【シイラってどんな魚?】
シイラは熱帯・亜熱帯の海に生息する大型の魚で、体長1メートルを超えるものも珍しくない迫力のある魚です。オスは頭部が垂直に張り出した独特の形をしており、一度見たら忘れられないインパクトのある見た目をしています。英語では「マヒマヒ」と呼ばれており、ハワイ料理でも広く使われている魚です。
日本では夏から秋にかけて旬を迎えます。沖縄や高知・三重など太平洋側の地域では古くから親しまれている魚ですが、内陸部ではあまり馴染みがないという方も多いかもしれません。鮮魚店や道の駅などで見かけることがあります。
身は白身で淡白な味わいがあり、ムニエルやソテーなど洋風料理との相性が特に抜群です。大型魚なので捌くと身の量が多く、一匹で家族全員分の料理が作れるほどのボリュームがあります。
ただしシイラは鮮度の低下が早い魚として知られています。購入したらできるだけ早めに捌いて調理することが大切です。今回はシイラの捌き方を丁寧に解説します。
【捌く前の準備】
シイラは大型魚なので、大きめのまな板と出刃包丁を用意してください。シイラの体長によっては通常のまな板に収まらないこともあります。その場合はまな板を二枚並べるか、新聞紙をまな板代わりにして作業する方法もあります。
シイラのうろこは非常に細かくてびっしりついています。うろこ取りを用意しておくとスムーズに作業できます。また背びれと腹びれには鋭いトゲがあるので、キッチンバサミで事前に切り落としておくと安全に作業できます。
シイラは表面にぬめりがあります。塩をまぶして手でこすってからよく洗い流すとぬめりが取れて作業しやすくなります。
【うろこを取る】
シイラのうろこは細かくてびっしりついているため、しっかり取り除くことが大切です。うろこ取りを使って尾から頭に向かってこすります。シイラは体が大きいので時間がかかりますが丁寧に取り除いてください。
特に背中側と腹側の境目あたりはうろこが取りにくいので念入りに処理しましょう。うろこが飛び散りやすいのでシンクの中で作業するか、大きめのビニール袋の中に入れてこすると後片付けが楽になります。
うろこを取り終わったら流水でよく洗い流しておきます。
【頭を落とす】
うろこを取り終わったら頭を落とします。シイラは頭が大きくて骨も太いので、出刃包丁を使ってしっかり力を入れて切り落とします。
胸びれの付け根に沿って包丁を入れます。シイラの頭骨は硬くて太いので一度で切り落とせないことがあります。無理に力を入れず包丁を前後に動かしながら少しずつ切り進めてください。包丁の背をトントンと叩いて力を加えると切りやすくなります。
落とした頭はアラとして味噌汁や出汁に使えます。シイラの頭は旨味が強いので捨てずに活用してください。
【内臓を取り除く】
頭を落とした断面からお腹に向けて包丁を入れてお腹を開きます。シイラは内臓が大きいので取り出しやすいです。内臓を取り出したら背骨の近くにある血合いを歯ブラシや指でしっかりこすり取ります。
シイラの血合いは量が多めなので丁寧に処理することが大切です。血合いが残ると臭みの原因になります。内臓と血合いを取り除いたら流水でよく洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。
【三枚おろしにする】
シイラは体が大きいので三枚おろしにするときは包丁を何度かに分けて動かすのがコツです。一度に長く引こうとすると途中で包丁が止まってしまうことがあるので、少しずつ確実に進めていくことを意識してください。
①背側から包丁を入れる
シイラをまな板に置き背びれに沿って包丁を入れます。背骨に当たる感触を確認しながら包丁を中骨に沿わせるように頭側から尾側に向けてゆっくり切り進めます。シイラは体が厚いので包丁をしっかり中骨に押しつけながら作業することが大切です。
②腹側からも包丁を入れる
次に腹側からも同じように包丁を入れます。腹骨の形を確認しながら丁寧に包丁を走らせてください。腹骨に沿って包丁を入れることで身が骨に残らずきれいに外せます。
③身を外す
背側と腹側から包丁を入れたら中骨から身を外します。シイラの中骨は太くてしっかりしているので骨に沿って丁寧に包丁を走らせることが大切です。
④反対側も同様に
裏返して同じ手順で反対側の身も外せば三枚おろしの完成です。シイラは大型魚なのでかなり大きな身が取れます。
【腹骨と小骨を取る】
三枚おろしにした身には腹骨が残っているので包丁でそぎ取ります。シイラの腹骨はしっかりしているので深めに包丁を入れてしっかりそぎ取ってください。
小骨は骨抜きで一本ずつ取り除きます。シイラの小骨は比較的少なめですが、刺身にする場合は丁寧に取り除いてください。身に指を当てて骨の位置を確認しながら作業すると効率よく取れます。
【シイラの身の特徴と注意点】
シイラの身は非常に水分が多くて柔らかいのが特徴です。鮮度の低下が早い魚なので、捌いたらできるだけ早く調理することをおすすめします。
また身の色が黄色みがかっていることがありますが、これはシイラの特徴であり異常ではありません。ただし鮮度が落ちると身がくすんだ色になってくるので注意してください。
シイラは大型魚なので身の量がとても多いです。一度に使いきれない場合は、使う分だけ取り分けて残りはキッチンペーパーに包んでラップをしてから冷蔵庫で保存し、当日中か翌日には使い切るようにしましょう。
【シイラの美味しい食べ方】
ムニエル
シイラの最もおすすめの食べ方がムニエルです。切り身に塩こしょうをして薄力粉をまぶし、バターでこんがり焼き上げます。淡白な白身にバターの香りが加わることで絶品の一品になります。レモンを絞ってさっぱりと食べるのがおすすめです。ハワイでマヒマヒのムニエルが定番料理として愛されているのも納得の美味しさです。
ソテー
オリーブオイルとにんにくで焼き上げるソテーも絶品です。トマトやズッキーニなどの夏野菜と合わせると彩りも美しく仕上がります。ハーブを加えると南イタリア風の雰囲気になります。
唐揚げ
一口大に切った身を唐揚げにするとサクサクした食感で子どもから大人まで楽しめます。淡白な味わいなのでポン酢や塩レモンでさっぱりと食べるのがおすすめです。
竜田揚げ
醤油・みりん・生姜で下味をつけてから片栗粉をまぶして揚げる竜田揚げも美味しいです。ご飯のおかずにもお弁当にもぴったりの料理です。
刺身
非常に新鮮なシイラは刺身でも食べられます。ただし鮮度の低下が早い魚なので刺身にする場合は入手してすぐに処理することが絶対条件です。淡白でさっぱりとした味わいの白身はわさび醤油でシンプルに食べるのが一番美味しいです。
【魚屋から一言】
シイラは見た目のインパクトと大きさから手を出しにくいと感じる方も多い魚ですが、捌き方は基本的に他の魚と同じです。大型魚なので最初は戸惑うかもしれませんが、順番に丁寧に作業すれば必ず捌けます。
夏に旬を迎えるシイラはムニエルやソテーなど洋風料理との相性が抜群です。暑い夏の食卓に映える料理が作れる魚として、鮮魚店で見かけたときはぜひ挑戦してみてください。
捌き方の詳しい手順はおととチャンネルで解説しています。ぜひチャンネルも覗いてみてください!
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
シイラの捌き方
捌き方