【白子と真子って何?】
魚を捌いていると、お腹の中から白っぽいものやオレンジ色のものが出てくることがあります。それが「白子」と「真子」です。魚屋として長年働いていると、この二つについてお客さんからよく質問を受けます。「これって食べられるの?」「どうやって食べるの?」と聞かれることがとても多いんです。
白子と真子は、どちらも魚の生殖器官です。聞くと少し驚くかもしれませんが、実はどちらも非常に美味しく、古くから日本の食文化に根づいた食材です。旬の時期には魚屋の店頭にも並ぶ、れっきとした高級食材でもあります。今回は白子と真子について、魚屋目線でわかりやすく解説していきます。
【白子とは何か】
白子(しらこ)とは、魚のオスの精巣のことです。見た目は白くてふっくらとしており、表面はつるっとしています。触ると柔らかく、加熱するとクリーミーでとろっとした食感になります。
白子として特に有名なのはタラの白子です。冬になると鮮魚店やスーパーの魚売り場に登場し、「タチ」という名前で売られていることもあります。北海道や東北ではポピュラーな食材で、鍋料理や天ぷら、ポン酢和えなどで食べられています。
タラ以外にも、フグ・サーモン・サバ・アンコウなどにも白子があります。フグの白子は特に高級とされており、料亭でも使われる食材です。
栄養面では、白子にはDHA・EPA・亜鉛・ビタミンB12などが含まれています。プリン体が多めなので、痛風が気になる方は食べすぎに注意が必要ですが、適量であれば非常に栄養価の高い食材です。
【真子とは何か】
真子(まこ)とは、魚のメスの卵巣のことです。卵が詰まっているため、白子に比べてずっしりと重く、オレンジ色や黄色をしていることが多いです。
真子といえば真鯛の真子が代表的です。春の産卵期前に脂がのった真子は、煮付けにするととても美味しく、魚屋でも人気の商品のひとつです。また、スケトウダラの真子は「たらこ」として広く知られており、日本人にとって非常に身近な食材です。辛子明太子もスケトウダラの真子を使って作られています。
他にも、サバの真子・ボラの真子(からすみの原料)・ニシンの真子(数の子)なども有名です。からすみや数の子はどちらも高級食材として知られており、真子がいかに価値ある食材かがわかります。
栄養面では、真子にはビタミンD・ビタミンE・鉄分・タンパク質などが豊富に含まれています。
【白子と真子の見分け方】
魚を捌いたときに白子か真子かを見分けるのは、見た目でほぼわかります。
白子は白くてやわらかく、ぷるっとした形をしています。一方の真子はオレンジ・黄色・赤系の色をしており、粒々した卵が詰まっているため少し硬めでずっしりしています。
ただし、産卵前の未成熟な真子はまだ色が薄くて小さいこともあるので、慣れるまでは少し難しいかもしれません。魚屋に持ち込んで聞いてみるのもいいですよ😊
【白子の美味しい食べ方】
白子はデリケートな食材なので、新鮮なうちに食べることが大切です。購入したらその日のうちに使うのが理想的です。
ポン酢和え
最もシンプルで白子の旨味を一番感じられる食べ方です。白子をさっと湯通ししてから冷水で締め、ポン酢をかけてもみじおろしと小ねぎを添えるだけ。白子本来のクリーミーさとポン酢の酸味がよく合います。
天ぷら
白子に薄く衣をつけて揚げると、外はカリッと中はとろっとした食感になります。塩で食べるのがおすすめです。
鍋料理
タラ鍋や寄せ鍋に白子を加えると、スープにコクが出てとても美味しくなります。火を通しすぎると崩れてしまうので、最後に入れてさっと火を通す程度にするのがポイントです。
焼き白子
グリルやフライパンでじっくり焼くと、表面がこんがりして香ばしい風味が加わります。レモンを絞るとさっぱりと食べられます。
【真子の美味しい食べ方】
真子は白子に比べて火が通りにくいので、しっかり加熱することが大切です。生食できる種類もありますが、基本的には加熱調理が安心です。
煮付け
真鯛やカレイの真子の煮付けは定番中の定番です。醤油・みりん・砂糖・酒で甘辛く煮るだけで、ご飯が何杯でも食べられる一品になります。真子は崩れやすいので、煮汁が沸いてから静かに入れ、あまりかき混ぜないのがコツです。
炒め煮
サバやイワシの真子はごま油で炒めてから醤油と砂糖で味をつける炒め煮がよく合います。ピリ辛にしても美味しいです。
たらこ・明太子として
スケトウダラの真子は塩漬けにすることでたらこになります。自家製たらこを作る魚屋さんもいますが、手間がかかるので市販品を上手に活用するのもいいでしょう。
【魚屋から一言】
白子も真子も、捨ててしまう方が非常に多いのですが、実はどちらも魚の中でも特に旨味が凝縮された部位です。魚を丸ごと一匹買って自分で捌いたときは、ぜひ取り出して食べてみてください。
「なんだかちょっと苦手かも…」と思っている方も、ポン酢和えや煮付けから試してみると食べやすいと思います。旬の時期に出会ったら、ぜひ一度チャレンジしてみてください!
魚は捨てるところがほとんどありません。アラは出汁になり、内臓も種類によっては食べられる。まるごと使い切る楽しさも、魚食の醍醐味のひとつです。
捌き方の基本はおととチャンネルで解説しています。ぜひチャンネルも覗いてみてください!
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
魚屋が教える「白子」と「真子」の違いと食べ方
魚の基本知識