イシダイの捌き方|魚屋が教える三枚おろしと美味しい食べ方

【イシダイってどんな魚?】
イシダイは磯釣りの王者とも呼ばれる高級魚で、釣り人なら一度は狙ってみたいと憧れる存在です。体に7本の黒い縞模様があることから「シマダイ」とも呼ばれており、成長とともに縞模様が薄れていくのが特徴です。特に大型の成魚はくちばしのような硬い口を持ち、サザエやウニなどの貝類を殻ごと噛み砕いて食べることから「石を噛み砕く鯛」という意味でイシダイという名前がついたとも言われています。
旬は夏から秋にかけてで、特に7月〜10月が最も脂がのって美味しい時期です。身は白くて透明感があり、上品な甘みと旨味が特徴です。身質はしっかりと締まっていて歯ごたえがよく、刺身にすると特にその美味しさが際立ちます。魚屋の目線でも、イシダイは鮮度がよいものが手に入れば刺身一択といえるほど刺身としての完成度が高い魚です。
スーパーではあまり見かけることが少なく、主に鮮魚店や魚屋・料亭で扱われる高級魚です。価格は高めですが、その味わいは値段に十分見合う美味しさです。釣り人にとっては磯釣りの最高のターゲットとして知られており、釣り上げたイシダイを自分で捌いて刺身にする喜びはひとしおです。
【捌く前に準備するもの】
イシダイを捌く前に道具をそろえておきましょう。必要なものは出刃包丁・柳刃包丁・まな板・ウロコ取り・骨抜き・キッチンペーパーです。イシダイは一般的に30〜50センチ程度のサイズが多く、大型になると60センチを超えるものもいますが、家庭で捌く場合は40センチ前後のものが扱いやすいです。
イシダイの最大の注意点は非常に硬いウロコと骨です。ウロコはかなり硬くてしっかりと皮に密着しており、普通のウロコ取りでは取り除くのに苦労することがあります。出刃包丁もしっかり研いでおくことが大切で、切れない包丁では骨が切れずに苦労します。道具の準備をしっかり整えてから作業に臨んでください。
【ウロコの取り方】
イシダイのウロコは非常に硬くて大きく、しっかりと皮に密着しています。ウロコ取りを使って尾から頭に向かって力を入れながらこすり取ります。イシダイのウロコは飛び散りやすいので、シンクの中か大きなビニール袋の中で作業するのがおすすめです。
特に背びれや胸びれの付け根周辺、腹部のウロコは取り残しやすい部分です。指で触れながら確認して残っているウロコがないようにしっかり取り除いてください。普通のウロコ取りで取りにくい場合は出刃包丁の刃を立てて使うと取り除きやすくなります。ウロコが取れたら流水でしっかり洗い流します。
【頭の落とし方】
ウロコを取り終えたら頭を落とします。胸びれと腹びれの付け根に沿って斜めに包丁を入れます。イシダイは骨が非常に硬くて太いため、出刃包丁の根元を使って体重をかけながら一気に切り落とすことが大切です。
背側から包丁を入れて骨に当たったら裏返し、腹側からも同じように包丁を入れて切り落とします。骨が硬いため途中で包丁が止まることがありますが、無理に力を入れると包丁が滑って危険です。落ち着いて出刃包丁の位置を確認しながら丁寧に進めてください。イシダイの頭はアラとして出汁や兜煮に活用できます。旨味が強いので出汁をとると絶品の味噌汁になります。
【内臓の取り出し方】
頭を落としたら腹に包丁を入れて内臓を取り出します。肛門から頭側に向かって浅く切り込みを入れ、内臓を丁寧にかき出します。胆のうを傷つけると苦味が身に移るので慎重に作業してください。
内臓を取り出したら背骨の内側に残っている血合いを取り除きます。歯ブラシや血合い取りを使って流水をかけながらこすり落とすのが効果的です。イシダイは血合いがしっかりしているので丁寧に取り除くことが臭みのない美味しい仕上がりへの大切なひと手間です。最後にキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ってから次の工程に進みます。
【三枚おろしの手順】
