クロメバルの正しい保存方法と下処理!鮮度を保つ魚屋直伝のコツ

クロメバルは鮮度が味に直結する魚です。新鮮なうちに適切な下処理を行い正しく保存することで、刺身でも煮付けでも最高の状態で食べることができます。今回は魚屋の現場で実践している保存・下処理の方法を詳しくお伝えします。
【クロメバルの鮮度を見極めるポイント】
保存の前にまず鮮度の見極め方を知っておくことが大切です。新鮮なクロメバルは目が澄んでいて黒く輝いています。目が白く濁っているものは鮮度が落ちているサインです。また体にハリがあり触ったときに弾力を感じるものが新鮮です。さらにエラを開けてみると新鮮なものは鮮やかな赤色をしており、鮮度が落ちるにつれて茶色や灰色に変わっていきます。
魚屋の店頭でクロメバルを選ぶときはこの3つのポイントを確認するようにしてください。目・弾力・エラの色、この3点を見れば鮮度はほぼ判断できます。
【下処理① 棘の処理】
クロメバルの下処理で最初に行うべきことが棘の処理です。背鰭には硬くて鋭い棘が並んでおり、鰓蓋の縁にも鋭い突起があります。これらに触れると深く刺さって怪我をすることがあります。
キッチンバサミを使って背鰭の棘を根元からしっかり切り落とします。鰓蓋の縁の突起も同様に切り落としておくとその後の作業が格段に安全になります。タオルや布巾でクロメバルをしっかり押さえながら作業することを忘れずに。この一手間が安全な下処理の大前提です。
【下処理② 鱗の取り方】
棘の処理が終わったら鱗を取ります。クロメバルの鱗は細かくびっしりついており飛び散りやすいのが特徴です。鱗取りまたは包丁の背を使い流水を軽く当てながら尾から頭に向かってこそぎ取ります。
背中側・腹側・頭の周り・鰭の付け根周辺は鱗が残りやすいため特に念入りに取り除いてください。シンクの中で作業するか大きめのビニール袋の中で行うと飛び散った鱗の後片付けが楽になります。鱗を取り終えたら流水で全体をよく洗い流しキッチンペーパーで水気を拭き取ります。
【下処理③ 内臓の取り除き方】
クロメバルの下処理でもっとも重要な工程が内臓の除去です。肛門から腹に向かって包丁を入れ内臓をすべて取り出します。このとき腸を破らないよう注意してください。腸の内容物が身に触れると臭みが移りやすくなります。
内臓を取り出したら腹の中を流水でよく洗います。血合いや腹の中の黒い膜を指でこすりながら丁寧に洗い落とします。この黒い膜は臭みの原因になるため残さず取り除くことが大切です。洗い終わったらキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。水気が残っていると鮮度が落ちやすくなるためこの工程は特に丁寧に行ってください。
【下処理④ 塩あて】
内臓を取り除いて水気を拭き取ったあとは塩あてを行います。三枚におろした切り身あるいは一尾のまま両面と腹の中に塩を振り15〜20分ほど置きます。塩によって余分な水分が引き出されその水分と一緒に臭みの成分も出てきます。
時間が経ったら出てきた水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。この塩あての一手間でクロメバルの旨みがより引き締まります。塩焼きにする場合はこの塩あての塩をそのまま焼き塩として使えるため一石二鳥です。
【下処理⑤ 霜降り】
煮付けや鍋料理に使う場合は霜降りをするとさらに仕上がりが良くなります。ボウルに冷水と氷を用意しておき魚に熱湯をかけるか鍋に入れた熱湯にさっとくぐらせます。表面が白くなったらすぐに冷水に取り粗熱を取ります。冷えたら表面の血合いや汚れをやさしく取り除きキッチンペーパーで水気を拭き取れば完成です。
霜降りによって表面のタンパク質が固まり煮崩れしにくくなるとともに臭みの成分が湯に溶け出します。クロメバルの煮付けを作るときは必ずこの霜降りの工程を入れることをおすすめします。仕上がりの美しさと味の深みが格段に変わります。
【冷蔵保存の方法】
下処理を終えたクロメバルを冷蔵保存する場合は以下の手順で行います。まずキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。次にキッチンペーパーで魚全体を包みさらにラップでしっかり包んでチルド室または冷蔵庫の一番冷たい場所に入れます。
この状態で2〜3日は鮮度を保てます。キッチンペーパーが魚から出る余分な水分を吸い取り身への再吸収を防いでくれます。翌日以降も使う場合はキッチンペーパーを毎日取り替えると鮮度がより長持ちします。クロメバルは鮮度が味に直結する魚ですので下処理が終わったらなるべく早めに食べることを心がけてください。
【冷凍保存の方法】
すぐに食べない場合は冷凍保存が適しています。クロメバルを冷凍する場合は三枚におろした状態で保存するのがおすすめです。一尾丸ごとより切り身の方が解凍しやすく使いたい分だけ取り出せて便利です。
切り身をキッチンペーパーで水気を拭き取り1切れずつラップでしっかり包みます。それをジッパー付きの保存袋に入れ空気をしっかり抜いて冷凍庫に入れます。この状態で2〜3週間ほど保存できます。唐揚げ用に小ぶりの個体を丸ごと冷凍する場合も同様に1尾ずつラップで包んで保存してください。
解凍するときは冷蔵庫に移して一晩かけてゆっくり解凍する方法がもっとも旨みを損ないません。急ぎの場合はラップに包んだまま流水にあてる流水解凍も有効です。電子レンジでの解凍は身がパサつきやすいためできるだけ避けることをおすすめします。
【魚屋の現場から】
冬場の魚屋の作業は過酷です。冷凍庫はマイナス20度以下、店のコンクリートの床は足元からじんじん冷えてくる、そして氷水に手を突っ込んで魚を取り出す作業が朝から続きます。それでも魚の鮮度管理だけは絶対に妥協しません。クロメバルのように鮮度が味に直結する魚は特に温度管理が命です。少しの油断で刺身にできる鮮度が失われてしまいます。魚屋が極寒に耐えながら守っている鮮度を、ご家庭でもチルド室をうまく活用してできるだけ低い温度で保存することを意識していただけると嬉しいです。
【まとめ】
クロメバルの下処理はまず背鰭と鰓蓋の鋭い棘をキッチンバサミで切り落とし安全に作業できる状態にすることから始まります。鱗は細かくびっしりついているため尾から頭に向かって丁寧にこそぎ取り取り残しのないようにしてください。内臓を取り除いたあとは腹の中の黒い膜を指でこすりながら丁寧に洗い流し塩あてで余分な水分と臭みを引き出すことが美味しさを引き出す基本です。煮付けや鍋料理に使う場合は霜降りを加えることで仕上がりの美しさと味の深みが格段に増します。冷蔵保存の場合はキッチンペーパーとラップで包んでチルド室へ、冷凍保存の場合は1切れずつラップで包み空気を抜いて保存することで鮮度を長く保てます。丁寧な下処理と適切な保存がクロメバルの美味しさを最大限に引き出す鍵です。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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