魚屋が教えるイスズミの刺身の作り方

釣り人に「外道」と呼ばれることが多いイスズミですが、適切な下処理をすれば刺身でも十分に美味しく食べられる魚です。むしろ正しく処理したイスズミの刺身を食べた人が「こんなに美味しいのか」と驚くことも少なくありません。この記事では、魚屋がイスズミの刺身を美味しく作るためのコツを丁寧に解説します。
【イスズミの刺身は本当に食べられるの?】
イスズミが敬遠される最大の理由は独特の臭みです。海藻を主食としているため、内臓や皮に臭みが集中しています。しかしこの臭みは内臓と皮を取り除き、適切な処理をすることで大幅に軽減できます。身そのものは白く透明感があり、旨味もしっかりあります。
特に冬場のイスズミは海藻の臭みが比較的少なく、身に脂がのって美味しくなる時期です。夏場は海藻をたくさん食べているため臭みが強くなる傾向があります。刺身に挑戦するなら冬から春にかけてのイスズミがおすすめです。
釣り上げた直後に血抜きと神経締めをしっかり行うことが、イスズミを刺身で美味しく食べるための最初の大切なステップです。血が身に回ると臭みと生臭さが増すため、釣り場での処理が刺身の出来を大きく左右します。
【刺身に使う道具】
刺身を作るときに用意するものは柳刃包丁・まな板・骨抜き・キッチンペーパーです。イスズミの刺身は臭み対策が最重要なため、まな板と包丁は使用前後にしっかり洗浄することをおすすめします。特に皮を引いた後は皮の臭いが包丁やまな板に移りやすいので、一度洗ってから刺身を切ると臭いが身に移りにくくなります。
【臭み抜きの下処理をしっかり行う】
イスズミの刺身を美味しく作るために最も重要なのが臭み抜きの下処理です。三枚におろして腹骨と血合い骨を取り除いたら、まず塩を振って10分ほど置きます。塩を振ることで身から余分な水分と臭みが出てきます。10分経ったらキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ってください。
次にキッチンペーパーで身を包んでラップをし、冷蔵庫で半日から一晩置きます。この工程でさらに余分な水分と臭みが抜けていきます。時間に余裕があれば一晩置く方が仕上がりが格段に良くなります。急いでいる場合でも最低3時間は置くようにしてください。
臭みが気になる場合は酢で軽く締める方法も効果的です。身の表面に薄く酢を塗り、5分ほど置いてからキッチンペーパーで拭き取ります。酢の香りが臭みを抑えてくれるため、さっぱりとした刺身に仕上がります。
【皮引きは丁寧に】
イスズミの刺身で特に重要なのが皮引きです。皮には臭みが集中しているため、皮を引く際に皮の臭いが身に移らないよう注意が必要です。皮を引いたらすぐに包丁とまな板を洗い、新しいキッチンペーパーで身の表面を拭いてから次の作業に進んでください。
皮引きは尾側の端に包丁を入れ、皮と身の間に刃を滑らせながら引いていきます。皮をしっかり持ちながら引っ張ることで綺麗に引けます。イスズミの皮はやや厚めなので比較的引きやすい魚です。
【刺身の切り方】
下処理が完了したら刺身を切っていきます。イスズミの刺身は「平造り」が基本です。柳刃包丁を少し寝かせ気味にして手前に引くように一回で切ります。厚さは5〜8ミリが食べやすく旨味も感じやすい厚さです。
切った刺身は包丁の腹を使って優しく移動させましょう。指でつまんで移動させると体温で鮮度が落ちやすくなるため注意してください。
イスズミの身は白く透明感があるため、切りたての状態は見た目も美しい刺身になります。切ったらすぐに盛り付けて食べるのが一番です。
【盛り付けと薬味】
盛り付けは手前から奥に向かって少し立てかけるように重ねて並べます。大葉・大根のつま・わさびを添えると彩りが良くなります。イスズミの刺身には薬味をしっかり効かせるのがおすすめです。わさびはもちろん、おろし生姜やおろしニンニクも臭み消しとして効果的で、白身の旨味を引き立ててくれます。
ポン酢と薬味をたっぷり添えて食べるスタイルも、イスズミの刺身には非常に合います。さっぱりとした酸味が臭みをさらに抑えてくれるため、臭みが気になる方にはポン酢がおすすめです。
【醤油以外のタレも試してみて】
イスズミの刺身はシンプルに醤油とわさびで食べても美味しいですが、少しアレンジするとさらに楽しめます。ごま油と塩で食べる「塩ごま油」スタイルは白身との相性が良く、臭みも気になりにくくなります。また薬味をたっぷり加えた「なめろう風」にするのもおすすめです。味噌・生姜・ネギ・大葉をたたき込むことで臭みが気にならなくなり、イスズミの旨味がしっかり感じられる一品になります。
【鮮度管理と保存方法】
刺身は鮮度が命です。切った刺身はなるべく早く食べてください。柵の状態であればキッチンペーパーで包んでラップをし、冷蔵庫で翌日まで保存できます。ただしイスズミは時間が経つほど臭みが出やすいため、なるべく当日中に食べ切るのがベストです。
釣ったイスズミを持ち帰る場合は、釣り場でしっかり血抜きをしてクーラーボックスに入れて持ち帰ることが大切です。氷に直接触れると身が傷みやすくなるため、氷の上にタオルや新聞紙を敷いた上に魚を置くか、ジッパー付きの保存袋に入れてから氷に当てるようにしてください。
【まとめ】
イスズミの刺身は下処理をしっかり行えば、白く透明感のある美しい刺身に仕上がります。臭みの原因は皮と内臓に集中しているため、皮を丁寧に引いて塩を振り、冷蔵庫で一晩置くだけで臭みは大幅に軽減されます。冬から春にかけての個体は特に臭みが少なく刺身に向いています。薬味をしっかり効かせてポン酢や塩ごま油で食べるのもおすすめです。釣り上げてリリースしていた方も、ぜひ一度刺身に挑戦してみてください。
アニサキスがいる魚介類は一度マイナス18度以下で24時間冷凍して下さい。
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