内臓を取り除いてきれいに洗ったら三枚おろしに進みます。まな板の上に魚を置き、頭側を左・腹側を手前にします。
まず背側から包丁を入れます。背骨に沿って頭側から尾に向かって切り込みを入れ、背骨に当たるまで包丁を進めます。次に腹側も同様に切り込みを入れます。そして背骨の上に包丁を這わせるように、尾から頭方向に向かってゆっくりと身を切り離していきます。
イシダイは骨が非常に硬くて身もしっかり締まっているため、他の白身魚よりも力が必要です。一度で切り離そうとせず数回に分けて少しずつ包丁を進めるのがコツです。骨際に身を残さないよう背骨にしっかり包丁を当てながら進めてください。片面が切り離せたら裏返して同じ手順で反対側も切り離します。これで三枚おろしの完成です。
【腹骨と血合い骨の取り方】
三枚におろした身には腹骨と血合い骨が残っています。腹骨は包丁を寝かせて骨に沿うようにそぎ取ります。イシダイの腹骨はしっかりしているので包丁をしっかり当てながら丁寧に取り除いてください。
血合い骨は骨抜きを使って一本ずつ丁寧に抜いていきます。イシダイは身が締まっているため骨抜きの作業はしやすい部類です。指で身をなでて骨の位置を確認しながら丁寧に作業してください。骨をしっかり抜くことで刺身としての完成度が大きく上がります。
【皮の引き方】
刺身にする場合は皮を引きます。尾側の端を少し切り皮と身の間に包丁を入れます。イシダイの皮は厚くてしっかりしているため、包丁をしっかり皮に当てながら引くことが大切です。皮をしっかり押さえながら包丁を小刻みに動かして皮と身を切り離していきます。
包丁を動かすのではなく皮を引っ張る側の手を動かすイメージで作業すると身が崩れずきれいに仕上がります。イシダイの皮は厚みがあるので皮引きの際に力が必要ですが、焦らず丁寧に進めてください。
なおイシダイの皮は湯霜造りにするのもおすすめです。皮目に熱湯をかけて氷水で締めると皮のコリコリした食感が楽しめ、皮目の旨味もしっかり味わえます。見た目も美しく仕上がるので刺身の盛り合わせにも映えます。
【刺身の切り方】
イシダイの刺身は平造りが定番です。柳刃包丁を使って手前に引くように切るのが基本です。イシダイは身が非常に締まっているため少し厚めに切ると食感が楽しめます。8ミリから1センチ程度の厚さを目安にしてください。
切るときは包丁を一方向に引くだけで押したり往復させたりしないのがポイントです。切り口が滑らかになることで断面が美しくなり口当たりも良くなります。透明感のある白い身は盛り付けたときの見た目も美しく、刺身としての完成度が非常に高い魚です。
【イシダイの美味しい食べ方】
捌いたイシダイはやはり刺身が最高の食べ方です。身が締まっていてコリコリとした食感と上品な甘みと旨味は、一度食べると忘れられない美味しさです。醤油とわさびだけで十分すぎるほどの美味しさが楽しめます。
塩焼きにすると皮目がパリッと仕上がり、身の旨味がじんわりと広がります。イシダイは皮目が特に美味しい魚なので塩焼きも非常におすすめです。薄塩をして少し置いてから焼くと余分な水分が抜けてふっくらと仕上がります。煮付けにする場合は身がしっかりしているので煮崩れしにくく扱いやすいです。アラで作った味噌汁は磯の香りと旨味が口に広がる絶品の一杯になります。
【まとめ】
イシダイは硬いウロコと骨が捌く際の最大のポイントですが、しっかりと研いだ出刃包丁と丁寧な作業で十分に対応できます。身が締まっていて旨味が強く刺身としての完成度が非常に高い魚なので、捌く手間をかける価値が十分にある一尾です。磯釣りで釣り上げた際はぜひ自分で捌いて刺身にしてみてください。旬の夏から秋にかけて魚屋で見かけたときもぜひ手に取ってみてください。捌き方を覚えておくと高級魚を自宅でリーズナブルに楽しめる大きな喜びにつながります。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

タイトルとURLをコピーしました