オヒョウの刺身を食べたことがある方はまだ少ないのではないでしょうか。カレイの仲間でありながら体重200キロを超えることもある世界最大級のカレイ、オヒョウ。その白身は淡泊でありながら上品な旨味があり、刺身にすると素材の良さが存分に楽しめます。市場でオヒョウが入荷したとき、岸田の店では必ず刺身にして店頭に並べます。「これ何の刺身ですか?」と聞かれるたびにオヒョウの話をするのですが、食べてみたお客さんからは「こんなに美味しいカレイがいるんですね」と驚かれることがほとんどです。今回はそんなオヒョウの刺身の作り方を魚屋目線で詳しく解説します。
【オヒョウの刺身に向いている理由】
オヒョウの身は白身で繊維がきめ細かく、刺身にしたときの食感が非常に良いのが特徴です。淡泊な味わいの中に上品な甘みと旨味があり、醤油との相性も抜群です。また脂のりも良く、特に冬場のオヒョウは身に程よい脂が乗って刺身にすると絶品です。クセがほとんどないため、白身魚が好きな方はもちろん、魚が苦手な方でも食べやすい刺身です。昆布締めにするとさらに旨味が増してより美味しくなります。
【オヒョウの刺身を作る前の準備】
オヒョウの刺身を作る前にしっかり準備をしておくことが美味しい刺身への近道です。まず柳刃包丁をしっかり研いでおいてください。切れ味が刺身の仕上がりを大きく左右します。まな板は清潔なものを使い、使用前によく洗って水気を拭き取っておきます。オヒョウの柵はキッチンペーパーで表面の水気をしっかり拭き取ってから切り始めてください。水気が残っていると刺身の表面が水っぽくなり、味が落ちてしまいます。
【オヒョウの刺身の切り方・手順】
最初に柵の状態を確認します。オヒョウの柵は三枚におろして皮を引いた状態のものを使います。捌き方については「オヒョウの捌き方」の記事をあわせてご覧ください。
次に切る方向を確認します。オヒョウの身は繊維が縦方向に走っているため、繊維に対して直角に包丁を入れることが大切です。繊維を断ち切るように切ることで口当たりが柔らかくなり、旨味も感じやすくなります。
平造りで切っていきます。柳刃包丁を柵に対してほぼ垂直に立て、手前に引くようにして一定の厚さに切っていきます。厚さは7〜8ミリ程度が食べやすくて旨味も感じやすいちょうど良い厚さです。包丁は引くときだけ力を入れ、押すときは力を抜くことで綺麗に切れます。
切った刺身を盛り付けます。切った刺身は重ならないように並べるか、少しずつずらして重ねて盛り付けると見栄えが良くなります。大葉・大根のつま・わさびを添えると彩りも良く本格的な盛り付けになります。
【オヒョウの刺身をより美味しくするコツ】
オヒョウの刺身をより美味しく食べるためのコツをいくつかご紹介します。まず昆布締めにする方法です。柵の状態のオヒョウを昆布で挟み、ラップで包んで冷蔵庫で半日から一晩置くだけです。昆布の旨味が身に移り、淡泊な白身がぐっと深みのある味わいになります。オヒョウの刺身には特におすすめの食べ方です。次にポン酢で食べる方法もおすすめです。醤油わさびも美味しいですが、ポン酢に大根おろしを添えて食べると淡泊な白身の甘みがより引き立ちます。薄切りにしてカルパッチョにするのもオヒョウの白身の美しさが映えてパーティーやおもてなしの一品にもなります。
市場で長年仕事をしていると、オヒョウのような普段あまり目にしない魚に出会えることがあります。築地市場がまだあった頃、場内の食堂でプロの料理人たちが魚の刺身を肴に朝から一杯やっている光景をよく見かけました。その目利きのプロたちが選ぶ刺身には理由があります。鮮度・切り方・食べ方、この三つが揃って初めて本当に美味しい刺身になるのです。オヒョウの刺身もぜひその三つにこだわって味わってみてください。
【オヒョウの刺身のまとめ】
オヒョウの刺身は淡泊でありながら上品な旨味と甘みがあり、白身魚の刺身の中でも特に食べやすい一品です。柳刃包丁をしっかり研いで水気をしっかり拭き取ること、繊維に対して直角に包丁を入れることが美味しい刺身を作る基本です。昆布締めにするとさらに旨味が増すのでぜひ試してみてください。市場でもなかなかお目にかかれない希少なオヒョウですが、見かけた際はぜひ刺身にして素材の美味しさをそのまま楽しんでみてください。アニサキスがいる魚介類は一度マイナス18度以下で24時間冷凍して下さい。
魚の捌き方や調理方法はおととチャンネルでも動画で解説しています。文章ではわかりにくい包丁の動かし方や盛り付けのコツも動画でご確認いただけます。ぜひチャンネル登録してご覧ください。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
魚屋が教えるオヒョウの刺身の作り方
料理レシピ