アカエイという魚をご存じでしょうか。平たいひし形の体に長い尻尾を持つ独特な見た目から、捌き方が想像しにくい魚の一つです。釣りで外道として釣れることも多く、せっかく釣れたのに捌き方がわからずリリースしてしまったという方も少なくありません。しかし実際に食べてみると、軟骨魚類ならではのコリコリとした食感と旨味があり、煮付けや唐揚げにすると非常に美味しい魚です。今回はアカエイの捌き方を丁寧に解説していきます。
【アカエイってどんな魚?】
アカエイはトビエイ目アカエイ科に属する軟骨魚類で、サメと同じ仲間です。体は平たいひし形で、長い尻尾の付け根あたりに毒棘を持っています。この毒棘が刺さると激しい痛みを伴いますので、取り扱いには十分な注意が必要です。体色は背面が赤褐色から茶褐色で、腹面は白っぽくなっています。
日本全国の沿岸部に広く分布しており、砂泥底を好んで生息しています。市場では「エイ」としてまとめて流通することが多く、産地では古くから食用として親しまれてきた魚です。韓国料理のホンオフェ(発酵させたエイの刺身)が有名ですが、日本でも煮付けや唐揚げとして食べる文化が各地に残っています。
市場でアカエイを見かけると、その独特な形から「これ食べられるんですか?」と聞かれることがよくあります。「煮付けにすると美味しいですよ」と伝えると、興味を持って買ってくれるお客さんも多く、一度食べてハマってリピーターになる方もいます。見た目のインパクトに反して、食べてみると驚くほど美味しい魚の一つです。
【用意するもの】
アカエイを捌く際に最も重要なのが、毒棘への対策です。尻尾の付け根にある毒棘は非常に鋭く、誤って刺さると激しい痛みと腫れが生じます。捌く前に必ずキッチンバサミや出刃包丁で毒棘を切り取ることが絶対条件です。
必要なものは出刃包丁(大きめのもの)、キッチンバサミ、まな板(大きめのもの)、キッチンペーパー、厚手のゴム手袋です。ゴム手袋は毒棘対策だけでなく、エイの表面のぬめりに対応するためにも役立ちます。
【アカエイの捌き方・手順】
【毒棘を最初に切り取る】
捌く前に必ず最初に行うのが毒棘の除去です。アカエイの尻尾の付け根あたりに1〜2本の毒棘があります。キッチンバサミや出刃包丁を使って、毒棘の根元からしっかりと切り取ってください。切り取った毒棘はそのまま触れると危険ですので、新聞紙などに包んでから廃棄してください。この工程を省略することは絶対にいけません。必ず最初に毒棘を処理してから次の作業に進んでください。
【表面のぬめりを取る】
毒棘を除去したら、表面のぬめりを取り除きます。アカエイの表面にはぬめりがあり、そのままでは作業がしにくくなります。塩を表面にまんべんなく振りかけてからたわしや布でこするとぬめりが取れやすくなります。流水で洗い流してからキッチンペーパーで水気を拭き取ってください。
【尻尾と頭部を切り落とす】
ぬめりが取れたら、まず尻尾を根元から切り落とします。次に頭部にあたる部分(口のある側)を切り落とします。アカエイは軟骨魚類ですので硬い骨はなく、出刃包丁でスムーズに切り落とせます。
【内臓を取り出す】
頭部を切り落とした断面から内臓を取り出します。内臓をまとめてつかんで引き出し、腹の中に残った血合いを流水で丁寧に洗い流してください。アカエイの内臓は独特の臭みがありますので、しっかりと取り除くことが大切です。
【皮を剥ぐ】
内臓を取り除いたら皮を剥ぎます。アカエイの皮は厚くザラザラとした質感で、そのまま食べることはできません。端から包丁を皮と身の間に差し込み、皮を引っ張りながら剥がしていきます。皮が厚いため多少力が必要ですが、軟骨魚類なので身が崩れる心配は少なく比較的剥ぎやすいです。表面と裏面の両方の皮を剥いでください。
【ヒレと胴体に切り分ける】
皮を剥いだら、平たい胴体部分(ひし形の左右に広がった部分)を切り分けます。この部分が食用として主に使われる「エイのヒレ」です。胴体中央の軟骨に沿って包丁を入れ、左右のヒレを切り分けてください。切り分けたヒレはそのまま煮付けや唐揚げに使えます。
胴体中央部分も食べることができますが、軟骨が多いため煮付けにして軟骨ごと食べるのがおすすめです。軟骨はしっかり加熱することでコリコリとした独特の食感になり、これがアカエイの美味しさの一つです。
【捌くときに気をつけたいこと】
アカエイを捌く際の最大の注意点は毒棘です。捌く前に必ず毒棘を除去することを絶対に忘れないでください。また表面のぬめりで手が滑りやすいため、厚手のゴム手袋を着用して作業することを強くおすすめします。
アカエイは独特のアンモニア臭がすることがありますが、これは鮮度が落ちたサインではなく軟骨魚類に共通した特徴です。下処理をしっかり行い、酒や生姜を使って調理することで臭みを和らげることができます。
【アカエイの旬と市場での流通】
アカエイは周年流通していますが、旬は春から夏にかけてとされています。産地では昔から食用として親しまれており、特に茨城県や千葉県など関東以北の産地では煮付けが郷土料理として定着しています。市場では丸のまま、またはヒレの部分だけに加工された状態で流通することもあります。
【まとめ】
アカエイを捌く際に最も重要なのは、最初に必ず毒棘を除去することです。これを徹底した上で、表面のぬめりを塩でこすって取り除き、尻尾と頭部を切り落として内臓を取り出し、皮を剥いでヒレと胴体に切り分けるという手順で進めます。軟骨魚類ですので硬い骨がなく、手順さえ押さえれば意外とスムーズに捌けます。独特の見た目に圧倒されがちですが、煮付けや唐揚げにすると軟骨のコリコリとした食感と旨味が楽しめる美味しい魚ですので、ぜひ挑戦してみてください。魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
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アカエイの捌き方|独特な形の魚をさばくコツと注意点
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