マダラの基礎知識|タラの種類・旬・産地・栄養・白子まで魚屋が解説

魚屋をやっていると、冬場になるとマダラに関する質問が一気に増えます。「タラとマダラって同じ?」「スケトウダラとどう違うの?」「白子って何?」と、お客さんからさまざまな疑問をぶつけられます。タラという名前は広く知られていますが、詳しい種類や特徴まで知っている方は意外と少ないものです。今回はマダラの種類の違い・旬・産地・栄養など、知っておくと魚選びがぐっと楽しくなる基礎知識をまとめて解説します。
【マダラとスケトウダラの違い】
日本で「タラ」と呼ばれる魚には主にマダラとスケトウダラの二種類があります。この二種類の違いを知っておくと、スーパーや魚屋での買い物がぐっと楽しくなります。
まず大きさの違いです。マダラは体長1メートルを超えるものも珍しくない大型の魚ですが、スケトウダラは50〜60センチ程度が一般的です。次に用途の違いです。マダラは鍋・天ぷら・フライなど切り身として幅広く使われますが、スケトウダラは主にすり身の原料として使われるほか、卵巣がたらこや明太子の原料として広く知られています。
味の面では、マダラの方が身に厚みがあってしっかりとした食べ応えがあります。スケトウダラは身がやや水っぽく淡白ですが、加工品の原料として非常に重要な魚です。魚屋の店頭では「タラ」として並んでいるものがマダラであることがほとんどですが、気になるときは気軽に聞いてみてください。
【マダラはどんな魚?】
マダラはタラ目タラ科に分類される魚で、体色は褐色から灰褐色で体の側面に不規則な斑模様があります。この斑模様が「まだら」という名前の由来です。下あごにひげがあるのも特徴的な見た目のひとつで、深海魚らしい風格があります。
生息域は水深150〜400メートルほどの冷たい海で、北海道・東北・山陰沖などの日本近海に広く分布しています。冷たい海を好む魚のため、水温が上がる夏場は深い場所に移動し、冬場に浅瀬に上がってくる習性があります。これが冬に旬を迎える理由のひとつです。
【旬の時期】
マダラの旬は12月から2月にかけての真冬の時期です。産卵期を前にして栄養を蓄えたこの時期のマダラは身に旨みが凝縮されており、白子や真子も最も発達した状態になります。特に白子は12月から1月にかけてが最も大きく発達するため、この時期を逃さず味わいたい食材です。
市場でも12月に入るとマダラの入荷が一気に増え、白子つきのものが並ぶようになります。毎朝4時前に起きて市場に向かうと、冬の寒さの中でマダラが山積みになっている光景が広がります。白子つきのマダラが入ったときは「今日は良いものが揃った」と気持ちが上がる瞬間のひとつです。
【主な産地】
マダラの主な産地は北海道・青森・岩手・宮城・新潟・島根などです。北海道産と三陸産のものが特に有名で、市場でも高値がつきやすい産地として知られています。日本海側では島根・鳥取沖でも多く水揚げされており、山陰地方でも冬の食材として広く親しまれています。
漁法は主に底引き網漁や延縄漁で行われます。大型の魚であるため一度の漁で大量に水揚げされることもあり、冬場の市場では豊富に出回ります。産地によって若干味の違いがありますが、いずれも冬場に獲れる旬のものは身の旨みが際立っています。
【白子とは何か】
マダラの白子は雄の精巣のことで、乳白色のクリーム状をしています。冬の珍味として非常に人気が高く、料亭や高級飲食店でも使われる食材です。とろけるような食感と濃厚なコクが特徴で、ポン酢でシンプルに食べるのが最もその旨みを引き立てる方法といえます。
白子が大きく発達するのは産卵期前の冬場だけのため、まさに季節限定の食材です。魚屋の店頭でも白子つきのマダラは入荷があるとすぐに売り切れてしまうことが多く、見かけたときはためらわず手に取ることをおすすめします。
【栄養成分と健康効果】
マダラは高タンパク・低脂肪の代表的な白身魚です。カロリーが非常に低く、100グラムあたり70キロカロリー前後と魚の中でもトップクラスの低カロリーを誇ります。ダイエット中の方や脂質を控えたい方にとって理想的な食材のひとつです。
良質なタンパク質が豊富に含まれており、筋肉の維持や体の回復を助けます。ビタミンB12・ビタミンD・ナイアシンなどのビタミン類も含まれており、神経機能の維持や骨の健康にも貢献します。またDHAやEPAも含まれており、血液をサラサラにする効果や脳の働きをサポートする効果が期待できます。
白子はタンパク質・ビタミンB12・亜鉛・DHA・EPAが豊富で、栄養価の高い食材です。ただしプリン体を多く含むため、痛風が気になる方は食べすぎに注意が必要です。
【鍋料理との深い関係】
マダラと鍋料理の組み合わせは日本の冬の食文化として深く根付いています。東北地方では「タラ汁」と呼ばれるマダラをふんだんに使った味噌汁が郷土料理として親しまれており、頭・身・白子・真子・胃袋まで余すところなく使う豪快な料理です。秋田の「しょっつる鍋」や石川の「たら汁」など、地域によってさまざまな郷土料理が存在します。
魚屋として感じるのは、マダラは一尾まるごと使い切れる魚だということです。身はもちろん、頭はアラ汁、白子と真子は別料理と、捨てるところがほとんどありません。丸のままのマダラを買って全部使い切ったときの達成感は格別です。
【まとめ】
マダラはタラ目タラ科の大型白身魚で、スケトウダラとは別の種類です。旬は12月から2月の真冬で、この時期の白子と真子は冬の珍味として特に人気があります。高タンパク・低カロリーで栄養価が高く、鍋・天ぷら・フライとさまざまな料理に対応できる万能な魚です。北海道・三陸産のものが特に有名で、冬場に市場や魚屋の店頭で見かけたらぜひ手に取ってみてください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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