アワビの保存方法と下処理|鮮度を保つコツを魚屋が解説

アワビは高級食材だからこそ、正しい保存方法と下処理を知っておくことが大切です。せっかく手に入れた新鮮なアワビも、保存方法を間違えると旨みが失われてしまいます。この記事では、魚屋ならではの視点でアワビの正しい下処理と保存方法を詳しく解説します。

【アワビの鮮度の見分け方】
保存の前にまず鮮度の見分け方を知っておくことが大切です。活きているアワビは触れると素早く殻に引っ込もうとする反応を見せます。この反応が素早いほど鮮度が高い証拠です。逆に触れてもぐったりしていたり、反応が鈍いものは鮮度が落ちています。岸田さんが市場でアワビを選ぶときも、必ずこの反応を確認してから仕入れるようにしています。殻の表面はしっかりとした光沢があり、身の色が鮮やかなものを選ぶのがポイントです。
【アワビの下処理の手順】
アワビを調理する前には正しい下処理が必要です。まず流水でタワシを使ってしっかりと殻の表面の汚れを洗い落とします。磯の砂や汚れが付いていることが多いので、丁寧にこすり洗いをしてください。
次に殻から身を外す作業です。スプーンや貝剥きを殻と身の間に差し込み、殻に沿わせるように動かしながら外していきます。このとき身を傷つけないよう、ゆっくりと丁寧に作業することが大切です。身を取り出したら、身の周囲についているひも(外套膜)と肝を取り外します。ひもと肝はそれぞれ別の料理に使えるので、捨てずに取っておくと良いでしょう。
身を外したら、塩をふって手でしっかりともみ込みます。これによってぬめりが出てくるので、流水で洗い流してください。このぬめり取りの工程を丁寧にやることで、口当たりが格段によくなります。魚屋では当たり前にやっている工程ですが、家庭では省略されがちなので、ぜひ丁寧に行ってください。
【活きアワビの保存方法】
活きているアワビをすぐに食べない場合は、正しい方法で保存することが大切です。アワビは海水と同じ塩分濃度の水(塩分約3%)に浸けて保存すると長持ちします。水1リットルに対して塩30グラムが目安です。この塩水にアワビを入れ、濡れた新聞紙やタオルで包んで冷蔵庫の野菜室に入れておくと、1〜2日程度は活きた状態を保てます。
ただし、真水に浸けると浸透圧の関係でアワビが弱ってしまうので絶対に避けてください。また、氷に直接触れさせるのも身が傷む原因になります。冷やしすぎず、適度な温度を保つことが大切です。
【殻から外したアワビの冷蔵保存】
殻から外して下処理済みのアワビは、キッチンペーパーで水分をしっかりと拭き取り、ラップで密着させて包みます。その上からさらにラップで包むか保存袋に入れて、冷蔵庫のチルド室で保存してください。この状態で2〜3日を目安に食べきるようにしましょう。時間が経つほど旨みが抜けていくので、できるだけ早めに食べるのがベストです。
肝は身よりも傷みが早いため、当日か翌日中には食べるようにしてください。肝を保存する場合は、小さな容器に入れてラップをかけ、チルド室で保存します。
【アワビの冷凍保存】
アワビは冷凍保存も可能ですが、生のまま冷凍すると食感が変わってしまいます。刺身で食べる場合は冷凍を避け、新鮮なうちに食べきることをおすすめします。加熱調理する場合は、下処理を済ませた状態でラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存できます。保存期間は1ヶ月を目安にしてください。
解凍するときは冷蔵庫に移して自然解凍するのが基本です。電子レンジや常温での解凍は旨みが逃げやすいので避けましょう。
【ひもと肝の保存と活用】
アワビの身を外したときに取れるひも(外套膜)と肝は、実はとても美味しい部位です。ひもはさっと塩茹でして和え物にしたり、バター醤油で炒めたりすると絶品です。肝はアワビの肝醤油として刺身につけたり、肝バターソースにして蒸しアワビにかけたりと、さまざまな料理に活用できます。
魚屋では「捨てるところがない」という食材の代表格がアワビです。身だけでなくひもも肝も全て美味しく食べられるので、下処理のときに丁寧に取り分けておくことをおすすめします。
【まとめ】
アワビの保存と下処理で最も大切なのは、鮮度の高いうちに適切な処理をすることです。活きているうちは塩水保存、殻から外したらチルド室でしっかり保存し、できるだけ早めに食べきることが旨みを逃さないコツです。塩でのぬめり取りをしっかり行うことで、口当たりが大きく変わります。ひもや肝も無駄なく活用して、アワビを最後まで美味しく楽しんでください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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