塩麹漬けと聞くと鶏肉や豚肉のイメージが強い方も多いかもしれませんが、実は魚との相性も抜群です。塩麹の持つ酵素の力が魚の身を柔らかくし、旨みを引き出してくれるので、焼くだけで格段に美味しい一品が完成します。魚屋として長年さまざまな魚を扱ってきた経験から、魚の塩麹漬けの作り方と保存方法をわかりやすくお伝えします。一度作り方を覚えてしまえば毎日の食卓がぐっと豊かになる、とても便利な調理法です。
【塩麹漬けとはどんな調理法?】
塩麹漬けとは、塩麹に魚を漬け込んでから焼いて食べる調理法です。塩麹に含まれる麹菌の酵素がたんぱく質を分解し、魚の旨みをアミノ酸に変えてくれます。これによって漬け込む前よりもはるかに深い旨みが生まれるのです。また酵素の働きで魚の身が柔らかくなるため、パサつきやすい白身魚でもしっとりとした仕上がりになります。
塩麹漬けのもうひとつの大きなメリットは保存性の高さです。塩麹に漬けることで魚の日持ちが延び、冷蔵庫で数日・冷凍すれば数週間保存できます。まとめて作り置きしておけば、忙しい日の夕食にすぐ使えてとても便利です。
【塩麹漬けに向いている魚】
塩麹漬けはさまざまな魚に使える万能な調理法ですが、特に向いている魚をご紹介します。サーモン・サバ・ブリ・タラ・カジキ・鯛などがおすすめです。脂の乗った魚は塩麹との相性が特によく、焼いたときに香ばしさと旨みが一気に引き出されます。淡白な白身魚は塩麹の旨みが染み込みやすく、しっとりとした仕上がりになります。
切り身で売られている魚がそのまま使えるので、捌く手間がないのも嬉しいポイントです。スーパーで安く売っている切り身でも、塩麹に漬けるだけで格段に美味しくなります。
【用意するもの】
魚の塩麹漬けを作るために必要なものをご紹介します。材料は魚の切り身・塩麹です。塩麹は市販のものをそのまま使って問題ありません。自家製の塩麹があればさらに風味豊かに仕上がります。塩麹の量は魚の重さの10〜15%が目安です。切り身1枚が約100gであれば、塩麹は10〜15g程度になります。
道具は保存袋またはバット・ラップ・キッチンペーパーがあれば十分です。保存袋を使うと塩麹が魚全体に均一に行き渡りやすく、漬け込みムラが出にくいのでおすすめです。
【魚の下処理と漬け込み方】
まず魚の切り身の水気をキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。水気が残っていると塩麹が薄まって味がぼんやりしてしまうので、この工程は丁寧に行ってください。
水気を拭き取ったら保存袋に魚と塩麹を入れ、全体に塩麹が行き渡るように手でよくなじませます。袋の空気をしっかり抜いてから口を閉じ、冷蔵庫で漬け込みます。バットを使う場合は魚の両面に塩麹を塗り、ラップでしっかり密着させて冷蔵庫に入れます。
漬け込む時間の目安は最低でも半日、できれば一晩から1日漬けると塩麹の旨みがしっかり染み込んで美味しくなります。2〜3日漬け込むとさらに旨みが深くなりますが、それ以上漬けると塩気が強くなりすぎることがあるので注意してください。
【焼き方のポイント】
漬け込んだ魚を焼く前に、表面についた塩麹をキッチンペーパーで軽く拭き取ります。塩麹をつけたまま焼くと焦げやすくなるので、この工程が大切です。完全に拭き取る必要はなく、余分な塩麹を取り除く程度で大丈夫です。
フライパンで焼く場合はクッキングシートを敷いて中火で焼くと、焦げ付きを防ぎながら綺麗に焼けます。魚焼きグリルで焼く場合はアルミホイルを敷いておくと後片付けが楽になります。塩麹漬けは普通の塩焼きよりも焦げやすいので、火加減に注意しながらじっくり焼いてください。表面がこんがりと焼けたら完成です。塩麹の糖分がカラメル化して香ばしい香りが立ち、見た目も美しく仕上がります。
【塩麹漬けの保存方法と日持ち】
漬け込んだ状態での保存方法をご説明します。冷蔵保存の場合は保存袋に入れたまま冷蔵庫で保存し、2〜3日以内に使い切るようにしましょう。漬け込みながら保存できるので、食べたいときにすぐ焼けてとても便利です。
冷凍保存の場合は漬け込んだ状態のまま冷凍することができます。保存袋ごと冷凍庫に入れるだけでよいので手間がかかりません。冷凍すると約3〜4週間保存できます。まとめて作って冷凍ストックしておけば、忙しい日の夕食の準備がとても楽になります。
解凍は冷蔵庫でゆっくり行うのが一番です。前日の夜に冷凍庫から冷蔵庫に移しておけば、翌日の夕食にすぐ使えます。電子レンジで急いで解凍すると水分が出やすく、焼いたときの仕上がりが落ちてしまうので注意してください。
【塩麹漬けのアレンジ】
基本の塩麹漬けに少し手を加えるだけで、さらにバリエーションが広がります。塩麹にみりんを少量加えると甘みが増して食べやすくなります。塩麹に酒を加えると魚の臭みがより軽減されて風味よく仕上がります。塩麹にしょうがのすりおろしを加えると爽やかな香りがプラスされ、青魚の臭みが気になる方にもおすすめです。
塩麹漬けにした魚はそのまま焼くだけでなく、蒸したりホイル焼きにしたりしても美味しく仕上がります。ホイル焼きにすると塩麹の旨みが逃げずに閉じ込められ、しっとりとした仕上がりになります。
【まとめ】
魚の塩麹漬けは、水気をしっかり拭き取ってから塩麹をなじませ、一晩から1日漬け込むことが美味しく仕上げるポイントです。焼くときは表面の余分な塩麹を拭き取って中火でじっくり焼くことで、香ばしくて旨みたっぷりの一品が完成します。冷凍保存もできるので、まとめて作り置きしておくと毎日の食事の準備がぐっと楽になります。スーパーで手に入る切り身でも格段に美味しくなる塩麹漬けを、ぜひ日々の食卓に取り入れてみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
魚屋が教える魚の塩麹漬けの作り方と保存方法
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