カジカの基礎知識|旬・産地・選び方を魚屋が解説

【カジカとはどんな魚か】
カジカはカジカ科に属する魚で、日本では北海道から本州北部にかけての沿岸や河川に生息しています。英語ではスカルピン(Sculpin)と呼ばれ、世界各地の冷たい海や川に広く分布している魚です。日本では特に北海道での漁獲量が多く、道民にとっては身近な食材として昔から親しまれてきました。
見た目は大きな頭と幅広い口、ゴツゴツとした体が特徴的で、お世辞にも愛らしいとは言えないワイルドな風貌をしています。しかしその見た目に反して、身は白くてきめ細かく、淡白でありながら旨味が豊富です。北海道では「鍋壊し」という別名で知られており、一度食べたら鍋を壊してでももっと食べたくなるほど美味しいという意味が込められています。それだけ地元の人々に愛されてきた魚だということがよくわかります。
カジカには大きく分けて海に生息する海カジカと、川に生息する川カジカがあります。食用として市場に流通しているのは主に海カジカで、川カジカは小型で漁獲量も少ないため、食用としてはあまり流通しません。本記事で紹介するカジカは、海カジカを指しています。
【カジカの旬はいつか】
カジカの旬は秋から冬にかけて、具体的には10月から2月頃です。この時期は脂がのって身が引き締まり、旨味が最も強くなります。特に冬場は鍋料理の季節とも重なるため、カジカ鍋を楽しむには最高のタイミングです。
産卵期は冬から春にかけてで、産卵前の秋が最も栄養を蓄えている時期にあたります。産卵後は身が痩せて味が落ちるため、旬の時期に食べるのが美味しさを最大限に楽しむコツです。北海道では秋になるとスーパーや鮮魚店にカジカが並び始め、地元の人々が鍋の季節の到来を感じる魚として親しまれています。
旬の時期を外れた春や夏は流通量が減り、価格も上がる傾向があります。旬の秋冬に手に入れて、旬の美味しさを堪能してください。
【カジカの主な産地】
カジカの主な産地は北海道です。北海道全域の沿岸で漁獲されており、特に日本海側や噴火湾周辺での漁獲量が多いとされています。東北地方でも一部漁獲されますが、流通量の大部分は北海道産です。
北海道以外ではあまり馴染みのない魚ですが、近年は産直通販サービスの普及により、全国どこからでも北海道産のカジカを取り寄せることができるようになりました。鮮魚として手に入れるのが難しい地域では、産直サイトを活用するのがおすすめです。
漁法は主に底引き網や刺し網が使われています。カジカは海底付近に生息しているため、底引き網での漁獲が効率的です。漁獲後は鮮度が落ちやすいため、産地から素早く流通させることが美味しさを保つために重要です。
【スーパーや鮮魚店でのカジカの選び方】
新鮮なカジカを選ぶポイントをいくつか紹介します。まず目を確認しましょう。新鮮なカジカは目が澄んでいて黒々としています。目が濁っていたり、白くなっていたりするものは鮮度が落ちているサインです。
次にエラの色を確認します。エラが鮮やかな赤色をしているものが新鮮です。茶色や灰色に変色しているものは避けてください。また、魚体全体にハリがあり、触ったときにしっかりとした弾力があるものを選ぶとよいです。身が柔らかくなっているものは鮮度が低下しています。
においも重要なチェックポイントです。新鮮なカジカは磯の香りがする程度で、強い生臭さはありません。強い臭みを感じるものは鮮度が落ちているため、選ばないようにしましょう。
丸のまま販売されている場合は、腹がパンと張っていて内臓がしっかりしているものを選びます。腹がへこんでいたり、腹を押したときに柔らかすぎるものは内臓の劣化が進んでいる可能性があります。
【カジカの栄養と健康効果】
カジカは高タンパク低カロリーの食材で、健康的な食生活に向いている魚です。良質なタンパク質を豊富に含んでおり、筋肉の維持や免疫機能のサポートに役立ちます。
また、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸も含まれています。DHAは脳の働きをサポートし、EPAは血液をサラサラにする効果が期待できます。旬の時期は特に脂がのっており、これらの成分も豊富になります。
ビタミンB群も豊富で、特にビタミンB12は神経機能の維持に重要な栄養素です。カルシウムやリンなどのミネラルも含まれており、骨や歯の健康維持にも貢献します。鍋料理にすることでコラーゲンも摂取できるため、美容や関節の健康を気にする方にもおすすめの食材です。
【カジカの美味しい食べ方】
カジカの最もポピュラーな食べ方は鍋料理です。ぶつ切りにして頭やアラと一緒に煮込むことで、骨から旨味が溶け出した濃厚なスープが楽しめます。味噌仕立て・醤油仕立て・塩仕立てと、どの味付けでも美味しく仕上がります。
三枚おろしにした身は、唐揚げやムニエル・天ぷらにしても絶品です。淡白な白身は揚げ物との相性が良く、外はカリッと中はふっくらとした仕上がりになります。煮付けにしても身が崩れにくく、しっかりとした食べ応えがあります。
肝は濃厚な旨味があり、鍋に入れると全体のコクがアップします。内臓の中でも肝だけは捨てずに使うのが、魚屋として強くおすすめするポイントです。
【まとめ】
カジカは見た目こそワイルドですが、旨味たっぷりの白身と濃厚なだしが魅力の実力派の魚です。旬は秋から冬にかけてで、この時期に食べるカジカは脂がのって格別の美味しさがあります。産地は主に北海道で、旬の時期には鮮魚店や産直通販で手に入れることができます。選ぶ際は目の澄み具合・エラの色・身のハリを確認することで、新鮮なものを見極めることができます。北海道で「鍋壊し」と称されるほどの美味しさを持つカジカを、ぜひ旬の時期に味わってみてください。
おととチャンネルでは捌き方を動画で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

タイトルとURLをコピーしました