キダイという魚をご存じでしょうか。正式名称はキダイですが、市場や魚屋では「レンコダイ」という名前で親しまれています。マダイに比べると小ぶりで価格も手頃なため、魚屋の店頭では意外と出番の多い魚です。魚屋を20年以上続けてきた中で、レンコダイは「庶民の鯛」として根強い人気があると感じています。お客さんの中にも「マダイは高くて手が出ないけどレンコダイなら買える」とおっしゃる方が多く、魚屋としてもおすすめしやすい魚の一つです。
【キダイ(レンコダイ)とはどんな魚か】
キダイはタイ科に属する魚で、マダイ・チダイ・ヘダイなどと同じ仲間です。体色は薄いピンクがかった赤で、マダイよりも全体的に黄みがかっているのが名前の由来です。「黄鯛」と書いてキダイと読みます。市場では関西を中心に「レンコダイ」という呼び名が定着しており、全国的にもこちらの名前で流通していることが多いです。
大きさはマダイと比べると一回り小さく、成魚でも30センチ前後のものが多いです。小ぶりなぶん捌きやすく、一人暮らしや少人数の家庭にもちょうどよいサイズです。旬は秋から冬にかけてで、この時期は脂がのって特に美味しくなります。
【キダイを捌く前に用意するもの】
キダイを捌くにあたって、まず道具を揃えておきましょう。出刃包丁・柳刃包丁・まな板・ウロコ取り・キッチンペーパーがあれば十分です。出刃包丁はキダイのサイズに合わせて小出刃でも問題ありません。魚屋では小さめの魚には小出刃を使うことが多く、扱いやすさが全然違います。まな板は魚のサイズより一回り大きいものを使うと作業がしやすいです。
【ウロコの取り方】
まず最初にウロコを取ります。キダイのウロコは比較的取りやすい部類ですが、ヒレの付け根や頭に近い部分は取り残しやすいので注意が必要です。ウロコ取りを尾から頭に向かって動かしながら全体をまんべんなく取っていきます。
ウロコを取るときは流し台の中で作業するか、新聞紙の上で行うと飛び散りが少なくて済みます。魚屋では毎日大量のウロコ取りをするので、飛び散りを防ぐ工夫は自然と身についていきます。ウロコが全部取れたら水でさっと洗い流しましょう。
【頭の落とし方】
ウロコが取れたら頭を落とします。胸ビレの付け根に沿って包丁を入れ、斜めに切り落とします。キダイは骨がそれほど硬くないので、小出刃でも問題なく切れます。頭を落としたら内臓も取り出します。腹に包丁を入れて内臓をかき出し、血合いの部分を歯ブラシや指でしっかり洗い落とします。この血合いを丁寧に取り除くことが臭みのない仕上がりにつながります。
【三枚おろしの手順】
頭と内臓を取り除いたら三枚おろしにします。まず背側から包丁を入れます。背骨に沿って尾から頭方向に包丁を滑らせるように引いていきます。次に腹側からも同様に包丁を入れ、背骨から身を外します。反対側も同じ手順で行えば三枚おろしの完成です。
キダイは身が柔らかいので、包丁を押しつけず引くように使うのがコツです。力を入れすぎると身が崩れてしまいます。魚屋で長年働いていると、魚ごとに力加減が自然と変わってきます。キダイは優しく丁寧に扱うのが基本です。
【腹骨と血合い骨の処理】
三枚におろしたら腹骨をすき取ります。包丁を寝かせて腹骨の下に滑り込ませるように薄くすき取ります。次に血合い骨を取り除きます。血合い骨は身の中央に一列に並んでいます。骨抜きで一本ずつ丁寧に抜いていくか、血合い骨の両脇に包丁を入れてV字に切り取る方法もあります。刺身にする場合は骨抜きで丁寧に取る方がきれいな仕上がりになります。
【皮引きの方法】
刺身や皮なしで使いたい場合は皮を引きます。尾側の端に包丁を入れて皮と身の間に刃を滑り込ませ、皮を引っ張りながら包丁を前後に小さく動かして進めていきます。キダイの皮は薄めなので、力を入れすぎると途中で切れてしまいます。ゆっくり丁寧に引くのがポイントです。
一方でキダイは皮目に旨味があるため、松皮造りや湯霜造りにして皮ごと食べる方法もとても美味しいです。捌いた後の食べ方によって皮を引くかどうか決めると良いでしょう。
【捌いた後の保存方法】
捌いたキダイはキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ってからラップで包み、冷蔵庫で保存します。当日中に食べない場合は冷凍保存がおすすめです。冷凍する際も水気をしっかり取ることが鮮度を保つ上で大切です。
【まとめ】
キダイ(レンコダイ)はマダイと比べて手頃な価格で手に入りやすく、捌き方もそれほど難しくない魚です。ウロコを丁寧に取り、血合いをしっかり洗い流すことで臭みのない美味しい仕上がりになります。三枚おろしにすれば刺身・煮付け・塩焼きなど様々な料理に使えます。魚屋20年の経験から言っても、レンコダイはコスパの良さと美味しさを兼ね備えた素晴らしい魚です。ぜひ一度挑戦してみてください。
実際の捌き方を動画でも確認できます。おととチャンネルでレンコダイの捌き方を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
https://youtu.be/h7zgsI4ckzo
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
