魚屋が教える魚の値段の裏側|なぜ毎日値段が変わるのか

【魚の値段はなぜ毎日変わるのか】
魚屋の店頭を見ていると、同じ魚でも日によって値段が違うことに気づいたことはありませんか。昨日は安かったのに今日は高い、先週より値段が上がっている、そういった経験をしたことがある方も多いと思います。野菜や肉と比べても、魚の値段は特に変動が大きいと感じている方もいるかもしれません。
魚の値段が毎日変わるのには理由があります。その日の海の状況、漁獲量、季節、そして市場での需要と供給のバランスが複雑に絡み合って値段が決まっているからです。魚屋として毎朝市場に通っている立場から、魚の値段の裏側をお伝えします。
【市場での値段は毎朝決まる】
魚の値段は毎朝市場でのやりとりの中で決まります。その日の入荷量が多ければ値段は下がり、少なければ値段は上がります。天候や海の状況によって漁獲量が大きく変わるため、前日と全く違う値段になることも珍しくありません。
台風や荒天が続いた後は漁に出られないため、魚の入荷量が極端に減って値段が跳ね上がることがあります。逆に大漁が続いたときは市場に魚があふれて値段が下がります。こうした自然の影響を直接受けるのが魚の値段の特徴です。
【需要と供給が値段を左右する】
値段を左右するのは漁獲量だけではありません。需要と供給のバランスも大きく影響します。お盆や年末年始など、魚の需要が高まる時期は値段が上がります。贈り物やお祝いの席で使われる高級魚は特にこの傾向が強く、旬の時期と需要の高まりが重なると値段が大きく跳ね上がることがあります。
逆に需要が少ない魚は値段が下がります。馴染みのない魚や調理が難しいとされている魚は市場でも売れ残りやすく、値段が下がった状態で出回ることがあります。魚屋としてはそういった魚をうまく仕入れてお客さんに提供することで、お客さんにお得に美味しい魚を食べてもらえる機会を作ることができます。
【魚屋の仕入れ交渉が店頭価格を決める】
市場での値段がそのまま店頭価格になるわけではありません。魚屋は市場での交渉によって仕入れ値を下げる努力をしています。問屋さんが売れ残った商品を買わせようと交渉してきたとき、こちらは「それを買うからこっちの商品を安くしてくれ」というセット交渉をしながら、欲しい商品をできるだけ安く仕入れます。
この交渉がうまくいくかどうかが、店頭でお客さんに提供できる値段に直結します。同じ市場で仕入れていても、交渉力や問屋さんとの信頼関係によって仕入れ値が変わってくることがあります。魚屋が毎朝市場で真剣に交渉しているのは、少しでもお客さんに安く良い魚を届けたいからです。
【高すぎるときは仕入れない判断も大切】
市場で欲しい魚を見つけても、値段が高すぎるときは仕入れない判断をすることがあります。お客さんから「あの魚が食べたい」と事前に聞いていても、その日の値段がお客さんに提供できる範囲を超えていれば無理に仕入れません。
これはお客さんのことを考えてのことです。値段が落ち着いたタイミングで仕入れてお知らせする方が、お客さんにとって喜ばれることが多いからです。魚屋として利益を出すことも大切ですが、お客さんに無理な値段で買わせることは長い目で見て信頼を損なうことになります。
【旬の魚が安い理由】
旬の魚が美味しくて安いのには理由があります。旬の時期は漁獲量が増えるため市場への入荷量が多くなり、値段が下がります。同時に魚自体が脂を蓄えて栄養価が高く、味も一年で一番美味しい状態になっています。美味しくて安い、それが旬の魚の最大の魅力です。
魚屋として旬の魚を積極的にすすめるのは、単に売れ残りを売りたいからではありません。その時期に一番美味しい魚をお客さんに食べてもらいたいという思いからです。旬の魚を選ぶことはお客さんにとって最もお得で美味しい選択です。
【魚の値段を賢く見るコツ】
魚の値段を賢く見るためのコツをお伝えします。まず旬の魚を選ぶことが基本です。旬の魚は入荷量が多く値段が下がりやすいうえに、味も一番良い状態です。次に馴染みのない魚にも目を向けてみてください。知名度が低いために値段が安くなっている魚でも、実は非常に美味しいものがたくさんあります。魚屋に「今日お買い得な魚はどれですか?」と聞いてみるのも一つの方法です。その日一番状態の良いものをすすめてもらえます。
【まとめ】
魚の値段が毎日変わるのは、その日の漁獲量・天候・需要と供給のバランスが複雑に絡み合っているからです。市場では毎朝値段が決まり、魚屋はそこで交渉しながら少しでも安く仕入れる努力をしています。値段が高すぎるときは仕入れない判断をすることもありますが、それはお客さんのことを考えてのことです。旬の魚は漁獲量が増えて値段が下がりやすく、味も一番良い状態なので積極的に選ぶことをおすすめします。魚屋に気軽に声をかけて、その日一番お買い得な魚を聞いてみてください。
おととチャンネルでは魚の捌き方を動画で詳しく解説しています。ぜひチャンネル登録してご覧ください。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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