ベラという魚をご存知でしょうか。釣り人からは「外道」と呼ばれることが多く、釣れてもリリースされてしまうことが少なくない魚です。ところが実際に食べてみると、これが驚くほど美味しい。魚屋として長年魚と向き合ってきた立場からすると、ベラほど「損をしている魚」はないと思っています。今回はそんなベラの捌き方を丁寧に解説していきます。
【ベラってどんな魚?】
ベラはスズキ目ベラ科に属する魚で、日本各地の沿岸に生息しています。種類が非常に多く、キュウセン・ホンベラ・ニシキベラなど数十種類が日本近海に存在します。体色が鮮やかで美しいものが多く、観賞魚としても人気があります。
釣り人の間では「外道」扱いされることが多いベラですが、西日本では古くから食用として親しまれており、特に瀬戸内海沿岸では高級魚として扱われることもあります。関西の市場では普通に並ぶ魚ですが、関東ではまだまだ馴染みが薄い印象です。
私が市場に仕入れに行くと、問屋さんがベラを「これ一緒に買ってくれたら他を安くするよ」と交渉の材料に使ってくることがあります。最初のころは正直「ベラなんて売れるかな…」と半信半疑で仕入れていました。ところが店頭に並べてみると、魚好きのお客さんがすぐに手に取ってくれる。「久しぶりに見た!」と喜んでくれる年配のお客さんもいました。そこからベラの実力を改めて認識したのです。
【捌く前の準備】
まな板・出刃包丁・ウロコ取りを用意してください。ベラはウロコが比較的大きくしっかりしているため、ウロコ取りを使うと作業がスムーズです。また体がぬめりやすいので、塩を少量ふりかけてからたわしや布巾でこすると表面のぬめりが取れやすくなります。
捌く前に流水でしっかり洗い、ぬめりと汚れを落としておきましょう。
【ウロコの取り方】
ベラのウロコは大きめですが、意外とはがれやすいです。尾から頭に向かってウロコ取りを動かしてウロコを取ってください。ヒレの付け根や頭の周りはウロコが残りやすいので、丁寧に取り除きましょう。ウロコを取り終えたら再度流水で洗い流してください。
【頭の落とし方と内臓の取り出し方】
ウロコが取れたら頭を落とします。胸ビレの後ろに斜めに包丁を入れて頭を切り落としてください。次に腹に浅く切り込みを入れて内臓を取り出します。内臓を取り出したら腹の中を流水でしっかり洗い、血合いをきれいに取り除きます。
【三枚おろし】
①背骨に沿って包丁を入れる
背中側から中骨に沿って包丁を滑らせます。ベラは骨が比較的柔らかいため、出刃包丁でなくても三徳包丁で十分捌けます。
②腹側も同様に
背中側が切れたら裏返して腹側も同様に包丁を入れ、身を中骨から外します。
③反対側も同じように
反対側の身も同じ手順で外せば三枚おろしの完成です。腹骨を削ぎ取り、小骨を骨抜きで丁寧に取り除いてください。
ベラの身は白くきれいで、皮目に独特の風味があります。皮付きのまま焼いたり、湯霜にして刺身にしたりと様々な料理に使えます。
【皮の処理について】
ベラは皮に旨みがあるため、皮を活かした料理がおすすめです。刺身にする場合は湯霜造りにすると皮の旨みと食感が楽しめます。熱湯を皮目にさっとかけてすぐに氷水で冷やすだけでOKです。焼き魚にする場合は皮付きのままで問題ありません。
【アラの活用】
頭や中骨のアラは味噌汁や潮汁にすると美味しい出汁が出ます。ベラのアラから出る出汁は上品で甘みがあり、シンプルな味付けで十分美味しくなります。捌いた後のアラは必ず活用してください。
【まとめ】
ベラは釣り人からは外道扱いされることが多い魚ですが、捌いて食べてみると驚くほど美味しい隠れた実力派です。ウロコをしっかり取り除き、ぬめりを落としてから三枚おろしにするのが基本の手順です。皮に旨みがあるため皮を活かした調理法がおすすめで、湯霜造りの刺身や焼き魚が特に美味しい食べ方です。市場でも比較的安く手に入ることが多い魚なので、見かけたときはぜひ手に取ってみてください。知れば知るほど魅力的な魚です。
捌き方の動画はこちらの「おととチャンネル」でも詳しく解説しています。ぜひチャンネル登録して一緒に魚を楽しみましょう🐟✨
👉 https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
「ベラの捌き方|意外と美味しい!魚屋が教えるベラの正しい捌き方」
捌き方