魚屋が市場で築く信頼関係|良い魚が手に入る理由を魚屋が解説

【市場での信頼関係はお客さんへの最高のサービス】
魚屋がお客さんに良い魚を届けられる理由の一つに、市場での人間関係があります。毎朝市場に通い、問屋さんと顔を合わせながら積み重ねてきた信頼関係が、店頭に並ぶ魚の質に直結しています。これは一朝一夕で作れるものではなく、何年もかけて育てていくものです。
市場というのは単に魚を買いに行く場所ではありません。そこには人と人とのやりとりがあり、信頼があり、長年の付き合いがあります。その積み重ねが、お客さんの食卓に届く魚の質を左右しているんです。
【最初は売れ残りを押しつけられそうになる】
市場に買い物に行くと、問屋さんはその日の売れ残り商品を買わせようと交渉してきます。新参者や付き合いの浅い相手には、なかなか良い商品を回してもらえないのが市場の現実です。
こちらも簡単には折れません。要らないものを買わされそうになったときは、「それを買うからこっちの商品を安くしてくれ」というセット交渉をしながら、欲しい商品をできるだけ有利な条件で仕入れる工夫をします。この交渉が毎朝繰り返されています。
最初のうちはこういった交渉の連続で、思うように仕入れができないこともあります。しかし諦めずに市場に通い続け、問屋さんとの関係を丁寧に積み上げていくことが大切です。
【相手の立場を考えることが信頼につながる】
市場で信頼関係を築くために一番大切なことは、目先の利益だけを追わないことです。とにかく安く買うことだけを考えて強引な交渉ばかりしていると、相手との関係は長続きしません。
問屋さんにも売らなければならない商品があります。売れ残れば困るのは向こうも同じです。そういう相手の立場を考えながら付き合っていくことで、少しずつ信頼が生まれていきます。こちらの要望を聞いてもらえることも増えてきますし、無理な交渉をしなくても話がまとまるようになっていきます。
これは何年もかけて少しずつ育まれていくものです。焦らず、相手を大切にしながら関係を積み重ねていくことが、市場での信頼関係の作り方です。
【信頼が積み重なると優先して良い魚を回してもらえる】
長年市場に通い、問屋さんとの信頼関係が深まってくると、少しずつ変化が出てきます。良い魚が入荷したときに「あなたのところに取っておいたよ」と声をかけてもらえるようになるんです。
これは非常に大きなことです。市場に出回る良い魚は、通常は高級料理店や有名なお店が値段に関係なく買っていきます。普通の魚屋にはなかなか回ってこないような質の高い魚が、信頼関係があることで普通の値段で手に入ることがあります。その魚がそのままお客さんへの最高のサービスになります。
【昔の市場にあった温かい文化】
今から振り返ると、昔の市場にはもっと温かい文化がありました。市場に行くと問屋さんがコーヒーを用意して待っていてくれることがありました。若い従業員を連れて行くと、市場内の食堂を予約してくれて「帰りに朝ご飯食べていって」とご馳走してくれることもありました。
そういったやりとりの中で自然と人間関係が育まれ、信頼が深まっていく文化がありました。不景気でそういったことは今はなくなってしまいましたが、人と人との信頼関係が市場を動かしているという本質は変わっていません。形は変わっても、誠実に向き合い続けることが信頼につながるということは今も昔も同じです。
【市場での信頼関係がお客さんに届くまで】
市場で築いた信頼関係は、最終的にお客さんへの魚の質として届きます。良い魚を優先して回してもらえる関係があるからこそ、他ではなかなか手に入らない魚を店頭に並べることができます。そしてお客さんに「この魚屋に来れば良い魚がある」と思ってもらえるようになります。
魚屋が毎朝早起きして市場に通い、交渉し、関係を積み重ねているのは全てお客さんのためです。店頭に並ぶ一尾の魚の裏には、こうした毎朝の積み重ねと長年の信頼関係があります。
【まとめ】
市場での信頼関係は、魚屋がお客さんに良い魚を届けるための大切な土台です。最初は売れ残りを押しつけられそうになる交渉の連続ですが、相手の立場を考えながら誠実に付き合い続けることで少しずつ信頼が生まれます。その信頼が積み重なると、良い魚が入荷したときに優先して回してもらえるようになります。高級店にしか回らないような質の良い魚が手に入ることもあります。市場での人間関係と信頼の積み重ねが、お客さんの食卓に届く魚の質を支えています。
おととチャンネルでは魚の捌き方を動画で詳しく解説しています。ぜひチャンネル登録してご覧ください。
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