チカメキントキは白身で脂の乗りが良く、どんな調理法でも美味しく仕上がる万能な魚です。市場ではまとまって入荷することがあり、そのたびに「どう食べるのが一番美味しいか」と考えるのが魚屋としての楽しみのひとつでもあります。今回はチカメキントキの美味しさを最大限に引き出す料理レシピを、魚屋目線で丁寧にご紹介します。捌き方はおととチャンネルで解説しています。
【チカメキントキの刺身|白身の上品な甘みを堪能する】
チカメキントキの刺身は、白身特有の透明感のある美しい見た目と、上品な甘みが特徴です。脂の乗りが良いため、口に入れるととろけるような食感が楽しめます。
材料(2人分)
チカメキントキの柵…200g
大葉…4枚
大根のつま…適量
わさび…適量
醤油…適量
作り方
まず柵を冷蔵庫でしっかり冷やしておきます。身が締まることで切りやすくなり、食感も良くなります。柳刃包丁を使い、繊維に対して直角に引くように切ります。厚さは5〜7ミリが食べやすく、チカメキントキの旨みを感じやすい厚さです。大葉と大根のつまを器に敷き、切った刺身を盛り付けます。わさびと醤油を添えて完成です。
より美味しく食べたい場合は、塩と少量のレモン汁で食べる「塩刺身」スタイルもおすすめです。白身の甘みとレモンの酸味が合わさって、魚本来の旨みをダイレクトに感じられます。
お客さんから「チカメキントキって刺身で食べられるの?」と聞かれることがありますが、鮮度が良いものであれば十分刺身で楽しめます。ただし鮮度の低下が早い魚でもあるため、購入した当日に食べることを強くおすすめします。
【チカメキントキの塩焼き|シンプルに旨みを引き出す】
脂の乗ったチカメキントキは塩焼きにすると、余分な脂が落ちながらも旨みがギュッと凝縮されて絶品です。シンプルな料理だからこそ、魚本来の美味しさが際立ちます。
材料(2人分)
チカメキントキ…1尾(または切り身2切れ)
塩…適量
レモン…1/4個
大根おろし…適量
作り方
チカメキントキに塩を振り、30分ほど置きます。この工程で余分な水分と臭みが取り除かれ、焼き上がりの身がふっくらと仕上がります。出てきた水分はキッチンペーパーで拭き取ってください。グリルを中火で予熱し、皮目を下にして置きます。皮目に焼き色がついたら裏返し、身側も同様に焼きます。全体に焼き色がついて、竹串を刺したときに透明な汁が出てきたら完成です。大根おろしとレモンを添えて召し上がってください。
塩を振ってから置く時間が長すぎると身が固くなるため、30分を目安にしてください。焼きすぎも身がパサつく原因になるため、火加減に注意しながら仕上げることが大切です。
魚屋として毎日様々な魚を食べていますが、脂の乗った白身魚の塩焼きはどんな高級な料理にも引けを取らないと思っています。余計なものを加えず、塩だけで魚の旨みを引き出す。シンプルであることが最高の調理法だと実感しています。
【チカメキントキの煮付け|ふっくら柔らかに仕上げる】
チカメキントキの煮付けは、白身の柔らかさと甘辛いタレが絡み合った絶品の一品です。煮崩れしやすい魚でもあるため、煮すぎないことがポイントです。
材料(2人分)
チカメキントキの切り身…2切れ
醤油…大さじ3
みりん…大さじ3
酒…大さじ3
砂糖…大さじ1
水…100ml
しょうが…1かけ(薄切り)
作り方
フライパンまたは鍋に醤油・みりん・酒・砂糖・水・しょうがを入れて中火にかけます。煮立ったらチカメキントキの切り身を皮目を上にして入れます。落し蓋をして中火で7〜8分煮ます。途中で煮汁をスプーンで身にかけながら煮ることで、味がしっかり染み込みます。煮汁が半量程度になったら火を止めて完成です。
煮付けのコツは落し蓋を使うことと、煮すぎないことです。チカメキントキは身が柔らかいため、長時間煮ると崩れてしまいます。7〜8分を目安に、煮汁の状態を見ながら火加減を調整してください。
【チカメキントキのムニエル|洋風にアレンジ】
チカメキントキはムニエルにしても絶品です。バターの香りと白身の甘みが相性抜群で、おしゃれな一品に仕上がります。
材料(2人分)
チカメキントキの切り身…2切れ
塩・こしょう…適量
薄力粉…適量
バター…20g
レモン…1/4個
パセリ(みじん切り)…適量
作り方
切り身に塩・こしょうを振り、薄力粉を全体にまぶして余分な粉を払います。フライパンにバターを溶かし、中火で皮目から焼きます。皮目に焼き色がついたら裏返し、身側も同様に焼きます。全体に焼き色がついたら器に盛り、レモンを絞ってパセリを散らして完成です。
薄力粉をまぶすことでバターとの馴染みが良くなり、表面がカリッと仕上がります。バターが焦げやすいので、火加減は中火を守ることがポイントです。
【チカメキントキのアラ汁|旨みたっぷりの出汁を味わう】
捌いたあとのアラは捨てずにアラ汁にしましょう。チカメキントキのアラから出る出汁は上品で旨みが豊かです。
材料(2人分)
チカメキントキのアラ(頭・中骨)…適量
水…600ml
味噌…大さじ2
長ねぎ…1/2本
しょうが…少量
作り方
アラに塩を振って10分ほど置き、出てきた水分を拭き取ります。鍋に湯を沸かし、アラを入れて霜降りします(さっと湯通しして冷水で洗う)。霜降りをすることで臭みが取れ、澄んだ出汁が取れます。鍋に水としょうがを入れて中火にかけ、霜降りしたアラを加えます。アクを取りながら15分ほど煮て、味噌を溶かし入れ、薄切りにした長ねぎを加えて完成です。
霜降りの工程を丁寧に行うことで、臭みのないクリーンな出汁に仕上がります。この一手間を惜しまないことが美味しいアラ汁を作るコツです。
【まとめ】
チカメキントキは刺身・塩焼き・煮付け・ムニエル・アラ汁とどんな調理法でも美味しく仕上がる懐の深い魚です。鮮度が命の魚なので、手に入ったらその日のうちに調理することが最高の状態で食べるための基本です。シンプルな塩焼きでも白身の旨みと脂の甘みが存分に楽しめますし、煮付けにすれば甘辛いタレが柔らかな身に染み込んだご飯が進む一品になります。市場でなかなか出会えないからこそ、手に入ったときは様々な料理で存分に楽しんでみてください。アニサキスがいる魚介類は一度マイナス18度以下で24時間冷凍して下さい。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
チカメキントキの美味しい食べ方|刺身・塩焼き・煮付けレシピを魚屋が解説
料理レシピ