ウスバハギは鮮度の落ちが早い魚のひとつです。せっかく新鮮なものを手に入れても、保存の仕方を間違えるとすぐに味が落ちてしまいます。今回は魚屋の視点からウスバハギの正しい下処理と保存方法を詳しく解説していきます。
【ウスバハギは鮮度が命の魚】
ウスバハギはカワハギの仲間ですが、カワハギと比べて身が水っぽくなりやすい特徴があります。特に内臓を残したまま放置すると、内臓から出る消化酵素が身に回り、急速に鮮度が落ちていきます。買ってきたらできるだけ早く下処理をすることが大切です。
魚屋として毎朝4時前に市場へ仕入れに行きますが、ウスバハギのような鮮度劣化の早い魚は特に目利きが重要です。目が澄んでいるか、エラが鮮やかな赤色をしているか、身に張りがあるかを必ず確認してから仕入れます。市場でも問屋さんによって鮮度にばらつきがあるため、長年の付き合いで信頼できる問屋さんから優先的に仕入れるようにしています。良い魚が入ったときに声をかけてもらえる関係を築いておくことが、お客さんに良い魚を届けるための一番の近道なのです。
【下処理の手順】
①購入後すぐに内臓を取り除く
ウスバハギを購入したらまず最初に内臓を取り除くことが最優先です。捌き方の記事でも解説していますが、皮を剥いで頭を落とし、腹を開いて内臓を丁寧に取り出してください。このとき肝の苦玉を破らないように注意しましょう。
②流水でしっかり洗う
内臓を取り除いたら流水で腹の中をしっかり洗います。血合いや残った内臓の破片をきれいに洗い流してください。洗い終わったらキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ることが大切です。水気が残っていると雑菌が繁殖しやすくなります。
③肝の下処理
肝は塩水に5分ほど浸けて血抜きをしてから、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。使う日が翌日以降であれば、ラップで包んで冷蔵庫の一番冷たい場所に保管してください。肝は鮮度が落ちるのが非常に早いため、できれば当日中に使い切るのが理想です。
【冷蔵保存の方法】
下処理が終わった身はキッチンペーパーで包み、さらにラップで包んでから冷蔵庫に入れてください。このときポイントになるのがキッチンペーパーの役割です。身から出てくるドリップ(水分)をキッチンペーパーが吸収してくれるため、身が水っぽくなるのを防いでくれます。保存期間は冷蔵で2日以内を目安にしてください。
三枚おろしにした状態で保存する場合も同様に、キッチンペーパーで包んでからラップで密閉します。刺身で食べる場合は当日か翌日までに使い切るようにしましょう。
【冷凍保存の方法】
すぐに食べない場合は冷凍保存が便利です。三枚おろしにした状態で1枚ずつラップで包み、ジッパー付きの保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍してください。冷凍での保存期間は約2〜3週間が目安です。
解凍するときは冷蔵庫に移して自然解凍するのがおすすめです。急いでいるときは流水解凍も使えますが、電子レンジでの解凍は身が傷みやすくなるため避けてください。解凍後は早めに使い切りましょう。
肝は冷凍には向かないため、新鮮なうちに食べ切るのが基本です。どうしても余った場合は醤油と混ぜた肝醤油の状態で冷凍するという方法もありますが、風味は落ちます。
【アラの保存と活用】
捌いたときに出た頭や中骨などのアラも捨てずに保存しましょう。すぐに使わない場合はラップで包んで冷凍保存できます。アラは鍋の出汁や味噌汁に使うと非常に美味しい出汁が取れます。魚屋では「魚は全部使い切る」が基本の考え方です。アラを捨ててしまうのは本当にもったいないので、ぜひ活用してください。
【まとめ】
ウスバハギは鮮度の落ちが早い魚のため、購入後すぐに内臓を取り除くことが最も大切な下処理になります。身はキッチンペーパーで包んで冷蔵保存し、2日以内に食べ切るのが理想です。すぐに食べない場合は三枚おろしの状態で冷凍しておけば2〜3週間保存できます。肝は特に傷みが早いため当日中の使用を心がけ、アラも出汁として最後まで活用することで一匹を余すところなく美味しくいただけます。正しい保存方法を身につけて、ウスバハギの美味しさを最大限に楽しんでください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。ぜひチャンネル登録してご覧ください🐟✨
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ウスバハギの保存方法と下処理|鮮度を保つコツを魚屋が解説
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