魚の粗塩の使い方と下処理への活かし方を魚屋が解説

【粗塩って普通の塩と何が違うの?】
塩には大きく分けて「精製塩」と「粗塩」があります。スーパーでよく見かける白くてサラサラした塩が精製塩で、にがりなどのミネラル分をほぼ取り除いて塩化ナトリウムの純度を高めたものです。一方の粗塩は、海水を蒸発させて作った天然の塩で、ミネラルをたっぷり含んでいます。
魚の下処理に粗塩が向いている理由は、このミネラルにあります。粗塩はしっとりとした質感で魚の表面に密着しやすく、余分な水分や臭みをしっかり引き出してくれます。魚屋として長年使ってきた経験から、下処理には粗塩が断然オススメです。
【粗塩の基本的な使い方】
粗塩を魚の下処理に使う方法はいくつかあります。用途に合わせて使い分けることが大切です。
振り塩
魚の両面に粗塩を振って10〜15分ほど置く方法です。時間が経つと魚の表面に水分が出てきます。これをキッチンペーパーでしっかり拭き取ることで、臭みの元となる水分を除去できます。塩焼きや煮付けの前に行うと仕上がりが格段によくなります。
塩もみ
ウロコを取った後の魚の表面に粗塩を振り、手で全体をやさしくもむ方法です。表面のぬめりや汚れが取れて、臭みが大幅に減ります。特にアジやサバなど青魚の下処理に効果的です。もみ終わったら流水でしっかり洗い流してください。
立て塩(塩水につける)
水に対して約3〜3.5%の塩を溶かした塩水に魚を浸ける方法です。この濃度は海水とほぼ同じで、魚の細胞が壊れにくく、旨味を保ちながら臭みだけを取り除くことができます。刺身用の柵や切り身を浸けるのに最適な方法です。真水で洗うと身がぼやけてしまうので、必ず塩水を使うのがポイントです。
【ウロコ取りに粗塩を使う】
意外と知られていない使い方が、ウロコ取りへの活用です。魚の表面に粗塩を振ってから手でこすると、ぬめりが取れてウロコが取りやすくなります。特にウロコが細かくて取りにくい魚や、ぬめりの強い魚に効果的です。
ウロコ取りの道具がないときも、粗塩でこする方法が代用になります。ただし力を入れすぎると身を傷めることがあるので、やさしく丁寧に行いましょう。
【干物・塩漬けに使う場合】
干物や塩漬けを作るときにも粗塩は欠かせません。
干物を作る場合は、先ほどお伝えした立て塩(約3〜3.5%の塩水)に魚を30分〜1時間ほど浸けてから干します。精製塩より粗塩の方が魚への浸透がおだやかで、塩辛くなりすぎずに旨味を引き出してくれます。
塩漬けにする場合は、魚の重量に対して10〜15%程度の粗塩を使います。塩の量が多いほど保存期間が長くなりますが、塩辛くなるので用途に合わせて調整してください。
【粗塩を使うときの注意点】
粗塩を使うときにいくつか気をつけてほしいポイントがあります。
塩を振りすぎない
振り塩の場合、塩を振りすぎると身が締まりすぎて硬くなってしまいます。薄く均一に振るのが基本です。特に薄い切り身は塩が効きやすいので少量で十分です。
置き時間を守る
振り塩後に長く放置しすぎると、水分が出すぎて身がパサパサになります。10〜15分を目安に、出てきた水分はすぐに拭き取りましょう。
洗い流すときは塩水か流水で
塩もみ後は流水でしっかり洗い流してください。真水に長時間浸けると旨味が逃げてしまうので注意が必要です。
【魚屋が実際に使っている粗塩の選び方】
粗塩にもさまざまな種類があります。魚屋として使ってきた中でオススメなのは、国産の天然海塩です。ミネラルのバランスがよく、魚の旨味を引き出す効果が高いと感じています。
スーパーで手軽に手に入る粗塩で十分ですが、「赤穂の天塩」や「沖縄の海塩」など、にがり成分が豊富なものを選ぶと下処理の効果がより高まります。
【まとめ】
魚の下処理における粗塩の使い方をまとめます。
振り塩:両面に振って水分と臭みを引き出す
塩もみ:表面のぬめりや汚れを取り除く
立て塩:約3〜3.5%の塩水に浸けて旨味を保ちながら臭みを除去
ウロコ取り補助:ぬめりを取ってウロコを取りやすくする
干物・塩漬け:おだやかな浸透で旨味を引き出す
粗塩は魚の下処理において万能な存在です。ひとつひとつの使い方をマスターするだけで、魚料理の仕上がりが見違えるように変わります。ぜひ毎日の魚料理に取り入れてみてください!
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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