ハモといえば京料理や夏の食材として有名ですが、小骨が多くて捌くのが難しいというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。確かにハモの骨切りは職人技のひとつですが、捌き方の基本を知っておくだけでぐっと取り組みやすくなります。今回は魚屋目線でハモの捌き方を丁寧に解説します。
【ハモってどんな魚?】
ハモはウナギに似た細長い体を持つ魚で、体長は1メートルを超えるものもいます。主に西日本で食べられることが多く、京都や大阪では夏の風物詩として親しまれています。
ハモの最大の特徴は、身の中に無数の小骨があることです。この小骨は取り除くことができないため、「骨切り」という技術で細かく断ち切って食べやすくします。骨切りはハモ料理の最大のポイントです。
旬は初夏から夏にかけてで、梅雨の時期に脂がのって特に美味しくなります。湯引き・天ぷら・鍋など幅広い料理に使える魚です。
【用意するもの】
ハモ(1本)
出刃包丁
骨切り包丁(なければ薄刃包丁や普通の包丁でも可)
まな板
キッチンペーパー
ふきん
ハモの骨切りには専用の骨切り包丁が理想的ですが、家庭では薄刃包丁や普通の包丁でも代用できます。刃が薄くてよく切れる包丁を使うと骨切りがしやすくなります。
【ハモの捌き方・手順】
① ぬめりを取る
ハモは表面にぬめりがあります。まず塩を全体にすり込んでから水で洗い流すか、熱湯をさっとかけてぬめりを取ります。ぬめりが残っていると滑って危ないので、最初にしっかり取り除いておきましょう。
② 頭を落とす
ハモをまな板に置き、胸びれの後ろから包丁を入れて頭を落とします。ハモは歯が鋭いので、頭を持つときは注意してください。頭を落としたら内臓も取り除きます。
③ 内臓を取る
腹の部分に包丁を入れて腹を開き、内臓をきれいに取り出します。血合いや内臓の残りをしっかり洗い流し、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。
④ 背開きにする
ハモは背開きで捌くのが基本です。腹を下にしてまな板に置き、背骨に沿って包丁を入れながら開いていきます。背骨は最後に取り除きます。
背骨に沿って包丁を滑らせるようにして進めると、身が無駄なくきれいに取れます。力を入れすぎず、包丁の重みを使いながら丁寧に進めましょう。
⑤ 腹骨を取る
背開きにしたら腹骨をすき取ります。包丁を寝かせて腹骨の下に滑り込ませるようにしてすき取ってください。ここを丁寧にやっておくと食べやすさが格段に上がります。
⑥ 皮を引く(料理によって)
湯引きにする場合は皮付きのまま使います。天ぷらや焼き物にする場合も皮付きのまま使うことが多いです。皮を引く場合は尾の部分から包丁を入れて皮と身の間に滑らせるようにして引きます。
【骨切りのやり方】
ハモ料理の最大のポイントが骨切りです。ハモには約3cmおきに小骨があり、この小骨を皮一枚を残して細かく断ち切るのが骨切りです。
骨切りの手順
皮を下にしてまな板に置きます。包丁を立てて、皮を切らないように気をつけながら2〜3mm間隔で細かく切り込みを入れていきます。切り込みの深さは皮一枚を残す感覚で、身をほぼ切り通すイメージです。
「皮一枚残す」という感覚がつかみにくい場合は、まな板の上にふきんを敷いてその上にハモを置くと、包丁がまな板に当たる感触でどこまで切れているかわかりやすくなります。
骨切りの間隔は細かければ細かいほど食べやすくなります。プロは1cmあたり10回以上切り込みを入れることもありますが、家庭では2〜3mm間隔を目安にしてください。
【骨切りが難しいと感じたら】
骨切りは慣れるまで難しく感じる作業です。最初はうまくいかなくても焦る必要はありません。
包丁の切れ味が悪いと骨が切れずに引っかかるので、骨切りをする前に包丁を砥石やシャープナーでしっかり研いでおくことが大切です。よく切れる包丁を使うだけで骨切りのしやすさが大きく変わります。
また、最初は厚めのハモで練習するとやりやすいです。薄いと皮まで切ってしまいやすいので、慣れてきたら少しずつ間隔を細かくしていきましょう。
【骨切り後の調理方法】
骨切りをしたハモはさまざまな料理に使えます。
湯引き
骨切りしたハモを沸騰したお湯にさっとくぐらせると、身が花のように開きます。これが「ハモの湯引き」です。梅肉やポン酢と合わせて食べるのが定番で、夏の京料理として有名です。
天ぷら
骨切りしたハモに衣をつけて揚げる天ぷらも絶品です。サクサクの衣とふわふわの身の組み合わせが最高です。
鍋
秋から冬にかけてはハモ鍋もおすすめです。出汁との相性が抜群で、体が温まる一品になります。
焼き物
塩焼きや照り焼きにしても美味しいです。骨切りをしっかりやっておけば小骨を気にせず食べられます。
【ハモを買うときのポイント】
ハモを購入するときは、目が澄んでいて体にハリがあるものを選びましょう。切り身で購入する場合は、身の色が白くてツヤがあるものが新鮮です。
すでに骨切りされた状態で販売されているものもあります。初めてハモ料理に挑戦するなら、骨切り済みのものを購入してまず料理に慣れるのもひとつの方法です。
【まとめ】
ハモの捌き方で最大のポイントは骨切りです。最初は難しく感じますが、よく切れる包丁を使って丁寧に練習すれば必ずできるようになります。骨切りさえマスターすれば、湯引き・天ぷら・鍋とさまざまな料理が楽しめます。
夏の食材の王様ともいえるハモをぜひ自宅でも楽しんでみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
ハモの捌き方
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