ウミタナゴの正しい保存方法と下処理!鮮度を保つ魚屋直伝のコツ

ウミタナゴは防波堤や磯場で気軽に釣れる身近な魚ですが、小型魚ゆえに鮮度が落ちるのが早い魚でもあります。入手後の下処理と保存方法をしっかり押さえておくことで、美味しい状態を長く保つことができます。今回は魚屋の現場で実践している保存・下処理の方法を詳しくお伝えします。
【ウミタナゴの鮮度を見極めるポイント】
保存の前にまず鮮度の見極め方を知っておくことが大切です。新鮮なウミタナゴは目が澄んでいて透明感があります。目が白く濁っているものは鮮度が落ちているサインです。また体にハリがあり触ったときに弾力を感じるものが新鮮です。体表の銀白色の輝きがあるものが鮮度の良い証拠で、くすんで色が変わってきているものは鮮度が落ちています。エラを開けてみると新鮮なものは鮮やかな赤色をしており鮮度が落ちるにつれて茶色や灰色に変わっていきます。
小型魚は大型魚に比べて鮮度の落ちが早いため、これらのポイントをしっかり確認してから購入することが大切です。
【下処理① 棘の処理】
ウミタナゴの下処理で最初に行うことが棘の処理です。背鰭には鋭い棘があり不用意に触れると刺さって怪我をすることがあります。キッチンバサミを使って背鰭の棘を根元からしっかり切り落とします。タオルや布巾でウミタナゴをしっかり押さえながら作業することで安全に進められます。小型魚ですが棘の鋭さは侮れませんので最初にしっかり処理しておくことが大切です。
【下処理② 鱗の取り方】
棘の処理が終わったら鱗を取ります。ウミタナゴの鱗は細かく柔らかめで比較的取りやすい部類に入ります。鱗取りまたは包丁の背を使い流水を軽く当てながら尾から頭に向かってこそぎ取ります。頭の周りや鰭の付け根周辺は鱗が残りやすいため特に念入りに取り除いてください。鱗を取り終えたら流水で全体をよく洗い流しキッチンペーパーで水気を拭き取ります。
【下処理③ 内臓の取り除き方】
ウミタナゴの下処理でもっとも重要な工程が内臓の除去です。小型魚は内臓が傷みやすく鮮度の落ちが早いため入手後できるだけ早く内臓を取り出すことが鮮度を保つ上で非常に重要です。釣った場合はその場で内臓を取り出すのが理想です。
肛門から腹に向かって包丁を入れ内臓をすべて取り出します。内臓を取り出したら腹の中を流水でよく洗います。血合いや腹の中の黒い膜を指でこすりながら丁寧に洗い落とします。この黒い膜は臭みの原因になるため残さず取り除くことが大切です。洗い終わったらキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。
【下処理④ 塩あて】
内臓を取り除いて水気を拭き取ったあとは塩あてを行います。三枚におろした切り身あるいは一尾のまま両面と腹の中に塩を振り15〜20分ほど置きます。塩によって余分な水分が引き出されその水分と一緒に臭みの成分も出てきます。時間が経ったら出てきた水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。
ウミタナゴは淡白な白身魚のため塩あてをすることで旨みが凝縮されより美味しくなります。塩焼きにする場合はこの塩あての塩をそのまま焼き塩として活用できます。
【下処理⑤ 霜降り】
煮付けや鍋料理に使う場合は霜降りをするとさらに仕上がりが良くなります。ボウルに冷水と氷を用意しておき魚に熱湯をかけるか鍋に入れた熱湯にさっとくぐらせます。表面が白くなったらすぐに冷水に取り粗熱を取ります。冷えたら表面の血合いや汚れをやさしく取り除きキッチンペーパーで水気を拭き取れば完成です。
ウミタナゴは小型魚のため霜降りの時間はごく短めにすることがポイントです。長く熱湯にさらすと身が崩れやすくなります。表面が白くなったらすぐに冷水に取ることを心がけてください。
【冷蔵保存の方法】
下処理を終えたウミタナゴを冷蔵保存する場合は以下の手順で行います。まずキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。次にキッチンペーパーで魚全体を包みさらにラップでしっかり包んでチルド室または冷蔵庫の一番冷たい場所に入れます。
ウミタナゴは小型魚のため大型魚に比べて鮮度の落ちが早く冷蔵保存できる期間は1〜2日が目安です。翌日には食べ切ることを心がけてください。キッチンペーパーが魚から出る余分な水分を吸い取り身への再吸収を防いでくれます。鮮度が命の魚ですので下処理が終わったらできるだけ早く食べることが美味しさを保つ最大のポイントです。
【冷凍保存の方法】
すぐに食べない場合は冷凍保存が適しています。ウミタナゴを冷凍する場合は三枚におろした状態で保存するのがおすすめです。切り身をキッチンペーパーで水気を拭き取り1切れずつラップでしっかり包みます。それをジッパー付きの保存袋に入れ空気をしっかり抜いて冷凍庫に入れます。この状態で2〜3週間ほど保存できます。
唐揚げ用に一尾丸ごと冷凍する場合も同様に1尾ずつラップで包んで保存してください。解凍するときは冷蔵庫に移して一晩かけてゆっくり解凍する方法がもっとも旨みを損ないません。急ぎの場合はラップに包んだまま流水にあてる流水解凍も有効です。電子レンジでの解凍は身がパサつきやすいためできるだけ避けることをおすすめします。
小型魚は冷凍すると身が水っぽくなりやすいため、解凍後はキッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ってから調理することが美味しく仕上げるコツです。
【魚屋の現場から】
魚屋の1日は毎朝4時前の起床から始まります。市場で約1時間かけて仕入れを行い店に戻って加工して10時にオープン。そこから20時の閉店まで加工・品出し・仕込みを続けながら接客をこなします。その中で小型魚の扱いには特に気を使います。ウミタナゴのような小型魚は大型魚に比べて鮮度の落ちが圧倒的に早く、仕入れてからの時間管理が非常に重要です。市場から店に戻って素早く加工して適切な温度で管理する、この一連の流れを毎日休みなく続けることが魚屋の仕事の基本です。家庭でも入手したらすぐに内臓を取り出しチルド室でしっかり保存することを意識してみてください。
【まとめ】
ウミタナゴは小型魚のため大型魚に比べて鮮度の落ちが早く入手後の迅速な処理が美味しさを保つ最大のポイントです。まず背鰭の棘をキッチンバサミで切り落とし安全に作業できる状態にしてから鱗を取り除きます。内臓は入手後できるだけ早く取り出し腹の中の黒い膜を丁寧に洗い落とすことが臭み防止の基本になります。塩あてで余分な水分と臭みを引き出し煮付けや鍋料理に使う場合は短時間の霜降りを加えることで仕上がりが格段に良くなります。冷蔵保存の場合はキッチンペーパーとラップで包んでチルド室へ保存し1〜2日以内に食べ切ることが大切です。冷凍保存の場合は1切れずつラップで包み空気を抜いて保存し解凍後はしっかり水気を拭き取ってから調理してください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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