鮭は日本の食卓に欠かせない魚のひとつです。スーパーでは切り身で売られていることがほとんどですが、一尾丸ごと買って自分で捌けるようになると、刺身・ムニエル・ちゃんちゃん焼きと、一尾で何通りもの料理が楽しめます。現役魚屋の私が、鮭の捌き方から代表的な料理の作り方まで丁寧に解説します。
鮭の種類と旬
スーパーや魚屋で見かける鮭にはいくつか種類があります。
秋鮭(白鮭)は9月〜11月が旬で、北海道を代表する秋の味覚です。脂は控えめですっきりとした味わいで、ちゃんちゃん焼きや鍋料理に向いています。
銀鮭は養殖ものが多く、1年中手に入ります。脂がしっかりのっていてムニエルやソテーに最適です。スーパーで「鮭の切り身」として売られているのは、多くの場合この銀鮭です。
アトランティックサーモンはノルウェーなどから輸入される養殖鮭で、脂がたっぷりのっており刺身やルイベに向いています。
捌く前の準備
道具を揃える
鮭を捌くには出刃包丁があると理想的です。鮭は骨が比較的やわらかいので、家庭用の三徳包丁でも捌けますが、出刃包丁の方が断然作業しやすいです。刺身にする場合は柳刃包丁も用意してください。
まな板は鮭が横たわるくらいの大きさのものを使います。鮭は大型の魚なので、小さいまな板では作業しにくくなります。
うろこと鼻先の処理
鮭のうろこは小さくて細かいですが、しっかり取っておきましょう。うろこ取りか包丁の背を使って、尾から頭に向かってこそぎ取ります。
鮭の捌き方【三枚おろし】
①頭を落とす
胸びれの付け根に沿って斜めに包丁を入れます。鮭は骨がやわらかいので、比較的スムーズに切れます。裏返して同じように切れ目を入れ、背骨のところで断ちます。
②内臓を取り出す
腹に浅く包丁を入れて内臓を取り出します。内臓を傷つけないよう包丁は浅めに入れるのがポイントです。秋鮭のメスはこの時期に卵(イクラ)が入っていることがあります。卵は醤油漬けにするととてもおいしいので、捨てずに活用してください。
内臓を取り出したら、背骨に沿って残っている血合いを流水でしっかり洗い流します。血合いが残っていると臭みの原因になるので、念入りに洗ってください。
③三枚におろす
魚を横に向け、背中側から包丁を背骨に沿わせるように入れます。包丁は背骨にしっかり密着させながら、頭側から尾に向かって動かします。腹側も同様に包丁を入れ、背骨から身を切り離します。反対側も同じように行えば三枚おろしの完成です。
④腹骨と小骨を取る
腹骨を包丁ですき取り、小骨は骨抜きで1本ずつ丁寧に取り除きます。鮭の小骨は比較的取りやすいので、指でなでながら確認してください。
ムニエルの作り方
三枚におろした鮭を使ったムニエルは、フランス料理の定番ですが家庭でも簡単に作れます。
鮭の切り身に塩・こしょうをふって10分置き、出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取ります。薄力粉を両面にまぶし、余分な粉をはたき落とします。フライパンにバターを溶かし、中火で皮目から焼きます。皮目がこんがりと焼けたら裏返し、弱火でじっくり火を通します。仕上げにレモン汁をかけると、さっぱりとした風味になります。
バターの香りと鮭の旨みが合わさって、シンプルながら絶品の一品になります。
ちゃんちゃん焼きの作り方
ちゃんちゃん焼きは北海道の郷土料理で、鮭と野菜を味噌で炒め蒸しにした料理です。秋鮭との相性が抜群です。
鮭の切り身、キャベツ・玉ねぎ・もやし・にんじんなど好みの野菜を用意します。タレはみそ大さじ3・みりん大さじ2・酒大さじ2・砂糖大さじ1・バター20グラムを混ぜておきます。
ホットプレートか大きなフライパンにバターを溶かし、野菜を広げます。その上に鮭の切り身をのせ、タレをかけてふたをして中火で10〜15分蒸し焼きにします。全体に火が通ったら混ぜ合わせて完成です。
豪快に混ぜながら食べるのがちゃんちゃん焼きの醍醐味です。ご飯との相性も最高です。
イクラの醤油漬けの作り方
秋鮭のメスを捌いたときに卵が入っていたら、ぜひイクラの醤油漬けを作ってみてください。
卵の薄皮をぬるま湯の中でほぐしてバラバラにします。流水で洗って薄皮や白い膜を取り除き、キッチンペーパーで水気を取ります。醤油・みりん・酒を1:1:1の割合で合わせたタレに漬けて、冷蔵庫で半日置けば完成です。
市販のイクラとは比べものにならないおいしさです。ぜひ試してみてください。
まとめ
鮭の捌き方と料理のポイントをまとめます。
血合いは流水でしっかり洗い流して臭みを取る
包丁は背骨に密着させながら動かす
ムニエルは粉をまぶしてバターで焼くだけ
ちゃんちゃん焼きはみそダレで蒸し焼きにする
秋鮭のメスはイクラも一緒に楽しめる
一尾丸ごと捌くことで、鮭を余すことなく楽しめます。ぜひ挑戦してみてください。
YouTubeでも捌き方を動画で解説しています
鮭の捌き方は、包丁の角度や血合いの洗い方など、動画で見るとより理解しやすい部分がたくさんあります。「おととチャンネル」では実際に手を動かしながら捌く様子を動画でお見せしています。記事と合わせてぜひご覧ください。
おととチャンネル
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鮭の捌き方【ムニエル・ちゃんちゃん焼きまで】現役魚屋が解説
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