イスズミを食べてみたいけれど臭みが心配という方は多いと思います。釣り人の間で「臭い魚」として知られているイスズミですが、その臭みは適切な下処理をすることで大幅に軽減できます。この記事では、魚屋がイスズミの臭みを取るための下処理のコツを丁寧に解説します。知っているだけで評価が一変する魚ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
【イスズミが臭い理由を知っておこう】
下処理のコツを覚える前に、まずイスズミがなぜ臭いのかを理解しておきましょう。イスズミは海藻や藻類を主食としているため、消化管の中に海藻由来の臭い成分が蓄積されています。この成分が内臓・皮・血合いに集中しており、処理が遅れると身にまで臭みが移ってしまいます。
つまりイスズミの臭みの原因は身そのものではなく、内臓・皮・血合いにあるということです。これらを素早く丁寧に取り除けば、白くて旨味のある身が残ります。臭みの原因を正しく理解することが、美味しく食べるための第一歩です。
【釣り場での処理が最重要】
イスズミを美味しく食べるために最も大切なのは、釣り場での処理です。釣り上げた直後に血抜きをすることで、臭みの大きな原因となる血が身に回るのを防げます。
血抜きの方法はエラの付け根に刃を入れて切り、海水を張ったバケツに頭を下にして数分入れておくだけです。血がしっかり抜けたら氷を入れたクーラーボックスで持ち帰ってください。可能であれば内臓も釣り場で取り出しておくと、持ち帰るまでの間に臭みが身に移るのをさらに防げます。
釣り場での処理が早いほど仕上がりの臭みが少なくなります。面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が食卓での美味しさに直結します。
【臭みを取る下処理ステップ1:ウロコと内臓を素早く取る】
持ち帰ったイスズミはできるだけ早くウロコと内臓を取り除いてください。内臓は時間が経つほど臭みが身に移りやすくなるため、時間を置かずに処理することが大切です。
ウロコを取り終えたら頭を落とし、腹に包丁を入れて内臓を取り出します。内臓はビニール袋にすぐ入れて処分してください。内臓を取り出した後は腹の中に残っている血合いを指や歯ブラシでしっかりこそげ取り、流水で丁寧に洗い流します。この血合い取りを丁寧に行うかどうかで、仕上がりの臭みが大きく変わります。
【臭みを取る下処理ステップ2:塩を振って水分を出す】
三枚におろした身に塩を振り、10〜15分ほど置きます。塩を振ることで身から余分な水分と一緒に臭み成分が引き出されます。時間が経ったら表面に出てきた水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取ってください。
この工程は刺身・煮付け・塩焼きどの料理に使う場合でも共通して行うことをおすすめします。たった10分の工程ですが、仕上がりの臭みが明らかに違います。
【臭みを取る下処理ステップ3:皮を丁寧に引く】
イスズミの皮には臭み成分が特に集中しています。刺身はもちろん、煮付けや塩焼きの場合でも皮を引いてから調理すると臭みが大幅に軽減されます。
皮を引く際は皮の臭いが身に移らないよう注意が必要です。皮を引いたらすぐに包丁とまな板を洗い、新しいキッチンペーパーで身の表面を拭いてから次の作業に進んでください。この一手間を惜しまないことが美味しいイスズミ料理への近道です。
【臭みを取る下処理ステップ4:冷蔵庫で一晩寝かせる】
塩を振って水気を拭き取った身をキッチンペーパーで包み、さらにラップで包んで冷蔵庫に入れます。半日から一晩置くことで残っている余分な水分と臭みがさらに抜けていきます。
翌日キッチンペーパーを開けると水分が出ているはずです。その水分を拭き取ってから料理に使ってください。時間をかけて寝かせることで身の旨味も凝縮されるため、一晩置いたイスズミは臭みが少ないだけでなく旨味も増して美味しくなります。
【刺身にする場合は酢締めも効果的】
刺身にする場合はさらに酢で軽く締める方法も臭み対策として非常に効果的です。身の表面に薄く酢を塗り5分ほど置いてからキッチンペーパーで拭き取ります。酢の成分が臭みを中和してくれるため、さっぱりとした刺身に仕上がります。
酢締めは強くしすぎると身が白くなって食感が変わってしまうため、表面に薄く塗る程度で十分です。長時間酢に漬けすぎないよう注意してください。
【加熱料理の場合は霜降りが効果的】
煮付けや汁物などの加熱料理に使う場合は霜降りが効果的です。切り身に熱湯をかけるか、熱湯に数秒くぐらせてすぐに冷水に取ります。表面が白くなったら冷水から引き上げ、残っている血合いや汚れを丁寧に取り除いてください。
霜降りをすることで表面の臭み成分が熱で取り除かれ、煮汁が濁りにくくなります。また煮付けの場合は生姜をたっぷり使うことで臭みがさらに抑えられます。生姜は薄切りにして煮汁に加えるだけでなく、仕上げに針生姜を添えると見た目も臭みの軽減にも効果的です。
【臭みが強い場合の最終手段】
上記の処理をしても臭みが気になる場合は、みそ漬けや西京漬けにする方法が効果的です。身を味噌・みりん・酒を合わせたタレに漬けて冷蔵庫で1〜2日置くことで臭みがほぼ消えて旨味が増します。
唐揚げやフライなどの揚げ物にする場合も臭みが気になりにくくなります。衣をつけて揚げることで臭み成分が閉じ込められ、食べるときに気にならなくなります。カレー粉や香辛料を下味に使うと臭みをさらに抑えられます。臭みが強い夏場のイスズミにはこれらの調理法がおすすめです。
【まとめ】
イスズミの臭みの原因は内臓・皮・血合いに集中しており、身そのものが臭いわけではありません。釣り上げた直後の血抜きと素早い内臓処理が最初の大切なステップで、その後は塩を振って水分を出し、皮を丁寧に引いて冷蔵庫で一晩寝かせることで臭みは大幅に軽減されます。刺身には酢締めを、加熱料理には霜降りと生姜をたっぷり使うことがさらに効果的です。臭みが強い場合はみそ漬けや揚げ物にすることで美味しく食べられます。正しい下処理を知っていれば、イスズミは十分に食卓で活躍できる魚です。釣れたときはぜひ持ち帰って試してみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
魚屋が教えるイスズミの臭みを取る下処理のコツ
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