春を代表する根魚として人気の高いメバル。鮮度が良い状態で食べることがメバル本来の美味しさを引き出す最大のポイントです。今回は魚屋の現場目線で、メバルの正しい保存方法と下処理のコツをくわしく解説します。
【メバルの鮮度の落ち方の特徴】
メバルは根魚の中では比較的鮮度が保ちやすい魚ですが、それでも適切な処理をしなければ鮮度は確実に落ちていきます。根魚全般に言えることですが、身が締まっていて旨みが強い分、鮮度が落ちたときの味の変化が白身の淡白な魚と比べてわかりやすく出ます。
特に注意が必要なのが内臓です。メバルは卵胎生の魚で春先には稚魚を持っていることがあります。この時期は内臓の状態が変化しやすく、そのままにしておくと臭みが身に移るスピードが速くなります。購入後はできるだけ早く内臓の処理を行うことが鮮度保持において特に重要です。
【魚屋の現場から】
市場でメバルを仕入れるとき、私は必ず腹の状態を確認します。春先のメバルはお腹に稚魚を持っているものが混じっており、内臓の状態が通常より繊細です。仕入れてから店頭に並べるまでの間に内臓の処理を済ませておくのは魚屋として当然のことですが、家庭でもこの意識を持ってほしいと思っています。
お客さんから「メバルを買ってきたけど翌日に臭みが出た」という相談を受けることがあります。ほとんどの場合、トレーのまま冷蔵庫に入れていたか内臓を取り除いていなかったかのどちらかです。ちょっとした処理の差が翌日の美味しさを大きく左右する。これは魚屋として長年現場で実感してきたことです。
【購入後すぐにやるべき下処理】
メバルを購入したらできるだけ早く以下の下処理を行いましょう。
まず最初にキッチンバサミで背ビレ・腹ビレ・尻ビレのトゲをカットします。トゲが残ったまま作業すると怪我をする恐れがあります。次にトレーから取り出してキッチンペーパーで表面の水分と汚れを丁寧に拭き取ります。
ウロコを取り除きます。メバルのウロコは細かく飛び散りやすいのでシンクの中で作業してください。ウロコ取りを使って尾から頭の方向に向かって丁寧にこそぎ取り、ヒレの付け根周辺も念入りに確認します。
腹に切り込みを入れて内臓を取り出します。春先のメバルはお腹に稚魚が入っていることがあります。内臓を取り出したら腹の中の血合いを流水で丁寧に洗い流し、指や歯ブラシを使ってしっかりと取り除いてください。洗い終わったらキッチンペーパーで表面と腹の中の水分を念入りに拭き取ります。
【冷蔵保存の方法と期間】
下処理を終えたメバルは新しいキッチンペーパーで全体をしっかり包み、さらにラップで密着させて包みます。空気との接触を最小限に抑えることが鮮度保持の基本です。包んだものをチルド室または冷蔵庫の最も冷たい場所に置きます。
保存期間の目安は下処理済みのもので2〜3日程度です。根魚は白身の淡白な魚と比べると旨みが強い分、鮮度が落ちたときの臭みも出やすい傾向があります。煮付けにする場合でも刺身にする場合でも、できるだけ早めに食べることをおすすめします。刺身で食べる場合は購入当日か翌日までが最も美味しい状態です。
保存中は1日1回キッチンペーパーを交換することで鮮度をより長く保つことができます。交換したキッチンペーパーに水分や汚れが多く出ていたら早めに調理してしまいましょう。
【冷凍保存の方法と期間】
すぐに食べない場合は冷凍保存が確実です。正しく冷凍すれば2〜3週間は美味しく食べることができます。
冷凍する前にキッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。水分が残ったまま冷凍すると冷凍焼けの原因になり解凍後に身がパサついてしまいます。1尾ずつラップでぴったりと包み空気が入らないよう密着させることが大切です。ラップで包んだものをさらにジッパー付き保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いてから冷凍庫に入れます。
金属製のバットの上に並べて冷凍庫に入れると急速冷凍ができてより効果的です。ゆっくり凍らせると細胞が壊れてドリップが大量に出る原因になるので、できるだけ素早く凍らせることがポイントです。
煮付け用に下処理した状態で冷凍しておくと便利です。食べたいときに冷蔵庫で解凍してそのまま煮付けにできるので、忙しい日の夕食にもすぐ対応できます。
【正しい解凍方法】
冷凍したメバルを解凍する際は冷蔵庫に移して一晩かけてゆっくり解凍するのが最もおすすめです。低温でゆっくり解凍することでドリップの流出が最小限に抑えられ、解凍後も旨みと食感がしっかり保たれます。
時間がない場合は塩水解凍が有効です。1リットルの水に小さじ1程度の塩を溶かした塩水に、ラップに包んだままのメバルを浸けて解凍します。真水で解凍すると浸透圧の関係で旨みが流れ出てしまいますが、塩水を使うことでそれを防ぐことができます。30分〜1時間程度で解凍できます。
電子レンジでの解凍は身が部分的に加熱されてしまうため食感や風味が損なわれます。どうしても急ぐ場合以外は避けてください。解凍後はキッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ってから調理してください。解凍したものは再冷凍せずその日のうちに食べきるようにしましょう。
【アラの保存と活用法】
メバルを三枚おろしにした後に出る頭や中骨などのアラも大切に保存しておきましょう。メバルのアラには旨みが豊富に含まれており、潮汁やあら汁に使うと絶品の汁物になります。
アラを保存する場合はよく洗って水気を拭き取り、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存します。冷凍で2週間程度保存できます。使うときは冷蔵庫で解凍してから霜降りを行い臭みを取り除いてから調理してください。メバルのアラから取った出汁は根魚特有の深い旨みがあり、シンプルな塩味の潮汁にするだけで最高の一品になります。
【まとめ】
メバルは購入後すぐにトゲを処理してトレーから取り出し、ウロコと内臓を取り除いてキッチンペーパーで水分を拭き取り丁寧に包んで保存することが鮮度を保つ最大のポイントです。特に春先は内臓の状態が変化しやすいため内臓の処理は購入当日に必ず行ってください。冷蔵保存は2〜3日を目安にし、それ以上保存する場合は迷わず冷凍に切り替えましょう。解凍は冷蔵庫でのゆっくり解凍か塩水解凍が基本です。アラも捨てずに冷凍保存しておけば絶品の潮汁に活用できます。春の味覚メバルを最高の状態で余すことなく楽しんでください。
メバルの捌き方や下処理の手順はおととチャンネルで動画で解説しています。映像でわかりやすく確認できますので、ぜひ合わせてご覧ください😊
👉 https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
メバルの保存方法と下処理|春告魚を最高の状態で味わうための魚屋直伝のコツ
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