ナメタガレイの捌き方|ぬめりの取り方から五枚おろしまで丁寧に解説

ナメタガレイという魚をご存じですか?正式名称はババガレイといい、東北地方では「ナメタガレイ」という呼び名で親しまれています。煮付けにすると絶品で、特に卵を持った個体は濃厚なうまみが加わり、東北の冬の食卓に欠かせない一品です。ただ、この魚には独特のぬめりがあって、慣れていないと捌くのに苦労することも多い。今回はそのぬめりの処理から五枚おろしまで、魚屋の視点で丁寧に解説していきます。
【ナメタガレイってどんな魚?】
ナメタガレイは日本海や太平洋北部に生息するカレイの一種で、体長は30〜50センチほどになります。名前の由来はその強いぬめりにあり、触るとヌルヌルとした感触が特徴的です。旬は秋から冬にかけてで、特に12月から2月にかけて卵を持った子持ちのものが市場に出回ります。この時期のナメタガレイは脂もしっかりのっていて、煮付けにしたときの味わいが格別です。
岸田さんの魚屋でも冬になると必ず仕入れる魚で、市場では産地によって値段が大きく変わります。三陸産や北海道産のものは特に人気が高く、問屋さんとの交渉でいかに良いものを適正な値段で仕入れられるかが勝負どころです。「これを買うからあっちも少し安くしてくれ」というセット交渉をしながら、できるだけお客さんに喜んでもらえる値段で提供できるよう毎朝頭を使っています。
【必要な道具】
ナメタガレイを捌くために用意するものは以下の通りです。出刃包丁、柳刃包丁(刺身にする場合)、まな板、ボウル、たわしまたはスポンジ、キッチンペーパーです。特にたわしはぬめり取りに重宝します。包丁はしっかり研いでおくと作業がスムーズになります。
【ナメタガレイの捌き方・手順】
ぬめりを取る
ナメタガレイを捌くうえで最初の関門がこのぬめり取りです。塩を表面にたっぷりとふりかけて、たわしでゴシゴシとこすります。両面はもちろん、ヒレの周りや頭の付け根など、ぬめりが残りやすい場所は念入りに処理してください。その後、流水でしっかり洗い流します。この工程を丁寧にやっておくだけで、その後の作業がかなり楽になります。魚屋では当たり前のようにやっていますが、家庭でやるときはこのひと手間を面倒くさがらないことが大事です。
うろこを取る
ナメタガレイのうろこは細かく、ぬめりと混ざっているため取りにくいことがあります。うろこ取りまたは包丁の背を使って、尾から頭の方向に向かってこそぎ取ります。有眼側(目がある方・茶色い側)と無眼側(白い側)の両面ともうろこを取ってください。取り終わったら再度水で洗い流します。
頭を落とす
まな板の上に魚を置き、胸ビレの付け根に沿って斜めに包丁を入れて頭を落とします。カレイは頭が大きく、内臓もこの工程と一緒に取り出しやすい構造になっています。頭を落としたら腹の部分から内臓をかき出し、血合いも丁寧に取り除きます。血合いは臭みの原因になるため、指やスプーンを使ってしっかり取り切ることが大切です。流水で洗って内部もきれいにしておきます。
五枚おろしにする
カレイは五枚おろしが基本です。上身2枚、下身2枚、中骨1枚の計五枚に分けます。
まず、有眼側を上にしてまな板に置きます。背骨の中心線に沿って頭側から尾に向かって切り込みを入れます。次に背ビレ側から包丁を寝かせるように入れ、骨に沿わせながら身を骨からはがしていきます。背ビレ側が終わったら腹ビレ側も同様に骨からはがします。これで上身が2枚取れます。
裏返して無眼側も同じ手順で繰り返し、下身を2枚取ります。残った中骨は出汁を取るのに使えるので、捨てずにとっておくのがおすすめです。
皮を引く(必要な場合)
煮付けにする場合は皮ごと調理して構いません。刺身や昆布締めにする場合は皮を引きます。尾側から包丁を入れて皮と身の間に刃を走らせ、皮をしっかり引っ張りながらゆっくりと進めます。ナメタガレイの身は柔らかいので、力を入れすぎると崩れることがあります。焦らずゆっくりやるのがコツです。
【捌いた後の処理と保存】
捌いた身はキッチンペーパーでしっかり水気を取ってから保存します。当日中に使わない場合はラップで密封して冷蔵庫へ。2〜3日以内に使い切るのが理想です。冷凍する場合は一切れずつラップで包んでからジッパー付き保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍してください。解凍は冷蔵庫でゆっくり行う塩水解凍が身崩れしにくくておすすめです。
中骨は冷凍しておいて、まとまったら潮汁や味噌汁の出汁として使うと無駄がありません。魚屋の現場では「捨てるところがない」という感覚で魚と向き合うのが基本です。
【ナメタガレイはプロに頼んでもOK】
ナメタガレイのぬめり取りや五枚おろしは、慣れていないとかなり時間がかかります。お客さんの中には「自分でやるのは難しそう」と遠慮して切り身だけ買って帰る方もいますが、魚屋に「おろしてください」と一言伝えてもらえれば喜んでやります。1尾でも10尾でも、それが仕事です。遠慮せずに声をかけてください。
【まとめ】
ナメタガレイの捌き方で最初に押さえておきたいのはぬめり取りです。塩とたわしで丁寧にこすり落としておくだけで、その後の作業が格段に楽になります。うろこを取って頭を落とし、内臓と血合いをきれいに処理したら、あとは骨に沿って五枚おろしにするだけです。カレイ系の魚は五枚おろしが基本になるので、この機会にぜひ身につけてください。旬の時期に手に入れた子持ちのナメタガレイを自分で捌いて煮付けにする体験は、きっと忘れられないおいしさになるはずです。
捌き方の動画はおととチャンネルでも解説しています。ぜひチャンネル登録して参考にしてみてください。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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