マゴチの捌き方

【マゴチってどんな魚?】
マゴチは砂地の海底に潜むように生活する平たい体が特徴的な魚です。先ほど紹介したコチと同じ仲間で、正式にはコチ科に属しています。コチの中でも最も一般的な種類がこのマゴチで、単に「コチ」と呼ばれることも多いです。釣り人の間では夏の人気ターゲットとして知られており、「夏のコチ」として旬の時期に重宝される魚です。
見た目はかなりワイルドで、大きな頭と扁平な体が特徴的です。初めて見ると少し怖い印象を受けるかもしれませんが、身は透明感のある上品な白身で、淡白ながらしっかりとした旨味があります。特に夏場に旬を迎えるマゴチは身が引き締まっていて絶品です。薄造りにするとコリコリとした独特の食感が楽しめます。
高級料亭でも使われる魚で、知る人ぞ知る美味しさを持っています。鮮魚店や魚市場では夏になると見かけることがありますので、見かけたらぜひ挑戦してみてください。今回はマゴチの捌き方を丁寧に解説します。
【コチとマゴチの違い】
先ほどコチの捌き方を紹介しましたが、マゴチとコチは基本的に同じ捌き方です。マゴチはコチの中でも最も標準的な種類で、市場に流通しているコチのほとんどがマゴチです。体の大きさはマゴチの方がやや大きくなる傾向があり、40〜50cm程度のものが多く流通しています。
捌き方の手順はコチと全く同じですが、マゴチはサイズが大きい分だけ作業しやすいという特徴があります。また身の量も多いので料理のボリュームも出やすく、家庭での食卓にも向いています。
【捌く前の準備】
マゴチを捌く前に道具を揃えておきましょう。出刃包丁・刺身包丁(または三徳包丁)・まな板・うろこ取り・キッチンバサミを用意してください。
マゴチには非常に鋭いトゲがあります。頭部の両側と背びれに特に鋭いトゲがあり、刺さると非常に痛いので必ず最初にキッチンバサミでトゲを切り落としてから作業を始めてください。これを省くとケガをする危険があるので絶対に忘れないようにしましょう。
また、マゴチの口は大きく開いて歯が鋭いので、口の中に手を入れないように注意してください。
【うろこを取る】
マゴチのうろこは細かくてびっしりついています。うろこ取りを使って尾から頭に向かってしっかりこすります。特にお腹の周りや頭の近く、ひれの付け根などうろこが残りやすい場所は丁寧に処理してください。
うろこが飛び散りやすいので、シンクの中で作業するかビニール袋の中に入れてこすると後片付けが楽になります。うろこを取り終わったら流水でよく洗い流しておきましょう。
【頭を落とす】
うろこを取り終わったら頭を落とします。マゴチは頭が非常に大きくて硬いのが特徴です。胸びれの付け根に沿って包丁を入れますが、骨が太くて硬いので出刃包丁を使ってしっかり力を入れて切り落とします。
一度で切り落とせない場合は無理に力を入れず、包丁を前後に動かしながら少しずつ切り進めてください。骨が太い部分では包丁の背をトントンと叩いて力を加えると切りやすくなります。
落とした頭はアラとして出汁や味噌汁に使えます。マゴチの頭は旨味が強いのでぜひ捨てずに活用してください。
【内臓を取り除く】
頭を落とした断面からお腹に向けて包丁を入れてお腹を開きます。内臓を取り出したら背骨の近くにある血合いを歯ブラシや指でしっかりこすり取ってください。マゴチの血合いは量が多めなので丁寧に処理します。血合いが残ると臭みの原因になるので手を抜かずに作業しましょう。
内臓を取り除いたら流水でよく洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。この段階でしっかり水気を取っておくと、この後の三枚おろしの作業がしやすくなります。
【三枚おろしにする】
マゴチの三枚おろしはコチと同様に体が平たいため、背側と腹側の両方から包丁を入れる方法で行います。
①背側から包丁を入れる
マゴチをまな板に置き、背びれに沿って包丁を入れます。背骨に当たる感触を確認しながら、包丁を中骨に沿わせるように頭側から尾側に向けてゆっくり切り進めます。マゴチは体が大きいので、包丁を一気に走らせずに少しずつ確実に進めていくのがコツです。
②腹側からも包丁を入れる
次に腹側からも同じように包丁を入れます。マゴチは体が平たいので背側と腹側の両方から包丁を入れることで身が外れやすくなります。腹骨の形を確認しながら丁寧に包丁を走らせてください。
③身を外す
背側と腹側から包丁を入れたら中骨から身を外します。マゴチの中骨はしっかりしているので骨に沿って丁寧に包丁を走らせることが大切です。焦らずゆっくり作業することで身が骨に残らずきれいに外せます。
④反対側も同様に
裏返して同じ手順で反対側の身も外せば三枚おろしの完成です。
【腹骨と小骨を取る】
三枚おろしにした身には腹骨が残っているので包丁でそぎ取ります。腹骨は薄く削ぐように取るのがコツです。深く切り込みすぎると身が無駄になるので注意してください。
小骨は骨抜きで一本ずつ丁寧に取り除きます。身に指を当てて骨の位置を確認しながら作業すると効率よく取れます。マゴチの小骨は比較的少なめなので骨抜きの作業はそれほど大変ではありません。
【皮を引く】
刺身にする場合は皮を引きます。尾側から包丁を皮と身の間に入れ、皮を左手でつまんで引っ張りながら包丁を頭側に向けてスライドさせます。マゴチの皮はしっかりしているので比較的引きやすいです。皮を引いたら刺身用のサクの完成です。
薄造りにする場合は刺身包丁を使って斜めに薄く切ります。マゴチの刺身はコリコリとした食感が命なのでできるだけ薄く均一に切ることを意識しましょう。
【マゴチの美味しい食べ方】
薄造り刺身
マゴチといえば薄造りが最高の食べ方です。透明感のある白身を薄く切るとコリコリとした食感と上品な旨味が際立ちます。ポン酢ともみじおろしで食べるのが定番で、夏の暑い時期にさっぱりと食べられる最高の一皿です。
から揚げ
三枚おろしにした身を一口大に切って唐揚げにするとサクサクした食感で絶品です。骨を気にせず食べられるので家庭でも食べやすい料理です。
鍋料理
マゴチのアラや身を鍋に入れると上品な出汁が出てとても美味しい鍋になります。昆布出汁と合わせると風味がさらに引き立ちます。夏の鍋としても楽しめます。
塩焼き
シンプルに塩を振って魚焼きグリルで焼くだけでもマゴチの旨味がしっかり感じられます。皮目をパリッと焼き上げるのがポイントです。
アラ汁
頭や中骨からとった出汁でアラ汁を作ると絶品です。マゴチの頭は旨味が強いので味噌汁に入れるだけで格段においしくなります。捌いたあとのアラを無駄なく活用してください。
【魚屋から一言】
マゴチは見た目のインパクトから手を出しにくいと感じる方が多い魚ですが、捌いてしまえばとても扱いやすく料理の幅も広い優秀な魚です。夏の旬の時期に食べる薄造りは格別で、一度食べるとその美味しさにはまってしまう方が多いです。
コチの捌き方をすでに覚えている方はマゴチも全く同じ手順で捌けます。サイズが大きい分だけ作業がしやすいので、ぜひ積極的に挑戦してみてください。鮮魚店で見かけたときは迷わず手に取ってほしい一押しの魚です。
捌き方の詳しい手順はおととチャンネルで解説しています。ぜひチャンネルも覗いてみてください!
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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