マルソウダの保存方法と下処理|鮮度が命の魚を美味しく保つコツ

マルソウダは魚の中でも特に鮮度の落ちが早い魚です。青魚の中でもトップクラスに傷みやすく、適切な処理をしないとあっという間に臭みが出てしまいます。しかし正しい下処理と保存方法を知っていれば、マルソウダの美味しさを最大限に引き出すことができます。今回は魚屋として日々実践している保存と下処理のノウハウを詳しくお伝えします。
【マルソウダはなぜ傷みやすいのか】
マルソウダが傷みやすい最大の理由は血合いの多さにあります。血合い肉にはミオグロビンという色素タンパク質が豊富に含まれており、これが酸化することで臭みと変色の原因になります。カツオも同様の特徴を持ちますが、マルソウダはカツオ以上に血合いの割合が多く、酸化のスピードも速いため、より慎重な鮮度管理が必要です。
また回遊魚であるマルソウダは筋肉中の酵素活性が高く、死後の自己消化が早く進む傾向があります。これも傷みの早さに影響しています。市場でマルソウダを仕入れる際は、他の魚以上に時間との勝負になります。少しでも鮮度に不安を感じたものは仕入れない判断をすることも、魚屋として大切な仕事の一つです。
【釣ったその場での処理が最重要】
釣り人の方にとって最も重要なのが釣り場での処理です。マルソウダは釣り上げた瞬間から鮮度が低下し始めるため、釣り上げたらすぐに活け締めと血抜きを行うことが絶対条件です。
活け締めはナイフやハサミでエラの付け根を断ち切る方法が一般的です。エラと尾の付け根に切り込みを入れてバケツの海水に漬け、しっかり血を抜きます。血抜きが完了したらクーラーボックスに氷と海水を合わせた潮氷を作り、そこに入れて保管します。真水の氷だけより潮氷の方が温度が下がりやすく、鮮度保持に優れています。
釣り場での処理を丁寧にするかどうかで、家に帰ってから捌いたときの身の状態が全く変わります。処理が丁寧なものは血合いが鮮やかな赤色で臭みがなく、不十分なものは暗褐色に変色して強い臭みが出ています。この差を現場で何度も見てきたからこそ、釣り場での処理の重要性を強く伝えたいと思っています。
【下処理の手順】
家に持ち帰ったらできる限り早く下処理に取りかかります。まずウロコを取り、頭を落として内臓を取り出します。腹の中を流水でしっかり洗い、血合いをスプーンや指でかき出すように丁寧に取り除きます。
洗い終わったらペーパータオルで水気を徹底的に拭き取ります。マルソウダは水分が残っていると雑菌が繁殖しやすく、臭みの発生が早まります。拭き取りは丁寧に、特に腹の内側まで念入りに行ってください。
すぐに食べる場合は三枚おろしまで済ませてしまうのがおすすめです。三枚おろしにすることで血合い部分をより丁寧に処理でき、保存中の臭みの発生を抑えることができます。おろした身はすぐに氷水で冷やし、身の温度が上がらないよう注意してください。
【冷蔵保存の方法】
下処理を済ませたマルソウダをペーパータオルで包み、ラップでしっかり密封してから冷蔵庫に入れます。マルソウダの冷蔵保存の目安は当日から翌日中です。他の魚より保存期間が短いため、購入や釣った当日に食べきることが理想です。
どうしても翌日まで保存する場合はバットに氷を敷いた上にペーパータオルで包んだ身をのせ、さらに氷をかぶせる氷詰め保存が効果的です。冷蔵庫の中でも最も温度が低い奥の方に置き、できるだけ低温を保つようにしてください。ペーパータオルは水分を吸ったら新しいものに交換することで、より鮮度が長持ちします。
【冷凍保存の方法】
当日中に食べきれない場合は迷わず冷凍保存に切り替えてください。マルソウダは冷蔵より冷凍の方が圧倒的に向いている魚です。三枚おろしか一口大の切り身にしてから、1切れずつラップで包んで冷凍用保存袋に入れます。空気をしっかり抜いて密封し、金属製のバットの上に置いて急速冷凍すると品質が保ちやすくなります。
冷凍の保存期間は2〜3週間を目安にしてください。長期保存すると冷凍焼けが起きて風味が落ちるため、早めに食べきることをおすすめします。冷凍したマルソウダは竜田揚げや味噌煮など加熱調理に向いています。解凍後の刺身は食感が変わるため、生食は新鮮なものに限るようにしてください。
解凍は冷蔵庫に移して自然解凍するのが基本です。時間がない場合は氷水を使った解凍も有効です。電子レンジの解凍機能は身がパサつく原因になるため避けた方が賢明です。
【臭みが出てしまったときの対処法】
保存中に多少の臭みが出てしまった場合でも、いくつかの対処法で臭みを軽減できます。塩を全体に振って10〜15分置き、出てきた水分をペーパータオルで拭き取る塩当てが手軽で効果的です。酒を振りかけて10分ほど置く方法もアルコールが臭み成分を揮発させてくれるため有効です。
ただし臭みが強く出てしまったものは無理に刺身で食べようとせず、味噌煮や竜田揚げなど加熱調理に切り替えることをおすすめします。生姜や味噌をしっかり効かせた加熱調理であれば、多少臭みが出たマルソウダでも美味しく食べることができます。
【まとめ】
マルソウダの保存で最も大切なのは時間との勝負という意識を持つことです。釣り場での活け締めと血抜きを徹底し、家に戻ったらすぐに下処理に取りかかることが美味しく食べるための絶対条件です。冷蔵保存の目安は当日から翌日中と短いため、食べきれない分は迷わず冷凍保存に切り替えてください。三枚おろしにして血合いを丁寧に処理した状態で冷凍しておけば、竜田揚げや味噌煮など加熱調理に便利に使えます。鮮度管理が難しい魚だからこそ、正しい処理と保存方法を身につけることでマルソウダの本来の美味しさを存分に楽しめるようになります。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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