エボダイの捌き方!魚屋が教えるさばき方の手順とコツ

エボダイは正式にはイボダイと呼ばれ、干物や煮付けでおなじみの上品な白身魚です。体が小さく身が柔らかいため、いざ自分で捌こうとすると意外と難しく感じる魚でもあります。表面のぬめりや小さなうろこの処理、繊細な身を崩さずに三枚におろすコツなど、押さえておきたいポイントがいくつもあります。今回は魚屋の現場での経験をもとに、エボダイの捌き方の手順とコツを丁寧にご紹介します。
エボダイの捌き方をYouTubeでも動画で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
【刺身にしていく様子】https://youtu.be/SmFSOY5VH6Y
【煮付け用・干物用に開いた様子】https://youtu.be/rlf_rv7a0oc
【エボダイを捌く前の下準備】
エボダイを捌くときにまず大切なのが、扱う前の下準備です。エボダイは体の表面にぬめりが多く、そのまま手に取るとつるつると滑って包丁が入れにくくなります。捌く前にしっかりと水で洗い流し、ぬめりを落としておくことが第一歩です。うちの魚屋では、身の柔らかい魚を捌くときほど下準備を丁寧にするようにしています。下準備をきちんとしておくだけで、その後の作業の仕上がりが大きく変わってくるからです。まな板や包丁が滑らないよう、布巾を近くに用意しておくと安心して作業に取りかかれます。
【ぬめりとうろこの処理】
エボダイのぬめりは、塩を軽く振って手でこすり、もう一度水で洗い流すときれいに落ちます。うろこは非常に細かく薄いため、包丁の刃先で軽くなでるように落とすか、表面をこするだけでもほとんど取れてしまいます。大きな魚のように力を入れてうろこを引く必要はなく、むしろ力を入れすぎると柔らかい身を傷つけてしまうので注意が必要です。店ではエボダイのうろこを落とすとき、優しくなでるような感覚で処理しています。この一手間で口当たりがぐっと良くなり、干物にしても煮付けにしても仕上がりがきれいになります。
【頭を落として内臓を取る】
うろことぬめりを処理したら、次は頭を落として内臓を取り出します。胸びれの後ろあたりから包丁を斜めに入れ、頭を切り落とします。エボダイは骨も比較的柔らかいので、無理に力を入れなくてもすっと刃が入っていきます。続いて腹に浅く包丁を入れ、内臓をかき出して流水で腹の中を丁寧に洗います。血合いの部分は臭みの原因になるので、指先や竹串を使ってしっかりと取り除いておきます。この内臓処理を丁寧にやっておくことが、後の料理での味わいを左右する大切なポイントになります。
【三枚おろしの手順】
刺身やフライにする場合は三枚おろしにします。腹を手前にして、中骨に沿って包丁を寝かせ気味に入れていきます。エボダイは身が薄く柔らかいので、一気に切ろうとせず、骨の上を滑らせるように少しずつ刃を進めるのがコツです。背側と腹側の両方から切り込みを入れると、中骨から身がきれいに外れます。反対側も同じように包丁を入れれば三枚おろしの完成です。慣れないうちは身が崩れやすいので、よく切れる包丁を使い、刃の重さを利用してそっと引くように切ると失敗しにくくなります。
【干物用の開き方】
エボダイは干物の定番魚でもあります。干物にする場合は、背開きか腹開きにして一枚に広げます。背中側から中骨に沿って包丁を入れ、骨を中心に左右へ開いていきます。エボダイのように身が薄い魚は、開いたときに身が破れやすいので、刃をしっかり骨に当てながらゆっくり進めるのがポイントです。開いたあとは内臓と血合いをきれいに取り除き、水気を拭き取れば塩を振る準備が整います。うちの魚屋でも、エボダイの干物を求めて来られるお客さんは多く、その場で開いてお渡しすることもよくあります。
【小さい魚を捌くコツ】
エボダイのような小ぶりで身の柔らかい魚を捌くときは、大きな魚とは違う感覚が必要です。最も大切なのは、よく切れる包丁を使うことです。切れ味の鈍い包丁では身を押しつぶしてしまい、せっかくの繊細な身が台無しになってしまいます。また、力任せに切るのではなく、包丁の刃を滑らせるように使うことで、柔らかい身もきれいに切り分けられます。店では小さな魚ほど包丁の切れ味と手の優しさが仕上がりを決めると考えており、日頃から包丁の手入れを欠かさないようにしています。
【骨と皮の扱い】
エボダイは骨が柔らかく、小骨も少ないため、家庭でも扱いやすい魚です。三枚におろしたあとの皮は、刺身にする場合は包丁で引いて取り除きます。皮目を下にしてまな板に置き、尾の方から包丁を寝かせて皮と身の間に刃を入れ、皮を引っ張りながら滑らせると薄くきれいに引けます。フライや煮付けにする場合は皮をつけたままでも美味しくいただけます。皮にも旨みがあるので、料理によって使い分けると良いでしょう。
【まとめ】
エボダイは身が柔らかく骨も少ないため、コツさえつかめば家庭でも扱いやすい魚です。捌く前のぬめりとうろこの処理を丁寧に行い、よく切れる包丁で優しく刃を進めることが、きれいに仕上げる一番の秘訣です。三枚おろしにすれば刺身やフライに、背開きや腹開きにすれば定番の干物にと、捌き方ひとつで幅広い料理に展開できます。柔らかい身を崩さないよう、力を入れすぎず丁寧に作業することを心がけてみてください。なお、刺身など生で食べる場合は、アニサキスがいる魚介類は一度マイナス18度以下で24時間冷凍して下さい。新鮮なエボダイを上手に捌いて、ぜひその上品な味わいを楽しんでみてください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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