イトヨリダイの捌き方

イトヨリダイは赤みがかった美しい体色と、尾びれから伸びる糸状の細長いひれが特徴的な魚です。見た目の華やかさから贈答用にも使われる高級魚ですが、捌き方はそれほど難しくありません。魚屋が丁寧に手順を解説しますので、ぜひ挑戦してみてください。
【イトヨリダイとはどんな魚か】
イトヨリダイはスズキ目イトヨリダイ科に属する魚で、体側に黄色い縦縞が入り、尾びれの上端から糸状に伸びたひれが名前の由来になっています。体色は淡いピンクから赤みがかった白色で、見た目が非常に美しい魚です。体長は30センチから40センチ程度のものが多く、大きすぎず扱いやすいサイズです。
身は白身で柔らかく、上品な甘みとうま味があります。皮目に独特の風味があり、皮ごと調理する湯霜造りや松皮造りとの相性が抜群です。刺身・蒸し物・塩焼き・煮付けなど幅広い料理に使える魚で、料理屋でも人気の食材です。
【捌く前に準備するもの】
出刃包丁、刺身包丁(柳刃)、まな板、ウロコ取り、キッチンペーパー、骨抜きを用意してください。イトヨリダイは身が柔らかいため、できるだけ切れ味の良い包丁を使うことが大切です。包丁が切れないと身が崩れやすくなるので、事前に砥石や包丁研ぎで刃を整えておきましょう。また糸状のひれは作業中に指に絡まりやすいので、あらかじめキッチンバサミでカットしておくと作業がスムーズになります。
【イトヨリダイの捌き方】
ウロコを取る
流水でイトヨリダイ全体を軽く洗い、ぬめりを落とします。まな板に置いたら尾から頭に向かってウロコ取りを動かし、ウロコを丁寧に取り除きます。イトヨリダイのウロコは比較的取りやすいですが、ヒレの周辺や腹の部分は残りやすいので念入りに確認してください。皮が薄くデリケートな魚なので、力を入れすぎて皮を傷つけないよう注意しながら作業しましょう。湯霜造りや松皮造りにする場合は特に皮を大切に扱ってください。
頭を落とす
ウロコが取れたら胸ビレの付け根に沿って斜めに包丁を入れ、頭を落とします。イトヨリダイは骨がそれほど硬くないため、出刃包丁でスムーズに切り落とせます。頭はアラとして潮汁や味噌汁に使えるので、捨てずに取っておきましょう。うま味の強い出汁が取れます。
内臓を取り出す
頭を落とした断面から包丁を入れ、腹を肛門まで切り開きます。内臓をまとめてつかんで取り出し、腹の中の血合いを指や歯ブラシで丁寧にこすり落とします。イトヨリダイは内臓が小さくまとまっているため、比較的きれいに取り出しやすい魚です。血合いは臭みの原因になるので流水でしっかり洗い流してください。洗い終わったらキッチンペーパーで水気を丁寧に拭き取ります。
三枚おろしにする
まず背中側から包丁を入れます。背骨に沿って頭側から尾に向かって包丁を滑らせ、上身を開いていきます。次に腹側からも同じように包丁を入れ、背骨から身を切り離します。反対側も同様に行うと三枚おろしの完成です。イトヨリダイは身が柔らかく崩れやすいため、包丁を押しつけず引くように動かすことが大切です。一度で切ろうとせず、背骨に沿って少しずつ丁寧に進めましょう。
腹骨と血合い骨を取る
三枚おろしにした身には腹骨が残っています。包丁を寝かせるようにして腹骨をすき取ってください。イトヨリダイは腹骨が細いため比較的取りやすいですが、身が崩れやすいので慎重に作業しましょう。次に中央あたりに残っている細かい血合い骨を骨抜きで1本ずつ丁寧に抜きます。骨の向きに沿って真っ直ぐ抜くとスムーズです。
**皮の扱い方】
刺身にする場合は皮を引くか、湯霜造りにするかを選びます。通常の皮引きは尾側の端に包丁を入れて皮と身のあいだに刃を滑り込ませ、皮を手でつかみながら包丁を前後に小さく動かして引きます。湯霜造りにする場合は皮を引かずに皮目に熱湯をかけて氷水で締め、皮ごと刺身に切ります。イトヨリダイは皮目に独特の甘みと風味があるため、湯霜造りにすると皮の美味しさも一緒に楽しめます。初めて捌く方にはぜひ湯霜造りを試してほしい食べ方です。
【捌いた後の保存方法】
捌いたイトヨリダイはキッチンペーパーで水気を包んでからラップで密閉し、冷蔵庫で保存してください。身が柔らかく傷みやすい魚なので、当日か翌日までに使い切るのが理想です。すぐに使わない場合は冷凍保存が可能です。1切れずつラップで包んでから冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかり抜いて冷凍してください。解凍する際は冷蔵庫でゆっくり時間をかけて行うとドリップが少なく済みます。
【イトヨリダイに合う料理】
イトヨリダイは上品な白身魚なので、素材の味を活かしたシンプルな料理が最もよく合います。刺身や湯霜造りは皮目の風味と身の甘みが楽しめる定番の食べ方です。塩焼きにすると皮がパリッと仕上がり、身のうま味が凝縮されます。蒸し物にすると身がふっくらとして上品な味わいになり、ポン酢や薄口醤油との相性が抜群です。煮付けにする場合は淡白な身質に合わせてタレを薄めに仕上げるのがコツです。
【まとめ】
イトヨリダイは身が柔らかくデリケートな魚ですが、包丁を丁寧に扱えば初心者でも十分に捌けます。ウロコ取りの際に皮を傷つけないこと、三枚おろしの際に包丁を引くように使うことの2点を意識するだけで仕上がりが大きく変わります。美しい皮目を活かした湯霜造りはイトヨリダイならではの食べ方なので、ぜひ一度試してみてください。捌けるようになると食卓に華やかさが加わる、魅力的な魚です。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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