ツブ貝は居酒屋や寿司屋でおなじみの貝ですが、家庭でさばこうとすると「どうやって身を取り出せばいいのかわからない」という声をよく聞きます。魚のように三枚におろすわけではありませんが、貝ならではのコツを知っておくことで、きれいに身を取り出して美味しく食べられます。今回は魚屋の現場での経験をもとに、ツブ貝の開き方と下処理の手順をわかりやすくお伝えします。
ツブ貝の捌き方はYouTubeでも動画で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
【ツブ貝とはどんな貝か】
ツブ貝という名前は特定の一種を指すのではなく、エゾバイ科などに属する巻き貝の総称として使われています。市場に出回るものの多くは北海道産のエゾボラやヒメエゾボラで、産地では「ツブ」と呼ばれて親しまれています。身がしっかりしていてコリコリとした食感が特徴で、磯の旨みが凝縮された濃厚な味わいが人気です。うちの魚屋でも北海道から仕入れたツブ貝を取り扱うことがあり、店頭に並べると目の肥えた常連のお客さんがすぐに手に取っていきます。
【ツブ貝のさばき方・身の取り出し方】
ツブ貝の身を取り出す方法はいくつかありますが、最もシンプルなのが「ゆでてから取り出す」方法です。まず鍋にツブ貝を入れ、貝がかぶるくらいの水を加えて中火にかけます。沸騰したら弱火にして10分から15分ほどゆでてください。ゆでることで身が殻から少し縮み、取り出しやすくなります。
ゆで上がったらツブ貝を取り出し、粗熱を取ります。竹串や爪楊枝を殻の口から身に刺し、くるくると回しながらゆっくり引き出すのがコツです。力任せに引っ張ると身が途中で切れてしまうので、回しながら少しずつ引き出すことを意識してください。うまくいくと身が一本につながった状態できれいに取り出せます。
【生のツブ貝を殻から取り出す方法】
刺身や炒め物に使いたい場合など、生の状態で身を取り出したいときはハンマーや石などで殻を割る方法があります。ただし殻を割ると身が傷つきやすいので、慣れないうちはゆでてから取り出す方法のほうが確実です。店では生の状態で提供することもありますが、殻を割るときは身に当たらないよう慎重に作業しています。
【下処理・唾液腺の除去が重要】
ツブ貝の下処理で必ず行ってほしいのが唾液腺の除去です。ツブ貝にはテトラミンという毒素を含む唾液腺があり、これを除去せずに食べると食中毒を引き起こす可能性があります。症状としては食後30分から1時間で頭痛・めまい・ふらつきなどが現れることがあります。必ず取り除いてから調理してください。
唾液腺は身を取り出した後に確認できます。身の中ほどにある乳白色または黄色みがかった小さな粒状のものが唾液腺です。指でつまんで引き離すか、包丁の先で取り除いてください。小さいですが必ず除去する習慣をつけることが大切です。
【身の処理と食べられる部位】
唾液腺を除去した後は、身の先端にある黒っぽい部分(内臓)を取り除きます。コリコリとした食感の身の部分と、少しやわらかいひも状の部分はどちらも食べられます。ひも状の部分も旨みがあるので、捨てずに活用するのがおすすめです。処理が終わった身は流水でさっと洗い、水気を拭き取れば調理に使える状態になります。
【まとめ】
ツブ貝は唾液腺の除去さえしっかり行えば、あとはシンプルな手順で身を取り出せます。ゆでてから竹串でくるくると回しながら引き出すのが、家庭でも失敗しにくい基本の方法です。唾液腺は必ず取り除き、安全においしくツブ貝を楽しんでください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
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