回転寿司やスーパーの刺身コーナーでよく見かけるマグロの中に、キハダマグロという名前があります。クロマグロやメバチマグロと並んでよく流通しているマグロですが、その生態や特徴について詳しく知っている方は意外と少ないものです。今回は魚屋の現場での経験をもとに、キハダマグロの生態・旬・美味しさの秘密をご紹介します。
キハダマグロの捌き方をYouTubeでも動画で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
【キハダマグロという名前の由来】
キハダマグロという名前は、ヒレや体の一部が黄色みを帯びていることに由来しています。スズキ目サバ科に属するマグロの一種で、体の側面には黄色い縦線が入っていることもあり、他のマグロと見分けるポイントになります。世界中の熱帯から温帯の海域に広く分布しており、マグロの中でも特に成長が早い種類として知られています。個体差が大きく、小ぶりなものから40キロを超える大物まで幅広いサイズが漁獲されます。
【キハダマグロの生態と分布】
キハダマグロは太平洋・大西洋・インド洋の熱帯から温帯の海域に広く分布しており、表層付近を群れで回遊する習性があります。比較的浅い水深を好み、活発に泳ぎ回って小魚やイカなどを捕食します。成長が早く、1年で10キロ近くまで成長することもあり、資源量も豊富なマグロのひとつです。日本へは主に遠洋漁業の延縄漁や巻き網漁によって運ばれてきます。回遊範囲が広く漁獲量も安定しているため、年間を通して比較的安定して流通しています。
【キハダマグロの旬の時期】
キハダマグロは一年を通して流通していますが、漁獲される海域や時期によって脂の乗りに違いがあります。一般的には初夏から夏にかけて獲れるものが脂の乗りが良いとされ、特に5月から8月頃に水揚げされるキハダマグロは身が締まり旨みも増します。冬場に獲れるものは脂が少なくさっぱりとした味わいになる傾向があります。年間を通して味わいの変化を楽しめるのも、キハダマグロの魅力のひとつです。
【他のマグロとの違い】
キハダマグロはメバチマグロやクロマグロと比べて脂が少なく、すっきりとした赤身の味わいが特徴です。クロマグロのようなトロの濃厚さはありませんが、その分さっぱりとした上品な旨みがあり、和食だけでなく洋風の料理にも合わせやすい特性があります。価格もメバチマグロと同程度かやや手頃で、家庭でも扱いやすいマグロとして親しまれています。うちの魚屋でもキハダマグロは年間を通して安定した需要があり、お客さんからは「あっさりしていて食べやすい」という声をよくいただきます。
【大型個体の魅力】
キハダマグロは個体によって大きさの差が非常に大きいのが特徴で、店には時に40キロを超える大物が入荷することもあります。大型の個体になるほど身の締まりも良く、捌きごたえのある魚体になります。大きなキハダマグロを捌く機会は決して多くはありませんが、その分一本の魚から多くの柵が取れるため、さまざまな料理に展開しやすいというメリットもあります。
【栄養価の高さ】
キハダマグロは脂質が少なく高たんぱくな食材で、ダイエット中の方やヘルシーな食事を心がけている方にもおすすめできる魚です。DHAやEPAといった不飽和脂肪酸も含まれており、健康維持に役立つ栄養素として知られています。鉄分も豊富に含まれているため、貧血予防にも効果が期待できます。脂が少なくカロリーも控えめなので、量を気にせず楽しめるのもキハダマグロの魅力です。
【まとめ】
キハダマグロはヒレの黄色みが特徴的なマグロで、世界中の熱帯から温帯の海域に広く分布する身近な存在です。脂が少なくすっきりとした味わいで、和食洋食どちらにも合わせやすいのが魅力です。個体差が大きく、時には大型のものも入荷するため、捌きごたえのある魚としても楽しめます。栄養価も高くヘルシーなので、ぜひ積極的に食卓に取り入れてみてください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
