魚屋が教える魚のすり身の作り方と保存方法

魚のすり身と聞くと、なんだか難しそうに感じる方も多いかもしれません。でも実は、自宅でも意外と簡単に作ることができます。魚屋として長年魚を扱ってきた経験から、すり身の作り方と保存方法をわかりやすくお伝えします。市販のすり身とは一味違う、手作りならではの美味しさをぜひ体感してみてください。
【すり身に向いている魚とは】
すり身に向いている魚には、いくつかの共通点があります。まず大切なのは、鮮度が良いことです。鮮度が落ちた魚はすり身にしても粘りが出にくく、仕上がりがボソボソになってしまいます。魚屋として断言しますが、すり身は鮮度が命です。
魚の種類としては、タラ・ホッケ・イワシ・アジ・サバ・スケトウダラなどが向いています。白身魚は特に粘りが出やすく、弾力のあるすり身になりやすいです。青魚は独特の風味が出るので、好みに合わせて選んでみてください。市販のかまぼこや竹輪もスケトウダラが主原料になっていることが多く、白身魚のすり身がいかに使いやすいかがわかります。
【すり身を作る前の下処理】
すり身を作る前には、しっかりと下処理をしておくことが大切です。まず魚を三枚におろし、皮と骨を丁寧に取り除きます。骨が残っているとすり身の食感を損なうだけでなく、口に刺さる危険もあるので注意しましょう。
次に、身をさらしにくるんで水気をしっかりと絞ります。この工程がとても重要で、水分が多いとすり身がゆるくなって粘りが出にくくなります。絞った後はキッチンペーパーでさらに水分を拭き取っておくと、より仕上がりがよくなります。
また、臭みが気になる青魚などは、下処理の段階で塩を少量ふって10分ほど置き、出てきた水分をしっかり拭き取っておくと臭みが軽減されます。
【すり身の作り方・手順】
それでは実際のすり身の作り方をご説明します。用意するものは、下処理済みの魚の身・塩・片栗粉・フードプロセッサー(またはすり鉢)です。
最初に魚の身をフードプロセッサーに入れ、塩を少量加えてかくはんします。塩を加えることでたんぱく質が溶け出し、粘りが生まれます。この粘りがすり身の命です。塩の量は魚の身の重さの約1〜1.5%が目安です。たとえば魚の身が300gであれば、塩は3〜4g程度になります。
フードプロセッサーがない場合はすり鉢でしっかり時間をかけてすります。根気がいる作業ですが、すり鉢でじっくり作ったすり身は風味が豊かでとても美味しいです。
なめらかになってきたら、片栗粉を少量加えてさらに混ぜます。片栗粉を加えることでまとまりやすくなり、加熱したときの弾力が増します。ここで砂糖をほんの少し加えると、冷凍保存したときに食感が落ちにくくなるのでおすすめです。砂糖が入ることでたんぱく質の変性を抑えてくれる効果があります。
最終的に全体がひとかたまりになり、しっかりと粘りが出ていれば完成です。指でつまんでみて、もちっとした感触があればうまくできています。
【すり身のアレンジと使い方】
自家製すり身の使い道はとても広いです。つみれ汁・はんぺん風・つくね・魚ハンバーグ・豆腐と合わせたがんもどき風など、バリエーション豊かに楽しめます。
つみれ汁にする場合は、すり身にしょうがのしぼり汁と長ねぎのみじん切りを混ぜ込んで、沸騰した出汁にスプーンで落とすだけです。すり身が浮いてきてからさらに2〜3分煮れば完成で、外で食べるより断然美味しいつみれ汁が自宅で楽しめます。
魚ハンバーグにする場合は、すり身に玉ねぎのみじん切り・卵・パン粉を合わせて成形し、フライパンで焼くだけです。子どもたちにも食べやすく、魚が苦手な方にも喜ばれる一品です。
【すり身の保存方法と日持ち】
せっかく手作りしたすり身は、正しく保存してできるだけ美味しい状態で使い切りたいものです。
冷蔵保存の場合は、ラップでしっかり空気を抜いて包み、密封できる保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。日持ちは1〜2日が目安です。すり身は傷みやすいので、冷蔵の場合はなるべく当日か翌日中に使い切るようにしましょう。
冷凍保存の場合は、使いやすい量に小分けにしてラップで包み、保存袋に入れて冷凍します。冷凍すると約2〜3週間は保存できます。使うときは冷蔵庫でゆっくり解凍するのが一番です。電子レンジで急いで解凍すると水分が出やすく、食感が落ちてしまうので注意してください。
砂糖を少量混ぜ込んでから冷凍すると、解凍後の食感がより保たれやすくなります。魚屋でも業務用のすり身に砂糖が使われることが多いのは、この保存性と食感維持のためです。
【まとめ】
魚のすり身は、鮮度のよい魚を使って丁寧に下処理をすることが美味しく仕上げる最大のポイントです。塩をしっかり加えて粘りを出し、水分をよく絞ることで市販品に負けない弾力のあるすり身が完成します。冷凍保存をうまく活用すれば、まとめて作っておいてその都度使うこともできるので、日々の料理の幅がぐっと広がります。魚屋として、ぜひ一度手作りすり身の美味しさを体験してみてほしいと思います。自分で作ったすり身を使った料理は、食卓をひと段階豊かにしてくれるはずです。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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