【ホウボウってどんな魚?】
ホウボウは鮮やかな青緑色の大きな胸びれが特徴的な、見た目のインパクトが抜群の魚です。この胸びれを広げた姿はまるで鳥が羽を広げているようで、水族館でも人気の展示魚として知られています。名前の由来は泳ぐときに「ホウボウ」という音を出すからとも、方々を泳ぎ回るからとも言われており、諸説あります。
旬は冬から春にかけてで、特に12月〜3月が最も脂がのって美味しい時期です。白身魚の中でも旨味が強く、身がしっかりと締まっているのが特徴です。刺身・塩焼き・煮付け・鍋など幅広い料理に向いており、魚屋の間では「知る人ぞ知る美味しい魚」として高く評価されています。スーパーではあまり見かけないことも多いですが、魚屋や鮮魚店では冬場によく並ぶ魚です。
見た目が派手で独特なため初めて捌く方は戸惑うこともありますが、基本的な手順は他の白身魚と同じです。特別難しい技術は必要ないので、ぜひ挑戦してみてください。
【捌く前に準備するもの】
ホウボウを捌く前に道具をそろえておきましょう。必要なものは出刃包丁・柳刃包丁・まな板・ウロコ取り・骨抜き・キッチンペーパーです。ホウボウは一般的に30〜40センチ程度のサイズが多く、家庭のまな板でも十分に扱えます。
注意したいのが胸びれと背びれのトゲです。ホウボウのヒレには鋭いトゲがあり、素手で触れると刺さって怪我をすることがあります。作業中は必要に応じて厚手のゴム手袋を使うか、ヒレの扱いに十分注意しながら進めてください。
【ヒレの処理とウロコの取り方】
ホウボウを捌くときにまず対処したいのが大きな胸びれです。そのままにしておくと作業の邪魔になるので、最初にキッチンバサミで胸びれを根元から切り落としておくと後の作業がスムーズになります。背びれや腹びれも同様にハサミで切り落としておきましょう。
ウロコはウロコ取りを使って尾から頭に向かってこすりながら取り除きます。ホウボウのウロコは比較的大きくしっかりしていますが、取り除きやすい部類です。腹部や頭周辺のウロコも丁寧に取り除いてください。ウロコが取れたら流水でしっかり洗い流します。
【頭の落とし方】
ウロコを取り終えたら頭を落とします。胸びれの付け根に沿って斜めに包丁を入れます。ホウボウは頭が大きくて硬いのが特徴なので、出刃包丁の根元を使って体重をかけながら切り落とすのがポイントです。
背側から包丁を入れて骨に当たったら裏返し、腹側からも同じように包丁を入れて切り落とします。ホウボウの頭はアラとして出汁をとるのに最適です。旨味が強い魚なので、頭と骨でとった出汁は味噌汁や鍋のベースにすると絶品の味わいになります。捨てずに活用してください。
【内臓の取り出し方】
頭を落としたら腹に包丁を入れて内臓を取り出します。肛門から頭側に向かって浅く切り込みを入れ、内臓を丁寧にかき出します。ホウボウの内臓は比較的取り出しやすいですが、胆のうを傷つけると苦味が身に移るので慎重に作業してください。
内臓を取り出したら背骨の内側に残っている血合いをしっかり取り除きます。歯ブラシや血合い取りを使って流水をかけながらこすり落とすのが効果的です。血合いの取り残しは臭みの原因になるので丁寧に作業しましょう。最後にキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ってから次の工程に進みます。
【三枚おろしの手順】
内臓を取り除いてきれいに洗ったら三枚おろしに進みます。まな板の上に魚を置き、頭側を左・腹側を手前にします。
まず背側から包丁を入れます。背骨に沿って頭側から尾に向かって切り込みを入れ、背骨に当たるまで包丁を進めます。次に腹側も同様に切り込みを入れます。そして背骨の上に包丁を這わせるように、尾から頭方向に向かってゆっくりと身を切り離していきます。
ホウボウは身が締まっていて骨もしっかりしているため、焦らず丁寧に包丁を進めることが大切です。骨際に身を残さないよう、背骨にしっかり包丁を当てながら進めてください。片面が切り離せたら裏返して同じ手順で反対側も切り離します。これで三枚おろしの完成です。
【腹骨と血合い骨の取り方】
三枚におろした身には腹骨と血合い骨が残っています。腹骨は包丁を寝かせて骨に沿うようにそぎ取ります。ホウボウの腹骨はしっかりしているので、包丁をしっかり当てながら丁寧に取り除いてください。
血合い骨は骨抜きを使って一本ずつ丁寧に抜いていきます。指で身をなでると骨の位置が確認できるので、感触を確かめながら作業しましょう。ホウボウは身が締まっているため骨抜きの作業がしやすい魚です。丁寧に骨を抜くことで刺身としての完成度が大きく上がります。
【皮の引き方】
刺身にする場合は皮を引きます。尾側の端を少し切り、皮と身の間に包丁を入れます。皮をしっかり押さえながら包丁を小刻みに動かして皮と身を切り離していきます。
ホウボウの皮は少し厚みがあるので、包丁をしっかり皮に当てながら引くのがコツです。包丁を動かすのではなく皮を引っ張る側の手を動かすイメージで作業すると、身が崩れずきれいに仕上がります。
なおホウボウの皮は焼き霜造りにするのもおすすめです。皮目をバーナーで軽く炙るか熱湯をかけて氷水で締めると、皮のコリコリした食感と香ばしさが加わり、一味違った刺身が楽しめます。
【ホウボウの美味しい食べ方】
捌いたホウボウは刺身が最もおすすめです。身が締まっていて旨味が強く、淡白な白身の中にしっかりとしたコクがあります。薄造りよりも少し厚めに切る平造りの方がホウボウの食感と旨味が楽しめます。
塩焼きにすると皮目がパリッと仕上がり、身の旨味がじんわりと広がります。煮付けにする場合は甘辛のタレとの相性が抜群で、身がしっかりしているので煮崩れしにくいのも嬉しいポイントです。鍋に入れると出汁が出て鍋全体の旨味が増します。冬に食べる白菜とホウボウの鍋は体の芯から温まる一品です。アラで作った出汁を使った味噌汁は、魚屋イチオシの食べ方です。
【まとめ】
ホウボウは見た目のインパクトが強い魚ですが、捌き方は他の白身魚と基本的に同じです。最初にヒレをハサミで切り落としておくことでその後の作業がぐっとスムーズになります。旨味が強くて身が締まっているので、刺身・塩焼き・煮付け・鍋とどんな料理にしても美味しく仕上がります。冬場に魚屋で見かけたらぜひ手に取ってみてください。アラから出汁をとることで一尾まるごと余すことなく楽しめるのもホウボウの魅力です。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
ホウボウの捌き方|魚屋が教える三枚おろしと美味しい食べ方
捌き方