カンダイ(コブダイ)の保存方法と下処理|鮮度を保つプロのコツ

カンダイ(コブダイ)は大型魚のため、一度に全部食べ切れないことがほとんどです。せっかく手に入れた美味しいカンダイを最後まで美味しく食べるために、正しい保存方法と下処理の知識を身につけておくことがとても大切です。魚は保存の仕方一つで味が大きく変わります。今回はプロの魚屋として実践している保存と下処理のコツをしっかりお伝えします。
【カンダイの下処理をしっかり行う理由】
魚の鮮度が落ちる大きな原因の一つが、内臓と血合いです。魚を丸ごと購入した場合、内臓をそのままにしておくと内臓から出る消化液が身に触れ、急速に鮮度が落ちてしまいます。血合いも同様で、酸化が進むと臭みの原因になります。カンダイのような大型魚はその分内臓も大きく、放置によるダメージが出やすいため、購入後はなるべく早めに下処理を行うことを強くおすすめします。
魚屋として毎朝4時前に起きて市場で仕入れた魚を店に持ち帰ったあと、真っ先に行うのが各魚の下処理です。冬場はコンクリートの床から冷気が上がってくるような極寒の作業場で、氷水に手を突っ込みながら魚の処理を続けます。それでも下処理を丁寧にやるかどうかで、閉店間際の魚の状態が全然違ってきます。プロの現場でもそれほど重要な工程ですので、家庭でもぜひ丁寧に取り組んでみてください。
【購入後すぐに行う下処理の手順】
【うろこと内臓を取り除く】
カンダイを丸ごと購入した場合、まず最初にうろこを取り、頭を落として内臓を取り出します。捌き方の記事で詳しく解説していますので、手順が不安な方はそちらも参考にしてください。内臓を取り出したら、腹の中に残った血合いを流水で丁寧に洗い流します。指先を使って血合いをこそげ取るようにして洗うと、しっかりと取り除けます。
【水気をしっかり拭き取る】
洗い終わったら、キッチンペーパーで表面と腹の中の水気を丁寧に拭き取ります。この工程を省略してしまうと、余分な水分が雑菌の繁殖を促し、鮮度の低下を早めてしまいます。特に切り身にする場合は断面の水気もしっかり拭き取ることが大切です。
【三枚おろしにしてから保存する】
カンダイは大型魚ですので、丸のまま冷蔵庫に入れるとスペースを大きく取ってしまいます。下処理が終わったら三枚おろしにして、使いやすい大きさの切り身にしてから保存するのがおすすめです。一度に使う量ずつ小分けにしておくと、使うときに余分な部分を解凍する必要がなく、鮮度を保ちやすくなります。
【冷蔵保存のやり方】
【ペーパーとラップで包む】
切り身をキッチンペーパーで包み、さらにラップでしっかりと包んでから冷蔵庫のチルド室に入れて保存します。キッチンペーパーが余分な水分や臭みを吸い取ってくれるため、そのままラップだけで包むよりも鮮度が長持ちします。保存の際はキッチンペーパーが濡れてきたら新しいものに交換してください。
冷蔵保存の目安は2〜3日です。できれば翌日中に食べるのが最も美味しく、それ以上保存する場合は冷凍保存に切り替えることをおすすめします。
【バットと氷を使ったプロの保存法】
より鮮度を保ちたい場合は、バットに氷を敷いてその上に魚を置き、さらに上から氷をかぶせて冷蔵庫に入れる方法があります。これは市場や魚屋の店頭でも実践している方法で、氷の冷たさが均一に魚全体に伝わり、チルド室よりもさらに低い温度で保存できます。氷が溶けてきたら水を捨てて氷を補充してください。
【冷凍保存のやり方】
【ラップとジッパー袋で二重包装する】
冷凍保存する場合は、切り身を一切れずつラップでぴったりと包み、空気が入らないようにしてからジッパー付きの保存袋に入れます。空気が入ると冷凍焼けの原因になり、解凍したときに風味が落ちてしまいます。袋の中の空気をしっかり抜いてから口を閉じてください。
冷凍保存の目安は2〜3週間です。それ以上保存すると冷凍焼けが進んで風味が落ちてきますので、なるべく早めに食べ切るようにしましょう。
【冷凍前に塩を振る方法】
煮付けや焼き物に使う予定の切り身は、冷凍前に軽く塩を振って10分ほど置き、出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取ってから冷凍すると、解凍後の水っぽさが抑えられて美味しく仕上がります。
【解凍のやり方】
【冷蔵庫でゆっくり解凍する】
冷凍したカンダイを解凍するときは、冷蔵庫に移してゆっくりと時間をかけて解凍する方法が最もおすすめです。前日の夜に冷蔵庫に移しておけば、翌朝にはちょうどよく解凍されています。急いで解凍しようとして常温に放置したり、電子レンジを使ったりすると、ドリップ(旨味を含んだ水分)が大量に流れ出て風味が落ちてしまいますので避けてください。
【塩水解凍という方法もある】
時間がないときは塩水解凍も有効です。海水程度の濃度(水1リットルに対して塩小さじ2程度)の塩水に、ラップに包んだままの切り身を浸けて解凍します。塩水の浸透圧によってドリップの流出が抑えられ、旨味を保ったまま解凍できます。ただし長時間浸けすぎると塩が入りすぎてしまいますので、半解凍の状態になったら取り出して冷蔵庫で残りを解凍してください。
【保存時に気をつけたいこと】
魚の保存で大切なのは「魚を水に触れさせすぎない」ことです。洗った後の水気はしっかり拭き取り、保存中に出てきた水分もこまめに拭き取るようにしてください。水分は雑菌の繁殖を助けてしまいますので、この意識を持つだけで保存の持ちが大きく変わります。
また、冷蔵庫の中で他の食材と一緒に保存する場合は、魚の臭いが他の食材に移らないようにラップをしっかりかけることも忘れずに。特においの強い食材の近くに置かないよう気をつけてください。
【まとめ】
カンダイは購入後すぐに内臓と血合いを取り除き、しっかりと水気を拭き取ってから保存することが鮮度を保つ最大のポイントです。冷蔵保存は2〜3日、冷凍保存は2〜3週間を目安にし、解凍は冷蔵庫でゆっくりと行うことで旨味を損なわずに美味しく食べられます。大型魚であるカンダイは一度に食べ切れない分量になることが多いため、三枚おろしにして小分けにしてから保存する習慣をつけると、毎回の料理がぐっと楽になります。正しい保存と下処理の知識を身につけて、カンダイの美味しさを最後の一切れまで存分に楽しんでください。魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

タイトルとURLをコピーしました