魚屋が教えるアクアパッツァの作り方

【アクアパッツァとはどんな料理か】
アクアパッツァとはイタリア語で「狂った水」という意味を持つ南イタリア発祥の魚料理です。魚と貝類をオリーブオイルと白ワイン・水で蒸し煮にするシンプルな料理ですが、魚介類の旨味が溶け出したスープが絶品で、見た目も華やかなことからおもてなし料理としても人気があります。
フライパンひとつで作れてしまう料理なのに仕上がりがとても豪華に見えるのがアクアパッツァの魅力です。魚を丸ごと使うと食卓がぐっと華やかになり、特別な日の料理としても活躍します。
魚屋として長年働いていると「アクアパッツァを作りたいのでおすすめの魚を教えてください」というお客さんが増えてきました。本格的に見えて実はとても簡単に作れるので、魚料理に挑戦したい方にぜひおすすめしたい料理です。今回は魚屋目線でアクアパッツァに合う魚の選び方から作り方のコツまで丁寧に解説します。
【アクアパッツァに合う魚の選び方】
アクアパッツァは白身魚との相性が抜群です。淡白な白身魚は蒸し煮にすることでふっくらと仕上がり、旨味がスープに溶け出してより美味しくなります。
タイ(真鯛)
アクアパッツァの定番食材です。丸ごと一匹使うと見た目が非常に華やかになり、鯛の上品な旨味がスープ全体に広がります。おもてなし料理に最適な組み合わせです。
スズキ
淡白でくせのないスズキはアクアパッツァにぴったりです。身がふっくらと仕上がり、スープとの相性も抜群です。夏が旬なので夏のおもてなし料理として最適です。
カサゴ・メバル
小ぶりの根魚はアクアパッツァに丸ごと使うのがおすすめです。骨から旨味が溶け出してスープが非常に濃厚になります。見た目もインパクトがあって食卓が盛り上がります。
タラ
冬が旬のタラはアクアパッツァにすると身がふっくらと柔らかく仕上がります。淡白な旨味が貝類の旨味と合わさって上品な味わいになります。
【材料(2人分)】
・白身魚(タイなど) 1尾または切り身2切れ
・あさり 200g
・ミニトマト 8〜10個
・にんにく 2かけ
・オリーブオイル 大さじ3
・白ワイン 100ml
・水 100ml
・塩・こしょう 少々
・イタリアンパセリ 適量
・ブラックオリーブ(あれば) 適量
・ケッパー(あれば) 小さじ1
【作り方】
①魚の下処理をする
魚を丸ごと使う場合はうろこと内臓を取り除き、流水でよく洗って水気をキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。両面に塩を振って10分ほど置き、出てきた水分を再びキッチンペーパーで拭き取ります。
火の通りをよくするために、魚の両面に2〜3本の切り込みを入れておきます。切り込みを入れることで味が染み込みやすくなり、火も均一に通るようになります。
②あさりの砂抜きをする
あさりは3パーセントの塩水(水500mlに対して塩15g)に浸けて暗い場所で1〜2時間砂抜きをします。砂抜きが終わったらあさり同士をこすり合わせてよく洗います。
③魚に焼き色をつける
フライパンにオリーブオイル大さじ2を熱し、魚の両面をこんがりと焼きます。強めの中火で片面2〜3分ずつ焼いて焼き色をつけてから一度取り出します。この工程を省かずに行うことで魚の旨味が閉じ込められ、皮もパリッとした仕上がりになります。
④香味野菜を炒める
同じフライパンに残りのオリーブオイル大さじ1を足し、薄切りにしたにんにくを弱火でじっくり炒めます。にんにくがきつね色になって香りが立ってきたら半分に切ったミニトマトを加えてさっと炒めます。
⑤蒸し煮にする
炒めたミニトマトの上に焼き色をつけた魚を戻し入れます。あさりとブラックオリーブ・ケッパーを加えてから白ワインを回しかけます。アルコールが飛んだら水を加えてふたをして中火で10〜15分蒸し煮にします。
蒸し煮の時間は魚の大きさによって調整してください。切り身の場合は8〜10分程度で十分です。丸ごと一匹の場合は15分程度が目安です。
⑥仕上げ
あさりの口が全て開いたら塩とこしょうで味を調えます。仕上げにイタリアンパセリを散らして完成です。スープの味を見て薄い場合は塩を足し、酸味が強い場合は水を少し足して調整してください。
【美味しく作るためのコツ】
必ず魚に焼き色をつける
魚を蒸し煮にする前に焼き色をつける工程は絶対に省かないでください。この工程があることで魚の旨味が閉じ込められてスープに濁りが出にくくなります。また皮がパリッとした食感になり、蒸し煮にしても形が崩れにくくなります。
白ワインのアルコールをしっかり飛ばす
白ワインを加えたら必ずアルコールをしっかり飛ばしてから次の工程に進んでください。アルコールが残っているとスープに独特の風味が残ってしまいます。白ワインを加えてから30秒〜1分程度強火にするとアルコールが飛びます。
スープを大切にする
アクアパッツァの最大の魅力は魚と貝類の旨味が溶け出したスープです。残ったスープはパンに浸けて食べたりパスタソースとして使ったりすると最後まで美味しく楽しめます。スープを残さず食べ切ることがアクアパッツァの正しい楽しみ方です。
食材のバランスを考える
アクアパッツァはシンプルな料理なので使う食材の質が仕上がりに直結します。新鮮な魚と良質なオリーブオイルを使うことが美味しいアクアパッツァを作るための基本です。白ワインも料理用のものより飲んで美味しいものを使う方が仕上がりが良くなります。
【アレンジのアイデア】
和風アクアパッツァ
白ワインの代わりに日本酒を使い、オリーブオイルの代わりにごま油を少量加えると和風テイストのアクアパッツァになります。醤油を数滴たらすと風味がさらに引き立ちます。
トマト増量版
ミニトマトを多めに使ったり缶詰のホールトマトを加えたりするとトマトの酸味が強い濃厚な仕上がりになります。パスタソースとして使いやすいアレンジです。
根菜入りアクアパッツァ
じゃがいもやズッキーニなどの野菜を加えると食べ応えが増してメインディッシュとしてより満足感のある一皿になります。野菜は火が通りやすいように小さめに切ってから加えてください。
【魚屋から一言】
アクアパッツァは一見難しそうに見えますが、手順はとてもシンプルです。フライパンひとつで作れて洗い物も少なく、見た目が華やかなのでおもてなしにも普段の夕食にも大活躍する料理です。
魚を丸ごと一匹使うと食卓がぐっと豪華になります。特別な日の食事に旬の魚を丸ごと使ったアクアパッツァをぜひ作ってみてください。残ったスープでパスタを作ると翌日も楽しめますよ。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。ぜひチャンネルも覗いてみてください!
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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