アラの美味しい食べ方|魚屋おすすめの料理レシピ3選

アラは九州では古くから「アラ鍋」として親しまれてきた高級魚だ。その濃厚な旨みと豊かな脂は、シンプルな調理法でこそ真価を発揮する。魚屋の現場でアラが入荷すると、常連のお客さんから「どう食べたらいいか」と聞かれることが多い。それだけ食べ方に迷う人が多い魚でもあるが、基本的な料理を押さえておけば十分すぎるほど美味しく食べられる。今回はアラの特性を活かしたおすすめ料理を3つ紹介する。
魚の捌き方はYouTubeチャンネル「おととチャンネル」でも動画で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
https://youtu.be/nIW4IzBvfqQ
【アラの味わいと料理への活かし方】
アラの身は白身でありながら脂の乗りが非常によく、加熱するとしっとりとした食感と濃厚な旨みが引き出される。皮にはコラーゲンが豊富に含まれており、鍋や煮付けにすると皮周辺からとろりとしたゼラチン質が溶け出してスープに深みが生まれる。刺身にしても美味しいが、火を通した料理でこそアラの本領が発揮されると魚屋の現場では実感している。
淡白な白身魚とは異なり、アラはしっかりとした旨みと脂を持つため、醤油・みりん・酒といった和の調味料との相性が抜群だ。シンプルな味付けで素材の味を活かす方向性で調理するのが最も美味しく仕上げるコツになる。
【おすすめレシピ① アラ鍋】
アラの代名詞ともいえる料理がアラ鍋だ。九州では冬の定番として料亭から家庭まで広く親しまれており、アラのアラ(頭・骨・カマなど)から出る濃厚な出汁が鍋全体に広がる極上の一品だ。
まずアラの頭や骨などの部位に塩を振って10分ほど置き、熱湯をかけて霜降りにする。血合いや汚れを流水で丁寧に洗い流したら下処理は完了だ。鍋に昆布と水を入れて火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出してアラの部位を加える。アクをていねいにすくいながら中火で煮ていくと、黄金色の美しい出汁が取れる。
具材は豆腐・白菜・ネギ・椎茸など好みのものを加えてよい。アラの旨みが染み込んだ出汁が具材全体に行き渡り、どれを食べても格別の美味しさになる。締めには雑炊がおすすめで、アラの出汁を余すことなく味わえる。魚屋の現場でアラ鍋をすすめると、食べた後に「また食べたい」と言いに来てくれるお客さんが必ずいる一品だ。
【おすすめレシピ② 煮付け】
アラの煮付けは身の旨みと皮のコラーゲンを同時に楽しめる家庭向けの定番料理だ。三枚おろしにした切り身を使えば食べやすく仕上がる。
醤油・みりん・砂糖・酒を合わせた煮汁を鍋に入れて火にかけ、沸騰したらアラの切り身を皮目を上にして入れる。落し蓋をして中火で煮ていくことで味が全体にまんべんなく染み込む。アラは身が厚いため、煮る時間はやや長めに取ると中心まで火が通って旨みが引き出される。
煮汁が半分程度に煮詰まってきたら火を強め、煮汁を切り身にかけながら照りを出す。仕上げに生姜を加えると臭み消しになり風味も引き立つ。皮がとろりとした食感になり、ご飯が進む濃厚な味わいに仕上がる。
【おすすめレシピ③ 刺身】
アラの刺身は白身ながら脂の旨みが豊かで、一度食べると忘れられない味わいだ。鮮度のよいものが手に入ったときにはぜひ刺身で楽しんでほしい。
三枚おろしにして腹骨と血合い骨を取り除き、皮を引いた身をそぎ切りにする。厚めに切ることでアラならではのしっとりとした食感と脂の旨みが最大限に楽しめる。薄造りよりもやや厚めの切り方がアラには向いている。
わさび醤油はもちろん、ポン酢に紅葉おろしを添えて食べるのも絶品だ。脂の乗りが強い個体は昆布締めにすることで旨みがさらに凝縮され、翌日には別格の美味しさになる。魚屋として長年働いてきた中で、アラの刺身は高級魚として恥じない味わいだと自信を持っておすすめできる一品だ。
アニサキスがいる魚介類は一度マイナス18度以下で24時間冷凍して下さい。
【料理のまとめ】
アラはアラ鍋・煮付け・刺身のどれにしても素材の旨みが存分に楽しめる万能な高級魚だ。特にアラ鍋は頭や骨など捌いた際に出るアラの部分まで余すことなく活用できる料理で、アラという魚の魅力を丸ごと堪能できる。入手できる機会は多くないが、手に入ったときにはぜひこれらの料理で存分に楽しんでほしい。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
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