。根魚とは別の概念です。
代表的なのが「瀬付きのブリ」や「瀬付きのマダイ」です。本来回遊するはずの魚が特定の場所に留まることで、えさを豊富に食べて脂がしっかりのります。そのため瀬付きの魚は回遊魚より美味しいと言われることが多く、市場でも高値がつくことがあります。
整理するとこうなります。
回遊魚:季節ごとに広い海域を移動する魚
根魚:岩礁や障害物周辺に居着く魚
瀬付き:本来回遊する魚が特定の場所に居着いた個体
瀬付きは根魚ではなく、あくまでも回遊魚が居着いた状態を指す言葉です。魚屋でも「瀬付きのブリ」として別格扱いで販売されることがあるほど、味の違いが認められています。
【回遊魚と根魚の味の違い】
回遊魚と根魚では味わいが大きく異なります。
回遊魚の味の特徴
常に泳ぎ続けることで脂がしっかりのり、旨味が強いのが特徴です。特に旬の時期は脂のりが最高潮になります。青魚特有の風味があり、好き嫌いが分かれることもありますが、その濃厚な旨味はファンも多いです。
根魚の味の特徴
白身で淡白、上品な甘みがあるのが根魚の魅力です。癖が少ないので魚が苦手な方にも食べやすく、料理の幅も広いです。特に高級根魚のクエやキジハタは、鍋にすると絶品の出汁が出ることで有名です。
【魚屋から見た回遊魚と根魚の仕入れの違い】
魚屋として仕入れる立場から見ると、回遊魚と根魚では仕入れ方も大きく違います。
回遊魚は季節によって水揚げ量が大きく変わります。旬の時期は大量に入荷して価格が下がり、旬を外れると入荷が減って価格が上がります。鮮度の落ちも早いため、早めに売り切ることが大切です。
一方の根魚は比較的年間を通じて仕入れられますが、漁獲量が少ないものが多く高値になりやすいです。特にクエやキジハタなどの高級根魚は、入荷すること自体が少なくお客さんに喜ばれる食材です。
【まとめ】
回遊魚と根魚の違いをまとめます。回遊魚はえさや水温を求めて広い海域を移動する魚で、身が引き締まって脂がのりやすく旨味が強いのが特徴です。根魚は岩礁や障害物周辺に居着く魚で、白身で淡白、上品な甘みがあります。また瀬付きとは本来回遊する魚が特定の場所に居着いた個体のことで、根魚とは異なる概念です。この違いを知っておくと魚選びや料理の幅がぐっと広がります。ぜひ次に魚を選ぶときの参考にしてみてください!
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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