アマダイの捌き方|魚屋が教える三枚おろしと絶品の食べ方

【アマダイってどんな魚?】
アマダイは日本を代表する高級白身魚のひとつで、その上品な甘みと柔らかな身質から古くから料亭や割烹で重宝されてきた魚です。正式名称はアマダイですが、関西では「グジ」と呼ばれており、京料理には欠かせない食材として知られています。白アマダイ・赤アマダイ・黄アマダイの3種類があり、一般的にスーパーや魚屋で流通しているのは赤アマダイが多いです。
旬は秋から冬にかけてで、特に10月〜2月が最も脂がのって美味しい時期です。身は非常に柔らかくて水分が多いため、扱いに少しコツが必要ですが、その分料理にすると口の中でとろけるような食感が楽しめます。魚屋の目線でも、アマダイは鮮度の落ちが早い魚なので、購入したらなるべく早く調理することをおすすめします。
アマダイの最大の特徴はウロコごと食べられることです。他の魚ではウロコを取り除くのが常識ですが、アマダイの場合はウロコをつけたまま揚げたり焼いたりすることで、ウロコがパリパリに仕上がり独特の食感が楽しめます。この調理法は「松笠焼き」「松笠揚げ」と呼ばれ、アマダイを代表する料理として広く知られています。
【捌く前に準備するもの】
アマダイを捌く前に道具をそろえておきましょう。必要なものは出刃包丁・柳刃包丁・まな板・ウロコ取り・骨抜き・キッチンペーパーです。アマダイは一般的に30〜50センチ程度のサイズが多く、家庭のまな板でも十分に扱えます。
アマダイは身が非常に柔らかいため、包丁は必ずよく研いでおくことが大切です。切れない包丁では身が崩れやすく、せっかくの柔らかな食感が損なわれてしまいます。また作業中は丁寧に扱い、力を入れすぎないように意識することが美しい仕上がりへのポイントです。
【ウロコの取り扱いについて】
アマダイを捌くうえで最初に決めておきたいのが、ウロコを取るかどうかです。松笠焼きや松笠揚げにする場合はウロコを取らずにそのまま調理します。刺身や煮付けにする場合はウロコを取り除く必要があります。
ウロコを取る場合はウロコ取りを使って尾から頭に向かってこすりながら取り除きます。アマダイのウロコは大きくて取り除きやすい部類ですが、身が柔らかいため力を入れすぎると身が傷つくことがあります。優しく丁寧にこするよう心がけてください。ウロコが取れたら流水でしっかり洗い流します。
松笠焼きや松笠揚げにする場合はウロコを取らずに次の工程に進みます。ウロコをつけたまま三枚おろしにして皮目を上にして調理することで、加熱によってウロコがパリパリに立ち上がり美しい松笠状に仕上がります。
【頭の落とし方】
ウロコの処理が終わったら頭を落とします。胸びれと腹びれの付け根に沿って斜めに包丁を入れます。アマダイは骨が比較的細めなので、他の大型魚ほど力は必要ありません。それでも出刃包丁を使ってしっかりと切り落とすことが大切です。
背側から包丁を入れて骨に当たったら裏返し、腹側からも同じように包丁を入れて切り落とします。アマダイの頭はアラとして出汁に使えます。上品な旨味が出るので、味噌汁や吸い物のベースにすると料亭のような味わいが自宅で楽しめます。
【内臓の取り出し方】
頭を落としたら腹に包丁を入れて内臓を取り出します。肛門から頭側に向かって浅く切り込みを入れ、内臓を丁寧にかき出します。アマダイは身が柔らかいため、腹に切り込みを入れる際も力を入れすぎず浅めに包丁を入れることを意識してください。
内臓を取り出したら背骨の内側に残っている血合いを取り除きます。歯ブラシや血合い取りを使って流水をかけながらこすり落とすのが効果的です。血合いの取り残しは臭みの原因になるので丁寧に取り除いてください。最後にキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。アマダイは水分が多い魚なので、水気をしっかり取り除くことが特に大切です。
【三枚おろしの手順】
内臓を取り除いてきれいに洗ったら三枚おろしに進みます。まな板の上に魚を置き、頭側を左・腹側を手前にします。
まず背側から包丁を入れます。背骨に沿って頭側から尾に向かって切り込みを入れ、背骨に当たるまで包丁を進めます。次に腹側も同様に切り込みを入れます。そして背骨の上に包丁を這わせるように、尾から頭方向に向かってゆっくりと身を切り離していきます。
アマダイは身が非常に柔らかいため、他の魚以上に丁寧に包丁を進めることが大切です。力を入れすぎると身が崩れてしまうので、包丁の重みを利用するように優しく引きながら切り進めてください。骨際に身を残さないよう背骨にしっかり包丁を当てながら進めることも意識しましょう。片面が切り離せたら裏返して同じ手順で反対側も切り離します。これで三枚おろしの完成です。
【腹骨と血合い骨の取り方】
三枚におろした身には腹骨と血合い骨が残っています。腹骨は包丁を寝かせて骨に沿うようにそぎ取ります。アマダイの腹骨は薄くて柔らかめなので、包丁を寝かせながら丁寧に取り除いてください。
血合い骨は骨抜きを使って一本ずつ丁寧に抜いていきます。アマダイは身が柔らかいため骨抜きの際に身が崩れやすいです。片手で身を優しく押さえながら、もう片方の手でゆっくりと骨を抜くようにすると身が崩れにくくなります。指で身をなでて骨の位置を確認しながら丁寧に作業してください。
【皮の引き方と松笠仕立てについて】
刺身や煮付けにする場合は皮を引きます。尾側の端を少し切り皮と身の間に包丁を入れます。皮をしっかり押さえながら包丁を小刻みに動かして皮と身を切り離していきます。アマダイの皮は薄くて破れやすいため、慎重に作業することが大切です。
松笠焼きや松笠揚げにする場合はウロコをつけたまま皮も残します。皮目を上にしてフライパンや魚焼きグリルで焼くか、油で揚げることでウロコがパリパリに立ち上がり美しい松笠状に仕上がります。見た目が華やかで食感も楽しいアマダイならではの調理法です。ウロコをパリパリに仕上げるためには皮目をしっかり高温で加熱することがポイントです。
【アマダイの美味しい食べ方】
アマダイの代表的な料理はやはり松笠焼きです。ウロコをつけたまま塩を振って皮目を上にして焼くだけで、料亭のような上品な一品が完成します。ウロコのパリパリした食感と柔らかな身の対比が絶妙で、一度食べると忘れられない美味しさです。
刺身にする場合は身が非常に柔らかいので、切る直前まで冷蔵庫でしっかり冷やしておくと切りやすくなります。昆布締めにすると余分な水分が抜けて身が適度に締まり、旨味も凝縮されてさらに美味しくなります。煮付けにする際は身が崩れやすいので短時間でさっと仕上げるのがコツです。アラで作った吸い物は上品な旨味が口に広がり、特別な日の一品にもなります。
【まとめ】
アマダイはウロコをつけたまま調理できる松笠仕立てが最大の魅力で、他の魚にはない独特の食感と見た目の美しさが楽しめる特別な魚です。身が非常に柔らかいため扱いに少しコツが必要ですが、包丁を優しく丁寧に動かすことを意識すれば初心者でも十分に挑戦できます。秋冬に魚屋で見かけたらぜひ手に取ってみてください。松笠焼きをひとつマスターするだけで、自宅の食卓が一気に料亭の雰囲気になります。アラまで余すことなく使えるのもアマダイの嬉しいポイントです。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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